絶滅の牙 の商品レビュー
野生の象が絶滅した未来、シベリアでは遺伝子工学で復活したマンモスたちがいた。そこに象の保護に尽力したダミラの意識を一頭のマンモスに転送する。マンモスは保護区で生活しているが初期飼育は人間の手によってであり、野生では脆弱だった。そこで象ではあるが野生の生態を知っているダミラの意識を...
野生の象が絶滅した未来、シベリアでは遺伝子工学で復活したマンモスたちがいた。そこに象の保護に尽力したダミラの意識を一頭のマンモスに転送する。マンモスは保護区で生活しているが初期飼育は人間の手によってであり、野生では脆弱だった。そこで象ではあるが野生の生態を知っているダミラの意識を転送したのだ。しかもダミラが死んだのは1世紀前なのだ・・ これは、ジュラシックパークばりの手に汗握る展開なのか、と思いきやとても静かな人間の、生物の、生き延びる、子孫を残す、ということに対する哲学的ともいえる内容だった。 ダミラは群れの頭となって群れを先導する。 また、ひとひねりある矛盾なのだが、マンモス保護区の維持にはお金がかかる。そこで莫大なお金を払ってハンティングする権利を売っている。 ダミラたち復活マンモス、マンモスハンター、密猟者、の三方向から、種の維持、ハンティングビジネス、密漁といった人間の飽くなき業を描く。密猟者を父として育った少年に希望をもたせる終わり方がいい。 原題:The Tusks of Extinction 絶滅の牙 ヒューゴ賞ノヴェラ部門受賞 著者のレイ・ネイラーは1976生まれ。カナダ・ケベック州うまれアメリカ・カリフォルニア州育ち。ロンドン大学東洋アフリカ研究学院で国際外交楽の修士号を取得。ロシアなど世界各地で外交や平和維持活動、国際開発援助に携わった。 象の密漁の実態を知って、この本を書いたということだ。 2024発表 2025.10.10初版
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レイ・ネイラー「絶滅の牙」読了。遺伝子工学の技術で復活したマンモス。マンモスの脳に移植された主人公ダミラの意識と記憶。それらが行われた目的が判明したときのダミラの意識の変遷が切なかった。
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SF。中編。 "遺伝子工学で復活したマンモスに、人間の意識をデジタル移植"という設定が素晴らしい。 が、ストーリーは正直あまり好きではなかった。 主人公ダミラの視点は面白いが、象牙ハンターや大富豪一行の視点には魅力を感じず。 個人的には、マンモスたちの生活の描...
SF。中編。 "遺伝子工学で復活したマンモスに、人間の意識をデジタル移植"という設定が素晴らしい。 が、ストーリーは正直あまり好きではなかった。 主人公ダミラの視点は面白いが、象牙ハンターや大富豪一行の視点には魅力を感じず。 個人的には、マンモスたちの生活の描写をもっと見たかった。 科学者が象を救うために設計したすべての技術が、最終的に象を滅ぼした、という話が興味深い。 自然や動物の保護について、考えさせられる一冊。
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