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奇子 手塚治虫漫画全集(3) 手塚治虫漫画全集
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 講談社 |
| 発売年月日 | 1992/03/01 |
| JAN | 9784061087996 |
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奇子 手塚治虫漫画全集(3)
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奇子 手塚治虫漫画全集(3)
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商品レビュー
3.8
14件のお客様レビュー
何となく手塚治虫作品を久しぶりに読みたくなり、何となく手にした。全3巻で完結というのも選んだ理由の1つ。 本書の末尾に「奇子 昭和47年1月25日号~昭和48年6月25日号 ビッグコミック連載」とある。私はすでに生まれていたがこの作品は知らなかった。週刊少年チャンピオンで連載され...
何となく手塚治虫作品を久しぶりに読みたくなり、何となく手にした。全3巻で完結というのも選んだ理由の1つ。 本書の末尾に「奇子 昭和47年1月25日号~昭和48年6月25日号 ビッグコミック連載」とある。私はすでに生まれていたがこの作品は知らなかった。週刊少年チャンピオンで連載されたブラックジャックで手塚漫画の面白さを知った世代に私は属する。 それにしてもこの作品の連載時期を改めて考えると、この作品から2つの事象を読むことができた。もちろん手塚はその2つの事象が起こる前からこの物語を着想していたという前提で読んでほしい。1つは「仁義なき戦い」。自己の欲望で動く人間たちのドラマ。週刊誌への連載と有名な映画の封切とが奇子の連載時期と重なる。3巻のP237の仁朗のセリフ「こういう異常な状態にまともな論理が通用すると思うなら君は狂っている」はその意味で象徴的。正常と異常とを劇中で反転させ、人間の真実をあぶり出そうとしている。 それともう1つが、昭和47年2月の横井庄一さんのグアムからの帰国。横井さんは終戦後もYokoi’s caveで発見されるまで穴居生活を続けた。人間が20年以上1人で狭い空間で生きるという極限状態を、当時の読者は現実感をもって受容できたと推測できる。 しかし、その2つはあくまでも“刺し身のつま”に過ぎないのではないか。 この物語の核心は3巻の“あとがき”での手塚自身のコメントで示される。 「最初はドストエフスキイの『カラマゾフの兄弟』のような、一家系のさまざまな人間模様を戦後史の中でかきたかったのです」。キーワードは「ドストエフスキイ」だったのだ。 でも私はこうも思った。『カラマゾフの兄弟』以外の、例えば、罪と罰、悪霊、白痴etc.… 奇子ではドストエフスキイの他の作品からも様々な形で引用が試みられていると思う。なお奇子のどの部分がドストエフスキイのどの作品の引用であるかの詮索はそれぞれの読者に委ねたいが、例えば、奇子の性に奔放な面と幼児のようにイノセントな面との同居によるキャラクター造形は、“白痴”のナスターシャに原型を見ることができるのではないか。 とは言うものの、奇子は結果的に“失敗作”では? と私は思う。 手塚の人生の年表を奇子の連載期と重ねると、手塚が虫プロダクションでのゴタゴタに巻き込まれていた時期と重なる。手塚自身もあとがきで「じつは、この物語はもっと長編の予定だったのです。それが、急に途中で終わったのは、やむを得ぬ事情によるもので、話がつまったとかいやになったわけではありません」と書く。つまり手塚の意思にかかわらず、物語は(実際の見た目はそう思えないが)中断したのだ。 だがこれでよかったのではないかというのが私の見解。もし虫プロやその他の些事に巻き込まれず、手塚が創作活動に集中できたとしても、ドストエフスキイに匹敵するような物語の創作はよほどのことがない限り困難だったに違いない。それはドストエフスキイが本当にすごかったということでもある。だから手塚が劣っていたとかの話では決してない。 他方で私が残念なのは、奇子のキャラクター造形において、どう見ても奇子が単なる“ヤリマン”にしか見えなかったこと。閉鎖空間に長年閉じ込められたまま成長する奇子というキャラクターを手塚が着想したのは流石だが、ドストエフスキイによる究極の造形にまでは近づけていないのではないか。つまり奇子はあくまで奇子であって、つまり時代からもそれぞれの個人からも“浮いた”存在であり、私は奇子に自分自身の姿を写すことは難しかった。とは言うものの、もしかしたら現代において、奇子の奇特な人生に自分自身を写し出せる人は希少ながらいるかもしれない。それを手塚が想定していたのならば、すごいことだけど… しかし全体的には手塚も満足だったかもしれない。黒い霧に覆われた戦後の数々の疑獄もしょせんは人間による営為であり、その姿は霧の中にあっても必ず実存するということを手塚は見事にドラマ化したのだ。まさに“天網恢恢疎にして漏らさず”を実証するものであり、人間の暗部が渦巻くこの物語にも、手塚のヒューマニズムを見出すことができた。 ラストシーンは、素封家の天外一族のうちの残った1人が登場し1人で語って終わるが、意外な人物であり、これもドストエフスキイの“白痴”のラストと符合するようで興味深い。
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★古びない★1972年の連載の漫画ながら、舞台設定が戦後間もなくということを差し引いても、いま読んでも構成も展開も生き生きしている。下山事件を下敷きに、戦後の混乱を混沌とした一族から描き出す。 子どもと比べて大人の絵が冴えなかったり、蔵の狭く暗い地下で普通に育ったりと突っ込みど...
★古びない★1972年の連載の漫画ながら、舞台設定が戦後間もなくということを差し引いても、いま読んでも構成も展開も生き生きしている。下山事件を下敷きに、戦後の混乱を混沌とした一族から描き出す。 子どもと比べて大人の絵が冴えなかったり、蔵の狭く暗い地下で普通に育ったりと突っ込みどころはあるが、一族の面々がそれぞれ異なる事情でおかしくなっていき、最後はやはり暗い穴倉で終わるところは映画的だ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
黒手塚作品の白眉、『奇子』を読了しました。狂えし天外家の顛末は、はたして!? 1巻を読んだ時からは想像もつかないくらい、話も大きくなっていって、やはり手塚先生らしさが感じられますね。1、2巻を凌ぐ圧倒的ボリュームと構成に感嘆のため息が出てしまうくらいです。巧緻な伏線や後半の激動な展開、奇子の魅力も相まって、やはり傑作というしかありません。 確かに突拍子のない終わり方だとは思うけれど、それでもここまで夢中になって読めた漫画もそうそうありません。(あとがきで手塚先生が『カラマゾフの兄弟』を言及していて、なるほどなとも思いました。)奇子が閉じ込められてもなお笑って「私、怖くないわ」と言った時の衝撃ったらもう……!! 確かに奇子がこの物語の中なら一番の被害者なのですが、どうしてでしょうか、一番狂っているのは奇子のようにもまた、感じてしまうのです……。 (何回か読んだ後改めて感想を書く予定)
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