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世界の終末 現代世界の危機
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 平河出版社 |
発売年月日 | 1986/06/10 |
JAN | 9784892031120 |
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世界の終末
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ブラヴァツキー批判の急先鋒として有名であるようだし、またシモーヌ・ヴェイユが学友ルネ・ドーマル(シュルレアリスト)と共にルネ・ゲノンの著作の愛読者だったという情報を得て、図書館から借りて読んだ。 厳めしい論文を想像していたが、引用もなしに軽く書かれたような印象を受けて拍子抜けし、...
ブラヴァツキー批判の急先鋒として有名であるようだし、またシモーヌ・ヴェイユが学友ルネ・ドーマル(シュルレアリスト)と共にルネ・ゲノンの著作の愛読者だったという情報を得て、図書館から借りて読んだ。 厳めしい論文を想像していたが、引用もなしに軽く書かれたような印象を受けて拍子抜けし、どこにブラヴァツキーのことが書かれているのか、探してみた。 誇大広告もいいところであった。 Amazonの商品説明(「BOOK」データベースより)に「近代オカルティズムの隆盛を批判したルネ・ゲノンの洞察」とあるが、それに関しては数行しかなく、しかも「われわれは別の著作でこれらを研究した」で済ませている。「別の著作」にそれが書かれているとしても、ここにこれだけしか出ていないのに「近代オカルティズムの隆盛を批判したルネ・ゲノンの洞察」はないだろう。 ゲノンのいう「正統な伝統」というのが、わたしにはさっぱり呑み込めなかった。伝統を様式とでもいい換えれば、わかりやすくなるだろうか。 いや、そもそも理論を展開させるだけの知識の蓄えが感じられなかった。 ゲノンは三大宗教の一つといわれる仏教が宗教ではないと主張し、「逸脱」「奇形」とまでいうが、むしろその主張のほうが通念からの「逸脱」ないし「奇形」にほかならない。この異質の考えを受容させるにはそれだけの理論的根拠が必要である。 また、ブラヴァツキーを批判するのであれば、それは彼女の先行研究としての『シークレット・ドクトリン』なり『アイシス・アンヴェールド』なりに具体的に触れなくては、意味をなさない。 一方では、カトリックには胡麻をすっている。ゲノンが西洋でちやほやされる理由はそれだろう。シモーヌ・ヴェイユと同じだ。というより、シモーヌはゲノンのそういうところも受容したのだ。 なぜ胡麻すりかというと、それだけの根拠が提示されていないからである。 この著作が第一級の思想研究書扱いされていることに甚だ疑問を覚える。シモーヌ・ヴェイユにゲノンの影響を受けた痕跡があることを残念に思う。
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