1,800円以上の注文で送料無料

命の横どり の商品レビュー

4.1

34件のお客様レビュー

  1. 5つ

    9

  2. 4つ

    15

  3. 3つ

    6

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2026/04/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

人の気持ちを変えるのは難しい 現実はドラマのようにハッピーエンドにはならない ただし、時間の効用はある 悩みも怒りも苦しみも、時の流れが輪郭をぼやかしてくれる

Posted byブクログ

2026/04/07

臓器移植の現実に直面できる小説でした。 私は、1997年の臓器移植法の制定後に医療系の国家資格を取得しています。けれど… 脳死判定の検査や倫理観の授業等は少しあったように思いますが、臓器移植について深く考えたことがなかったし書かれていた内容についても初めて知ることばかりでした。 ...

臓器移植の現実に直面できる小説でした。 私は、1997年の臓器移植法の制定後に医療系の国家資格を取得しています。けれど… 脳死判定の検査や倫理観の授業等は少しあったように思いますが、臓器移植について深く考えたことがなかったし書かれていた内容についても初めて知ることばかりでした。 “命の横どり”と“命の贈り物”、本当に色々考えさせられました。18歳になったら皆、1度はこの事について考える機会が与えられる社会にすべきだなっと思いました。 ドナーになった側のサポートも必要だと思ったし、立花真知さんのような移植コーディネーターの仕事ずっとは精神的に厳しい… ドナーから動いてる心臓を摘出する医師やその施設の負担もすごいだろうなと。 高杉夫婦や千恵さん家族のように、時間が迫るなか決断できるだろうか。子どもに関しては無理な気がする。でも、自分の子どもが移植が必要になったら… 難しいですよね… 涙が溢れすぎて、外では読めない本です。

Posted byブクログ

2026/03/13

立場によって評価が分かれるかもしれない 臓器移植について考えるきっかけにはなるかもしれない レシピエント側もドナー側も、納得できる事情は個々に異なるし、何とも言えないなぁ。

Posted byブクログ

2026/03/03

最初「命の横取り」という暴力的なタイトルに違和感を感じた。 読み終えた今、両手で支えられないほどの命の重みをずっしりと感じた。 日本の移植医療の現状と移植に携わるそれぞれの立場の心情、光と影がリアルに描かれていて残酷な真実に胸が苦しくなる。 日本の移植医療のドナーの圧倒的な少な...

最初「命の横取り」という暴力的なタイトルに違和感を感じた。 読み終えた今、両手で支えられないほどの命の重みをずっしりと感じた。 日本の移植医療の現状と移植に携わるそれぞれの立場の心情、光と影がリアルに描かれていて残酷な真実に胸が苦しくなる。 日本の移植医療のドナーの圧倒的な少なさ。 いつ自分の順番が回ってくるか分からない。 先の見えないトンネルを歩いているうちに病気に蝕まれ命のタイムリミットが迫ってくる描写に医師、レシピエント側の焦燥感と過酷な状況がひしひしと伝わってくる。 レシピエント側は「誰かの死を待たなければ自分は生きられない」という自責の念、ドナー家族は「命の贈り物」という決断を迫られる。 それは美しい言葉の裏にある身を引き裂かれるような決断、、それ故に尊い。 特に5歳の娘、里桜を脳死で亡くしドナー提供を決断する高杉夫妻の姿が心に残った。病気で苦しんだ体に、またメスを入れる。 娘と同じ思いをさせないようにと願う両親の気持ちを思うと胸が締め付けられる。 読了後、「もし自分が双方の立場だったらどうする?」という問いを考えてしまう。 私自身はドナーになっても良いと思うが、子供となるとダブルスタンダードに迷ってしまう。 事前に家族間で意思を伝え共有するのが最善なのかと感じた。 世の中には希少がんや難病と闘っている方々がたくさんいる。 患者数が少ないから治験や薬、治療方法が進まず、命を落としてしまう理不尽な現実を本書のように社会問題のひとつとして提起して多くの人に理解して貰う切っ掛けにもなる素晴らしい作品。 他人事ではなく、明日は我が身かもしれない。 脳死、臓器移植について深く考えさせられる一冊。

Posted byブクログ

2026/02/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

心臓移植と脳死の問題。他の臓器は心停止後移植きてても、心臓は脳死が前提。「死に切る権利」と脳死という難しい問題と、日本の臓器移植の現状を読みやすい小説の形で書いてある。

Posted byブクログ

2026/02/06

脳死に関して色んな立場の人の心情を掘り下げた作品として素晴らしい。 ドナー患者が少ない日本においてこのような内容でドラマ化して社会に問題提起してほしいなと考えた。 どの選択をしてもよいが、考え方や感じ方が分からなければ選択できるものも選択できない。 分かりやすいことばかりではなく...

脳死に関して色んな立場の人の心情を掘り下げた作品として素晴らしい。 ドナー患者が少ない日本においてこのような内容でドラマ化して社会に問題提起してほしいなと考えた。 どの選択をしてもよいが、考え方や感じ方が分からなければ選択できるものも選択できない。 分かりやすいことばかりではなく、深く考える重いテーマを扱うのが本だけではなくエンタメの世界にも入ってきてほしい。

Posted byブクログ

2026/02/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

脳死判定された患者からの心臓移植を題材にした医療小説。 臓器移植コーディネーターの女性を主人公にして、心臓を提供する側とされる側の重くて複雑な心境、臓器移植推進と反対派の奥深い葛藤をあぶり出す。 心臓病の専門病院で、適切な臓器の斡旋を行う臓器移植コーディネーターとして働く立花真知。 彼女が担当する患者は、拡張型心筋症を患い心臓移植を待つ池端麗。 麗は、五輪金メダリスト候補のフィギュアスケーターだったが、血液型が、日本人には500人に一人と言われるRHマイナスであり、ドナーの少ない日本で、移植を受けるのは至難の技で、絶望の淵にたたされていた。 ところが、くも膜下出血で倒れ脳死判定を受けた岡田広志という男性が、ドナーカードを持っており、しかも、奇跡的に麗の血液型と一致、その連絡を受けた真知ら病院側は、臓器提供に向けて動き出す。 広志の妻・千恵や子どもたちは夫の意志を尊重、夫の臓器全てをドナーとして提供することで了解するが、広志の母・登志子は納得しなかった。 真知が勤務する病院の副院長・一ノ瀬徹也は、移植医療のベテランで、熱心に患者に向き合うが、強引な性格で、日本の臓器移植が進まないことに苛立ちを覚えていた。 広志のことを知った一ノ瀬は、麗への心臓移植を急ぎ、真知に対し、登志子に会いに行くことを要請する。 臓器提供の強要をできないことをわきまえている真知は、受け身の立場に徹しながら、登志子の辛い気持ちを聞き取り、移植を待つ患者がいることも伝えるが、説得には至らなかった。 説得は失敗だったと思っていた翌日、JOT(日本臓器移植ネットワーク)のコーディネーターから登志子の承諾が取れたとの意外な連絡が入る。 これで、麗の心臓移植手術が実行され、手術は成功するが、ここから、深刻な問題が生じてくる。 登志子は、テレビ番組「イブニング・ハイ」を見て、コメンテーターを務める弁護士・木元耕助の発言に刺激を受ける。 彼は、脳死を認めようとせず、臓器の取り出しが人権侵害だと強く主張、登志子は、自分の味方が現れたと感激する。 登志子からの手紙を受け取った木元はテレビ番組で一ノ瀬と討論。移植推進派の国会議員も出席した場では、登志子も出演し、次第に大きな社会問題に発展していく。また、臓器移植に関し圧力をかけ、誘導したとして真知を非難する。 一方、心臓移植を受けた麗は、選手としての復帰に胸躍らせたが、神経がつながれない「除神経心」のせいで、負荷の大きい運動で息切れしやすいことに気づき、絶望を感じて自暴自棄になる。 物語には、5歳で心臓移植を待ちながら、血栓で脳梗塞になり脳死判定を受けた少女の臓器提供を申し出た両親の話も盛り込まれている。 臓器移植を待つ患者、脳死判定を受け、臓器提供に踏み切る患者の家族、その両方の立場に立つことになった家族、救える命があることで移植に直進する医者、レシピエントとドナーの気持ちに寄り添い、懸命な説得に従事する移植コーディネーター。 心臓移植という重いテーマに直面する様々な人々の姿が臨場感豊かに描かれ、しかも、読んでいて、それぞれの真剣な気持ちが全て理解できる内容になっている。 非常に重たく、濃い味付けで描かれるが、ラストは、良い方向に収束し、心臓移植が「命の横取り」ではなく、「命の贈り物」だったという形で締めくくられる。 しかし、決して薄っぺらいヒューマン医療小説ではなく、医者である著者ならではの専門的見解や知識が散りばめられ、考えさせられることも多かった。 その点をピックアップしておく。 ①心臓移植はハードルが高く、ドナーの心臓が動いているうちに取り出さなくてはならない ②日本での心臓移植はドナーが少ないが、技術や設備は整っている。 ③脳死状態でも、脊髄反射で身体が動くラザロ徴候というものがあり、患者家族の臓器提供への気持ちを揺るがせる。 ④日本の臓器移植が国際的に遅れを取っている最大の要因は、国際順位63位という圧倒的なドナー不足にある。 ⑤臓器提供は通常の医療と異なるため、病院のスケジュールに組み込めず、摘出手術は休日や平日の深夜から早朝にかけて行われるのが通例。それが、患者家族、医療スタッフに大きな負担となる。 ⑥心臓と神経がつながらない「除神経心」の状態では、交感神経と副交感神経による精神的な変化や運動時の負荷に応じた脈拍や血圧のコントロールができなくなる。とはいえ、神経は、細かく枝分かれしており、時間との闘いとなる心臓移植では縫合する時間的余裕がない。

Posted byブクログ

2026/02/01

「横取り」か「贈り物」か。立場によって正反対だけど、対象が「命」だとそうも言ってられない。たっぷり双方の主張展開。どれも理解できる。美しい善意からの行為が、ちょっとした行き違いで崩れていき、善人がわがままな人達に見えてしまうのも哀しい。人権派?弁護士以外、誰もハッピーじゃないと落...

「横取り」か「贈り物」か。立場によって正反対だけど、対象が「命」だとそうも言ってられない。たっぷり双方の主張展開。どれも理解できる。美しい善意からの行為が、ちょっとした行き違いで崩れていき、善人がわがままな人達に見えてしまうのも哀しい。人権派?弁護士以外、誰もハッピーじゃないと落ち込む寸前で救われた。

Posted byブクログ

2026/01/25

医者である久坂部 羊だから書ける小説でした。 心臓移植などの臓器移植をコーディネートする女性の心の葛藤を中心に展開。 思いもしない突然の脳死状態に翻弄する家族。 その一方、心臓移植を心待ちにする患者。 また、日本の心臓移植の現状、生い立ちなども盛り込まれている。 そして、心臓移植...

医者である久坂部 羊だから書ける小説でした。 心臓移植などの臓器移植をコーディネートする女性の心の葛藤を中心に展開。 思いもしない突然の脳死状態に翻弄する家族。 その一方、心臓移植を心待ちにする患者。 また、日本の心臓移植の現状、生い立ちなども盛り込まれている。 そして、心臓移植の最前線で頑張る医師。 心臓移植にまつわる全ての関係者の心の揺れがうまく纏められていました。 医者にしてもコーディネーターにしてもよかれとおもってしたことが、思わぬ展開になってしまう。 おこってしまったことの回復に取り組む関係者。 最後、思わぬ展開で、将来に向かって展望がもてる方向で小説は終わりましたが、色々考えさせられる物語でした。

Posted byブクログ

2026/01/23

1件の心臓移植を取り巻く関係者の想いが多様な視点で描かれています。臓器移植の課題を捉え、物語仕立てで分かりやすく表現しているので、この本を手にしたのを契機に、心臓移植に関して家族と会話する機会ができる方もいるのではないかと感じます。

Posted byブクログ