ヌバ 遠い星の人びと 新潮文庫

レニリーフェンシュタール【著】, 福井勝義【訳】

• 販売会社／発売会社: 新潮社
• 発売年月日: 1986/05/25
• JAN: 9784102229019

商品レビュー

2025/05/11

レニ・リーフェンシュタール（1902-2003）。101歳、2003年まで存命だったとは！
最初は舞踏家として出発。イザベラ・ダンカンやアンナ・パヴロワに並ぶとまで期待された。しかし膝の怪我でその道を断念。そして女優。監督・俳優として山岳映画を製作した。その才能をヒトラーが見抜いた。よくも悪くも歴史に残る2作、『民族の祭典』と『美の祭典』を制作。戦後、ナチスに協力したとして3年半の投獄生活。
1956年、映画の撮影で初めてアフリカを訪れ、交通事故に遭い、九死に一生を得る。そしてそこでヌバ族の存在を知り、彼らに魅せられる。彼らのもとをなんとか訪れることができたのは、その6年後。寝食をともにし彼らを撮る。本書(原著)の出版は1973年、71歳の時だ。
邦訳が出た時（1986年）、私は映像人類学の１冊として目を通した。しかしいま、レニの波乱万丈の人生を知って再読すると、あらためてその凄さ、不撓不屈の生き方、比類なき才能、深い学識に驚かされる。そしてなによりも、撮るもの書くものに美しさがある。
訳もいい。訳者はボディ族のフィールドワークで知られる福井勝義氏（1943-2008）。

2013/04/27

(1986.06.19読了)(1986.05.28購入)
遠い星の人びと
（「BOOK」データベースより）amazon
スーダン中部で、文明から隔絶された昔ながらの暮らしをいまもつづける、“ヌバ”と呼ばれる人びと。白人女性として初めて彼らのもとを訪れた世界的映像作家レニ・リーフェンシュタールは、その魅力の虜となり、ヌバたちと寝起きをともにした。文明の波に押し流され、滅び去ろうとするヌバの文化と日常のすべてを限りない愛情をもって記録した、感動のフォト・ルポルタージュ。