彼女たちは楽園で遊ぶ の商品レビュー
登場人物の中に『ビビ』という情報収集能力に長ける少年が出てきます。 テンダネスというコンビニが出てきた時点であそこのお店の店長の弟さんと繋がりがあるのかも?と想像を膨らましておりました。 町田そのこさんの『コンビニ兄弟』を知ってるか知らないかで、作風が変わるかもしれませんね。
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【感想】 町田その子さんのホラーというのがあまりイメージがなかったが、意外なストーリー展開でありつつ、町田さんらしい読みやすさと読了感があった。 凛音は親友の美央と夏休みに喧嘩したまま会えなくり、彼女がNI求会という地元に来た宗教団体に家族と共に入信したと聞き、会いに行く方法を考える。 また同時に街では目に関する不審な死が相次いでいた。 その時同じくNI求会に人探しに来たビビとこの宗教団体の怪しさに気づき、調査を進めていく。 一方、美央はNI求会の違和感を感じながら、同じ歳くらいの初花ととある儀式を目撃し、会に囚われてしまう。 初花は外に助けを求めるべく美央の親友で話を聞いていた凛音の元を訪ねる為に、会から抜け出し、凛音、ビビと合流し、NI求会と儀式の謎に迫っていくというストーリー。 【光が死んだ夏】【サマータイムレンダ】のような地元の歴史ホラーみたいな感じでしたが、10代の少女達の成長や友情が描かれているのが町田その子さんらしさもあった。 また信仰の怖さや閉鎖的なコミュニティでの人間心理なども描かれているのが良かった。 作中で出てくる楽園の楽園(伊坂幸太郎さんの著書) も読んでみたい。 【あらすじ】 九州の田舎で暮らす凛音は、夏休みに入る少し前に親友の美央と大喧嘩をした。 お互いに言ってはいけないことを相手にぶつけ、そのまま夏休みに突入してしまった結果、謝るタイミングを逃してしまったのだ。 新学期になり美央とどうやって仲直りをしようかを思案していた凛音だったが、美央が登校して来なかったために打つ手をなくす。 しかも、美央はただの休みではなく、夏休みの間に彼女の家族が山中に最近できた宗教団体・NI求会に入会したことでこのまま学校を辞めてしまうというのである。 既に住む場所も宗教団体の中の施設へ移ってしまったと聞いた凛音は慌てて美央に会いに行こうとするが…。 時を同じくして、彼女たちの住む町では両目を喪った遺体が発見される事件が相次ぎ…
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町田さんの新しい世界。ホラーファンタジー。 どうも幽霊とか怪奇現象とか信じないタチなので、評価低めです。特に律がみんなの前に現れた時、北山が話しているのか凛音が話しているのかわからなくなって何度か読み直しました。 町田さんにしては珍しく思いました。
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喧嘩別れした親友の美央が高校を退学した。 何も告げずに家族で、姫塚山に突然にできた宗教施設「NI求会」に入会したらしい。 家に行くと門扉に売り物件の看板が立っていて、自転車に乗ったお姉さんにその家の人は、引っ越して行ったと言う。 そのお姉さんは着物の少女に話かけていて… 翌日に...
喧嘩別れした親友の美央が高校を退学した。 何も告げずに家族で、姫塚山に突然にできた宗教施設「NI求会」に入会したらしい。 家に行くと門扉に売り物件の看板が立っていて、自転車に乗ったお姉さんにその家の人は、引っ越して行ったと言う。 そのお姉さんは着物の少女に話かけていて… 翌日には猟奇的殺人事件の被害者になっていた。 それから、目を奪われて殺される被害が続出するのだが、凛音は美央をはじめとする、NI求会に入会した5名が全員退学したことも気になり、その施設に赴くのだが門前払いにあっているところにドーナッツ屋のお兄さんも友人と連絡が取れないとやってくる。 施設から逃げ出してきた初花とドーナッツ屋と凛音たちは、NI求会がやっていることと「目」を奪っていく事件との関連を探る。 今までの町田そのこさんの書いてきたものとは趣きの異なる感じに戸惑ったが、呪術というホラーものに謎解きをする女子高生とドーナッツやのお兄さんという…また違った意味でわくわくした。 ホラー色強めというわけでもなく、純粋に友情を大切にする話でもあったと思う。 守ろうとする誰かがいれば、きっと繋がれていく。 何も、失われない。 だからきっとまた、あなたに会える。
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町田そのこさんの作品は3冊目で、ぎょらんと52ヘルツ以来です。青年期の人たちの声にならない声を、死や虐待といったテーマの中で丁寧に扱われているのが好きで、今回の新作を購入しました。本書においても、思春期女子の葛藤や心の痛みがきめ細かに描写されており、それ故に揺さぶられるシーンもあ...
町田そのこさんの作品は3冊目で、ぎょらんと52ヘルツ以来です。青年期の人たちの声にならない声を、死や虐待といったテーマの中で丁寧に扱われているのが好きで、今回の新作を購入しました。本書においても、思春期女子の葛藤や心の痛みがきめ細かに描写されており、それ故に揺さぶられるシーンもありましたが、カルト宗教やホラーというテーマとのミスマッチ感が否めませんでした。とはいえ、私もまだまだ町田ファン初心者なので、他作品を読んだ上で、再読したいと思います。
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こういう作品は苦手でした。ホラーなんだかファンタジーなんだか… 前半は、内容の割に表題が軽いなぁと思っていました。後半は、友達論と、目玉だの、祠だの真目餅だのと心霊的な内容になりました。 図書館で借りた本で良かったです。
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前作の蛍たちの祈りが素晴らしかったので、今作も図書館で借りる予定でした。しかしたまたま立ち寄った本屋さんにサイン本が…。もうこれは買うしかねえと購入しました。 確かにホラー要素あるけど、それよりもこれは青春小説だわ。うつくしい友情の物語でした。 凛音、美央、初花、この3人の主人公達の言動や思考が眩しくて仕様がなかったです。美央視点は確かなかったかもだけど、彼女も主人公でしょう。 信じすぎるって怖い。狂信者の親を持った子供は否応なしに人生振り回されますもんね。宗教2世問題は前々から興味ありましたけど、改めて勉強したくなりました。 3人の主人公みんな魅力的に描かれています。私は初花が一番好きになりました。だからあの終わり方はちょっと複雑。差し出したくはなかっただろうに。でもいつか再会して友達に再びなれるでしょう、きっと。 お父さんかっこよすぎ。物分かり良すぎてかっこよすぎて現実感ないくらい。ビビもちょっと便利すぎるか?ご都合主義を一手に引き受けた感あり。この辺りちょっと引っかかりました。 3人の主人公達に共通するのは、しんどい状況でも自ら考え行動している所。盲信って確かに楽になる。ある意味そのしんどさからは解放される。主人公達の対比として、美央の両親や小林が描かれていると感じました。 ホラー要素はあまり感じませんでした。最近私のホラーセンサー、バグってるのでは?と疑っているので、この感覚当てにならなそう。でも青春小説としては素晴らしかったです。今作も生きづらさを抱えた人物を解像度高く書くのが上手かったです。いい小説を読んだ後の、独特の満足感に満たされました。読めてよかったです。 サイン本についてちょっと書きたかったので追記。私はこのサインを最初サインとして認識出来ませんでした。どうやらこれがサインだと気付いた時、ちょっと落ち込みました。自分の中で勝手にサインってこういう感じだよね?っていうイメージがあり、そのイメージから外れたものだったので勝手に落ち込むというw 勝手に期待して勝手に落ち込むという愚かしさ。自分はなんて身勝手で愚かなんだと再認識しました。ちょっとこの感覚、忘れたくなかったので書いておきます。 以下付箋貼った所(ネタバレ含みます) P65 大人は大きな人間。子供は小さな人間。いくら大きくて経験が多いからって、子供を人間として扱わないのは間違ってるよな。子供の人生を歪めたり搾取したりなんてのは、もってのほかだ。子供にも大人と同様に当たり前に世界があって、友がいて、物事を考えているんだ。 P112 美央のご両親には驚いてる。でもそれは美央の評価を下げるものではないし、私と美央の仲に介入できるものでもないわ。それに、美央にどんな過去があろうと、私は今の美央が好きよ。好きだから、絶対に非難しない。あなたのことを話してくれてありがとう。 P195 それでもこの子は、美央を助けたい一心で山を下りた。美央が話して聞かせたあたしに会うために。そしてこんなふうに眠りに落ちるまで必死に、美央を救出する方法を考えていた。なんてうつくしい子だろう。 P255 あたしさ、美央に理想を押し付けて、美央に固執してたんだ。私は人とうまく付き合えなくて、美央と出会うまで「友達」と胸張って言える子がいなかった。だから、初めてできた友達に浮かれてしまってたんだと思う。 P258 大事だと感じる友達と生きるって、どうやら難しいようね。でも確かに、私だっていずれ自分の考えや甘えをあなたたちに押し付けるかもしれない。あなたたちの考えに反発して呆れて、喧嘩することもあるかもしれない。そう考えるとぞっとする。でもそれを乗り越えてでも仲良くし続けたいなあと思うわ。やっと会えたんだもの。 P269 自分で言っちゃうけど、私は賢いの。勉強は得意よ。どれだけ難しい問題でも回答を導き出す自信がある。でも回答のない問題は嫌い。好きにしていいっていう、意味がわからないのよね。でも大人になってから何度も何度も、考えろって責められるようになった。それに疲れちゃったのよね。 P270 子供の頃、父が赤ちゃんだった頃の写真を見て驚いたことがある。父だって子供だったと言うことを知ってはいたけれど、現実味がなかったのだ。目を丸くする私に祖母は「大人は大きな子供、子供は小さな大人」と言った。 今その言葉が蘇る。この人は大人に思考を搾取されて育った子供なんだ。搾取された子供は、どこかが欠けて、歪んでしまうかもしれない。大事なものが、分からなくなるかもしれない。 P281 しょぼくれた顔すんな。親がどう思うと、子供の友情ってのは壊せねえもんだ。
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女子高生、凛音の住む九州の田舎町の山奥に、NI求会という新興宗教の施設ができ、多くの信者がそこに住み始めた。凛音の親友、美央の両親も熱心な信者で、凛音と喧嘩別れをしたばかりの美央はある日突然高校を退学し、その施設に住み始めたとの噂が…。そのことと並行して、町では不審な死を遂げる人...
女子高生、凛音の住む九州の田舎町の山奥に、NI求会という新興宗教の施設ができ、多くの信者がそこに住み始めた。凛音の親友、美央の両親も熱心な信者で、凛音と喧嘩別れをしたばかりの美央はある日突然高校を退学し、その施設に住み始めたとの噂が…。そのことと並行して、町では不審な死を遂げる人が何人も出てくる。 今までの町田さんは、大人の女性に向けて地方に続く男女差別、貧困、虐待が出てくる作品が多かった。 でも、今作はどちらかというと女子中高生が好みそうな作品で、賛否両論があり、ブグログでの評価も低い。けど、私は嫌いではなく、どちらかと言うと町田さんはこういった作品も書くのかと感心した。 まさに、町田さんの新境地。 連続不審死や怨念などが出てくるけど、軽く安っぽい文章にはならず、町田さんの繊細な心理描写は健在。 細田監督あたりがアニメ映画化したら、面白いかも。 伊坂幸太郎さんの『楽園の楽園』がキーパーソンならぬキーブック。今年出たばかりの本なのにあれをよくまぁ、核にもってきたなぁと。書き下ろしということだけど、この小説、書いてすぐに出版したのかな。 いろいろ感心させられた。
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青春×ホラー。山に作られた新興宗教の施設。そこに友人一家が入会し音信がなくなる。地域で不可解な事故が頻発し、それとの関連を疑いながら「楽園」といわれる施設から友人と助けようと凛音が動く。女子高生たちの友情は町田さんらしい描き方だったな。少し切ない感じも良かった。不気味さはあったけ...
青春×ホラー。山に作られた新興宗教の施設。そこに友人一家が入会し音信がなくなる。地域で不可解な事故が頻発し、それとの関連を疑いながら「楽園」といわれる施設から友人と助けようと凛音が動く。女子高生たちの友情は町田さんらしい描き方だったな。少し切ない感じも良かった。不気味さはあったけれど怖さとかハラハラは少し薄く感じたな。
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新たな町田そのこと出会えたと思う ホラー要素が強めでゾクゾクしながらページを巡った 怖かったけど、手が止まらなくてあっという間に読み終わってしまった 読み終わった後つい目がちゃんとついているか確認してしまった
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