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龍の守る町 の商品レビュー

4.1

57件のお客様レビュー

  1. 5つ

    16

  2. 4つ

    25

  3. 3つ

    12

  4. 2つ

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2026/04/12

5年前のあの日、大雨の中、濁流が町を飲み込む 消防士の彼は、あれ以来、、、 水害と消防、戦いと涙に胸が詰まる… 町は少しずつ少しずつ取り戻し始めたが、人々はそこから動けず、時間が止まっている… 彼は、炎の中から命を救ってきたその手で、今は受話器を握る…

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2026/04/04

登場人物が優しい。皆それぞれ傷を抱えながら懸命に生きている人々たち。傲慢にならず、もっとこうできたのでは?と後悔しながらも、ゆっくり前に進んでいる様を読んで、自分は生きてるけどただ生きてるだけかもなぁと思ったり。だんだんと5年前に何が起こったかが分かっていく順番も良かった。

Posted byブクログ

2026/04/02

川沿いの街を守る消防士の話 能登実話もベースにしている様子 人と人が繋がり、街を守る、代々町長だったり、司令室だったり、人が繋がり思い合って助け合っている。 作者の優しさなのか、いつも登場人物が優しく心のある人柄なのが読んでいて心地よい 最後は泣けた… お父さんは消防士じゃな...

川沿いの街を守る消防士の話 能登実話もベースにしている様子 人と人が繋がり、街を守る、代々町長だったり、司令室だったり、人が繋がり思い合って助け合っている。 作者の優しさなのか、いつも登場人物が優しく心のある人柄なのが読んでいて心地よい 最後は泣けた… お父さんは消防士じゃない!って司令室の人の話はドラマでもあった。どんな仕事にも多面性があり、それぞれに役割があるが子どもにはわかりにくい。そんなところをついていて、たくさん取材されて書かれたのだろうな、と想像する。 消防士を腕立てや懸垂に命かける筋肉バカの様に描きつつも職員同士のパティシエ以上に菓子作りに長けた樋口、司令室の要、真面目一辺倒に見えてかなりの細マッチョな立石、女性で内勤の三田、それぞれの個性が生きていて良い関係性 心にグッと来る良い作品を読めてよかった! 文句なし星5つ! 竜神様が大事というのは、そういうことだ。みんなが大事にしているものは、お前にとっても大事なんだ。お前が生きてる世界を作ってるものだ。俺の言っていることが今は分からんでも、いつか分かるようになる。目を凝らしてみろ、頭を使って考ろ、心を使って感じてみろ。大事なものはいっぱいあるぞ。ほら、見えるか」 二十歳になったばかりの若者に、たった数分を与えられない程、俺たちの仕事は狭量ではなかった。そしてどんな言葉も今はまだ彼には届かないことが分かっていた。人の死を忌避してこの仕事を続けることはできない。命を救うということは、その指から滑りぬけていく命がいくつも通過した後に、ようやく手にできる奇跡だ。あらかじめ定められているかのように救える命と、救えない命が目前に突きつけられる。 自分でも思いもしなかった瞬間や、忘れかけた過去が首をもたげてくる時は誰かを必要としている時だ。孤独は記憶と結びつくが、『いま』は誰かと結びつく。 大水害を経験した後、俺たちはあらゆるものと結びついた。普段出会うことのない誰かと出会い、話し、助け合った。『いま」と『これから』はその方法でしか生み出せなかった。悲惨な町の情景や、途方に暮れた日々が記憶の中で痛みを伴うにしろ、妙に淡く感じられるのは多くの人と結びついていたからかも知れない。 無理やりに立ち上がり、歩き続けた日々の後遺症が思いもよらぬ形です現れてくることも、だからこそ理解できる。その思わぬ形の繋がりや仕組みを俺たちは理解することはできない。理解しなくてもいいのだろう。傷口をいやすのは、瘡蓋と温もりだ。だから、たった一度、誰かと過ごせたことが思いもよらない瞬間に変わることもある。とりあえず、一緒に何かに向かっていれば、何かが変わるかもしれないと思えたのだ。

Posted byブクログ

2026/03/29

今年読んだ本の中で一番泣いた本かも。 悲しい涙でも嬉しい涙でもないのだけれども、命に向き合うひたむきさ、真面目さに感動しました。 5年前に大水害で町が流されて、多くの人がまだ悲しみを乗り越えきれていない街で、1番の消防士だと言われている達朗。 彼はあの日以来、水が怖く、それをまわ...

今年読んだ本の中で一番泣いた本かも。 悲しい涙でも嬉しい涙でもないのだけれども、命に向き合うひたむきさ、真面目さに感動しました。 5年前に大水害で町が流されて、多くの人がまだ悲しみを乗り越えきれていない街で、1番の消防士だと言われている達朗。 彼はあの日以来、水が怖く、それをまわりに隠しながら現場の仕事を続けていたが、通報を受け付ける司令室に異動になる。司令室の新しい仲間、街の人、そして家族。龍郎自身も、そしてそれぞれの人たちも、一歩ずつ前に進もうとしている。 あの日の正解を探しているのか。それと向き合うと自分が壊れてしまうかもしれない。でも少なくともやれることはやったと、胸は張れなくても言える、そんな人々の生活を丁寧に書いてある良作だと思いました。

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2026/03/21

実に繊細で丁寧な描写が胸を打つ。191の司令室が舞台なのも新鮮。自分のトラウマを克服するには現場。その直向きさもいいなあ。

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2026/03/05

全く知らない消防署内の様子がわかり興味深かったです。 消防士さんたちの火事現場や緊急時の的確な判断力と対応に頭が下がりました。

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2026/03/04

素晴らしかった「線は、僕を描く」の著者さん。大水害を経た町の消防士達と住民達の姿が静かに描かれる。現場の壮絶さと癒えない傷。災害が多い昨今他人事とは思えず一気に読みました。たくさんの祈りが込められた作品。もうすぐ3.11、今読めて良かった。 〈心に残った言葉〉 "自然...

素晴らしかった「線は、僕を描く」の著者さん。大水害を経た町の消防士達と住民達の姿が静かに描かれる。現場の壮絶さと癒えない傷。災害が多い昨今他人事とは思えず一気に読みました。たくさんの祈りが込められた作品。もうすぐ3.11、今読めて良かった。 〈心に残った言葉〉 "自然を憎むほど、人は大きくなれない。" "引き際を誤れば帰ることはできず、かといって向かわなければ誰も助けられない。"

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2026/03/04

#龍の守る町 #砥上裕將 素直に、面白かった。 砥上さんの小説は、いつも知らない世界の扉を開けてくれる。水墨画然り、視能訓練士然り。 今回の主人公は消防士。これまでより少し年上だけれど、自分の中にある何かを見つけようとする過程は共通している。 小さな田舎の町、水害の傷跡、心の傷...

#龍の守る町 #砥上裕將 素直に、面白かった。 砥上さんの小説は、いつも知らない世界の扉を開けてくれる。水墨画然り、視能訓練士然り。 今回の主人公は消防士。これまでより少し年上だけれど、自分の中にある何かを見つけようとする過程は共通している。 小さな田舎の町、水害の傷跡、心の傷と後悔に囚われた住人たち。主人公は過去のトラウマと闘いつつ、新しい職場で水害の記憶と向き合っていく。 第1章だけで心を鷲掴みにされる。突然涙が込み上げるので、職場や電車の中では読まない方がよい。 救えなかった命のことを思うのでなく、その人たちが自分たちを生かしてくれていると気づく。自分にとって未知の消防士の世界だけでなく、災害を経験した人たちの心理まで知ることができた良作だった。 瀬尾まいこさんや砥上さんは、人の優しさや強さを信じる根っこの部分が共通していて、読むとたくさん元気をもらえる。もっと話題になってほしい一冊。 #読書好きな人と繋がりたい

Posted byブクログ

2026/03/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

いつもながら砥上氏の描く作品は登場人物に入り込める。今回は消防士。第一線で活躍をしていた消防士が、上司との折り合いが悪くデスクワーク、それも全く経験のない電話応対が基本の司令室にアサインされる。 主人公は過去の大雨で義理の両親を救えず、自分も濁流に巻き込まれそれがトラウマになっている。 小さい町の司令室。3人のマネージャーになるも一番経験が少ない。現場では尊敬を集めていた彼も、司令室では新人だ。町の人たちは緊急でもない世間話をするために119番をする人もいる。これは最初は「めんどくさい人たち」に思えるが、実は先の大雨の際に多くを失った人たちの悲痛な叫びであったことが後ほどわかる。 彼は部下たちに「馬鹿みたいに優しくあれ」と問う。自分もだ。そしてある日、子供が川に流されるが、それは自分の息子であった。 先の大雨でふたつに分断されてしまった町。実は妻が必死になってこの町を一つにするために奔走していたことが後ほどわかるのだが。 主人公の内面に深く踏み込み、消防の仕事を(主に司令室)を描き出し、家族の絆を炙り出すこの作品は秀逸だ。

Posted byブクログ

2026/02/28

バックドラフトを経験した消防士が重いPSTDに悩まされると言うのは聞くが、火災で無くとも水害や津波でも同様だろう。目の前で救えなかった命に対する贖罪の念は決して忘却の彼方へ葬り去る事は出来ない。そんな主人公・秋月の心境が痛いほど伝わったが、だからこそ明日だけを見て歩みを止めては行...

バックドラフトを経験した消防士が重いPSTDに悩まされると言うのは聞くが、火災で無くとも水害や津波でも同様だろう。目の前で救えなかった命に対する贖罪の念は決して忘却の彼方へ葬り去る事は出来ない。そんな主人公・秋月の心境が痛いほど伝わったが、だからこそ明日だけを見て歩みを止めては行けないと言う教訓にもなった良作だった。

Posted byブクログ