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ばるぼら(文庫版)(下) 角川文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 角川書店 |
発売年月日 | 1996/12/20 |
JAN | 9784041851333 |
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ばるぼら(文庫版)(下)
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商品レビュー
3.6
9件のお客様レビュー
前半とは変わって、ばるぼらを求めに求め、一気に狂っていく美倉。地下道をさまよったり、食べ物を探し回ったり、凄みのある描写。大団円はない方がよかったな。説明的。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
物語前半と後半でかなり印象の異なる、黒手塚の問題作。 上巻はまだブラックジャックとピノコの駆け引きを眺めているような、ほっこりした感慨があったが、これが下巻になると明らかな悪魔主義、オカルティズムの傾倒へと崩壊を見せ始め、おぞましい儀式や呪い人形が登場したり、魔女という概念がすんなりと受け入れられていることなど、ただただ読者を困惑に陥れるアバンギャルドな作風へと変貌する。 上巻冒頭でいきなりばるぼらがヴェルレーヌの詩を口ずさんだり、主人公美倉洋介自身も異常性欲持ちの耽美主義作家で、作中にも様々な文化人の名前や言葉が登場してくるあたり、そして結局はこの『ばるぼら』が美倉洋介の遺作であることから考えても、『ばるぼら』は衒学的でいっそ幻想的とも形容できる(事実、手塚は『ホフマン物語』からインスピレーションを得たと語る)。ばるぼらとは何者か、彼女は実在したのだろうか……。謎は沢山残るものであって、それがいい。 だからこそ、『ばるぼら』を世に出せば付きまとうであろう世間の評価を手塚治虫は既に予想しており、作品各中に見られる「芸術とは何か。狂気と芸術の差異とは」などの問題提起も忘れていない。私はこの問いかけを手塚治虫がしてくることに衝撃を受けたが納得したし、いわゆる漫画界の神様とまで言わしめた手塚の才能と苦悩をも、『ばるぼら』では微細でありながら大胆に感じ取ることができる。 いい意味で裏切られた作品だった。『奇子』と並んで評価される所以である。
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【あらすじ】 美倉洋介がかつて都会の排泄物とさえ形容した、あのさえないフーテン娘バルボラが仮面を脱いで正体をあらわした。それは、あまりにもみごとな”女”への変身であった。バルボラは現代に生きる魔女なのか?美倉はバルボラと結婚を決意したが、式の当日思わぬ邪魔が入ってしまった…。バル...
【あらすじ】 美倉洋介がかつて都会の排泄物とさえ形容した、あのさえないフーテン娘バルボラが仮面を脱いで正体をあらわした。それは、あまりにもみごとな”女”への変身であった。バルボラは現代に生きる魔女なのか?美倉はバルボラと結婚を決意したが、式の当日思わぬ邪魔が入ってしまった…。バルボラの消えた美倉の部屋は空虚だった。そして彼の名声も急速に失墜していく。(169文字) 【感想】 上巻よりも、さらにおもしろかった。 『ブラック・ジャック』のようなエピソード形式だった上巻にくらべ、下巻ではすべての章がひとつの物語となる構成になっている。バルボラの設定やオチの付け方など、なんだかんだで手塚治虫の話は理に落ちる。不穏さや謎に満ちたまま、不条理や崩壊に進んでいってもおもしろかったと思うが、この作品は理に落ちてくて嬉しかった。 バルボラが”女”を見せるシーン、とてもよかった。一瞬で顔や姿が変わってしまうバルボラ。女を見せるときに「正体をあらわした」と表現するのがおもしろい。普段女性は自分の中の”女”を隠しているんだろうか。どうだろうか。手塚治虫が男だからこう表現するのだろうか。他の作品でも同じような表現をみたような気がする。 第12章「回帰」冒頭の冷めた夫婦生活が異常にリアル。なにかしら手作業をしながでしか会話をしないのがリアル。決して夫婦二人は顔を合わせて会話しない。 この作品は手塚治虫のキャリアが低迷していた時の作品だ。その時代に、見向きされない芸術、作者が死んでもなお生き続ける芸術、そして最後には作品がヒットする作者を描いていたと考えるととてもツラくなった。(493文字) 【メモ】 ・手塚治虫のなかで暴力と言えば、平手打ちなんだるか?やたらと出てくる。 ・結局、バルボラとばるぼらの使い分けはわからなかったなぁ… ・上巻でもあったが、歪んだビルやタイルなどは表現主義の影響なのかな?(100文字)
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