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対話 日本の原像
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 中央公論社 |
発売年月日 | 1986/08/25 |
JAN | 9784120015076 |
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商品レビュー
3
1件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
興味を引く対談だけど、20年近く前の話なので内容がもう古いのではないかと危惧したが、案外そうでもなかった。 主に古代日本語とアイヌ語や沖縄方言とを比較し、検証しながら、日本人の精神的なルーツについて梅原氏と吉本氏が語り合う。 日本は農耕社会への変移が遅かった代わりに、狩猟採集社会である縄文文化を高度に発達させたというが、その名残がアイヌや沖縄に色濃く残っているという。その特徴の一つが、生命の循環という思想だ。人が死んだらその魂は「お山」にゆき、そこで穢れを落としたあと、天へ昇る。そしてまた地上に降りてきて、人間の肉体を持ったり、動物、あるいは植物の姿をとったりするという。そして天も素晴らしいところだが、地上もまた良い、という考えが根っこにある。 仏教で言う輪廻転生と似ているがは少し違う。なぜなら、仏教では輪廻から抜け出す「解脱」が最終目標になっているが、上記の古代日本人の考え方だと、解脱の必要はないからだ。「あの世」と「この世」、中継地点としての「お山」はあっても極楽や地獄はない。 この考え方は、日本人のDNAによほど深く刻み込みれているとみえて、仏教の教えでさえ、この死生観に合わせてアレンジされていったほどだ。 分厚い本ではないが読み応えあり。
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