ウロボロスの環 の商品レビュー
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なんだか昼ドラ的なドロドロ感もありつつ。 下品な話になりそうだけど、小池真理子さんの筆力でなんだか情緒深く仕上がっていた。 主人公には共感できなかったなあ。 夫に疑われているのを知りながら、出張に出たとたん会いにいくあたりが浅はか。
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前夫を若くして亡くし、幼い娘をひとりで育てていた彩和は、18歳上の俊輔と再婚する。 俊輔もまた前妻との間に息子がひとりいた。 前妻の杏奈は、華やかで気さくな頼りになる存在だった。 夫が経営する「アンティークたかしな」は、さほど潤沢ではないようだが、TV出演や原稿書きなどで副収入...
前夫を若くして亡くし、幼い娘をひとりで育てていた彩和は、18歳上の俊輔と再婚する。 俊輔もまた前妻との間に息子がひとりいた。 前妻の杏奈は、華やかで気さくな頼りになる存在だった。 夫が経営する「アンティークたかしな」は、さほど潤沢ではないようだが、TV出演や原稿書きなどで副収入に恵まれていた。 穏やかに夫婦と娘と暮らしていたはず…だが、いつしか運転手の野々宮との関係を疑いだす夫は、しだいにアルコールの量が増え、嫌味や酷い絡み方をするようになる。 ある日、彩和と野々宮は思わぬ場面で秘密の共有をすることになり… 夫が亡くなった後の遺言状を見た後に2人の運命は想像もしなかった方向へと辿る。 これは、最初の遺言状の中身を彩和が野々宮に告げなければ、また違ったのか…。 野々宮に幸せだと感じた時期はあったのか?と思うと哀しくもある。
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夫を亡くし幼い娘を抱えていた彩和は、俊輔に見初められ再婚する。教養に満ちた穏やかな人柄で資産もある俊輔は非の打ちどころがなく、理想的な夫だった。しかし些細なことをきっかけに歯車は狂いだし、やがて悲劇が訪れる。 俊輔に対する熱烈な愛情はないけれど、娘のために再婚を決めた彩和。その生...
夫を亡くし幼い娘を抱えていた彩和は、俊輔に見初められ再婚する。教養に満ちた穏やかな人柄で資産もある俊輔は非の打ちどころがなく、理想的な夫だった。しかし些細なことをきっかけに歯車は狂いだし、やがて悲劇が訪れる。 俊輔に対する熱烈な愛情はないけれど、娘のために再婚を決めた彩和。その生活はやや息苦しく感じられるものの充分に幸せだったはずなのに、まさかこんなことが起こってしまうだなんて。彩和と部下の野々宮との関係を疑い、徐々に精神が蝕まれていく俊輔の様子が痛々しいやら、恐ろしいやら。これで彼女たちの間に本当に不貞があったというならありふれた悲劇でしかないと思えるのですが、ないんだよね実際には……。疑いを抱いた俊輔が悪いのか、それとも疑いを持たれるような態度をとった彩和が悪いのか。いや、たぶんどちらも悪いというほどはなかったと思うので、余計になんとも言えない気分になります。 そして訪れた決定的な破綻。これもまたひどい悪意や罪とまでは思えず、魔が差したとしか思えません。さらに明らかになる、運命のいたずらとしか思えない真実もまた、いったいどこまで残酷なんだこの物語は、と思わされました。しかし恨みや憎しみといったものがどこにもないので、実は思いのほか穏やかな物語です。読み終えた後に強く残るのは、幸せのかけらのほうだったかも。
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彩和もラストの方で気がついていましたが、野々宮と雨の中笑い合ったシーンでも描かれたような空気を俊輔が感じ取って、二人は不倫しているって思ってしまったんでしょうね。 ともかく丁寧に描写されているので、彩和のストレスが限界になって俊輔を見殺しにするに至った過程に、共感できるようになっています。 50歳以上の女性が読むと、より共感できるところがありそうだなと思いました。
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夫を亡くし、裕福な古美術商と再婚した彩和。夫は優しそうではあるが酒に溺れ、妻が秘書と関係を持ってると疑心暗鬼に。 昼ドラ的内容なのに読ませるのは理知的な文章だからか。テーマはウロボロスというよりオイディプス。
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小池真理子さんが大好きなので甘い評価ですが 途中までは盛り上がったのです 最後は無理矢理キレイに終わらせようとした感じがして… でも久しぶりの小池真理子ワールドは面白かった
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読み終えるのに5日くらいかかった。 ひとつのシーンが長いせいか、内容云々というより、全体にもどかしさを感じてしまった。
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