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命の横どり の商品レビュー

4.2

13件のお客様レビュー

  1. 5つ

    4

  2. 4つ

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2025/11/25

フィギュアスケーターとして有望な池端麗が心臓移植を必要とする。医師から指示された移植コーディネーターの発言は。 非常に面白かった。臓器移植についてすごく考えされられる。ドナーとレシピエントそれぞれの思い。医療関係者の思い。

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2025/11/24

実際に家族が突然の事故や病気で脳死となったら。 臓器移植を待っているたくさんの人達を救うために、とは分かっていてもまだ心臓の動いている家族の臓器を差し出す決断がすぐ自分にできるのか。 自分はドナーになりたいと思うけど、家族となると覚悟をきめるまで時間がかかるかもしれないなあ。 色...

実際に家族が突然の事故や病気で脳死となったら。 臓器移植を待っているたくさんの人達を救うために、とは分かっていてもまだ心臓の動いている家族の臓器を差し出す決断がすぐ自分にできるのか。 自分はドナーになりたいと思うけど、家族となると覚悟をきめるまで時間がかかるかもしれないなあ。 色々考えさせられた。

Posted byブクログ

2025/11/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

タイトルが衝撃的だったが、命の横取りではなく、命の贈り物なんだ、と終わって、物語の中で贈り先がわかったからこそ納得ができた部分も大きいのではないか、とも感じた。 本来なら、いいのか悪いのか、贈り先はわからないし、受取先もわからない。 レシピエント側もドナー側もどちらの気持ちもわかるだけ、センシティブで難しい問題だと思う。だから、自己中心的な考えになるのも致し方ないとさえ思う。どちら側へも思いを馳せることはできても、いざそれぞれの立場になったら、臓器を受け取ってまで生きていいのか?と考えるし、すんなり臓器提供の承諾ができるのか?とも考えるだろうと思う。 生きているレシピエントが美談のように注目される一方で、ドナー側が注目されることはほぼない。提供したドナーへは敬意を払い、フォローが重要であることが切実に伝わってきた。

Posted byブクログ

2025/11/22

オリンピック金メダル候補でありながら、拡張型心筋症を発症し心臓移植を待つフィギュアスケーターの麗。稀な血液型のため移植が困難と思われたが、運よく同じ血液型の脳死ドナーが現れた。しかしドナーの家族の一人は移植に迷いを見せる。臓器移植は命の贈り物なのか、それとも命の横どりなのか。大き...

オリンピック金メダル候補でありながら、拡張型心筋症を発症し心臓移植を待つフィギュアスケーターの麗。稀な血液型のため移植が困難と思われたが、運よく同じ血液型の脳死ドナーが現れた。しかしドナーの家族の一人は移植に迷いを見せる。臓器移植は命の贈り物なのか、それとも命の横どりなのか。大きな社会問題をテーマにした物語。 議論を尽くせばきりのない問題だと思います。移植以外に生きる道のない人からすれば、脳死のドナーが現れることは救い。しかし家族が脳死になってしまうことは、当然ながら悲しみ以外のなにものでもなく。さらに身体が生きているのに死を認めること自体が困難で、そこに双方の意識の齟齬が生まれてしまうのは仕方のないことだと思います。どちらの立場の意見も納得はできるし、どちらかが正しくてどちらかが間違っているだなんてことは言えない。その中で苦しみを抱えた人にどのように寄り添うべきなのでしょう。ドナーにしてもレシピエントにしても、その物語はあっさりと「美談」にされてしまうことが多いけれど、それだけでは決してありません。 当事者にしかとやかく言う権利はないようにも思うけれど、このような事態がいつまでも他人事だとは限らない。自分がもしどちらかの立場になった時、いったいどのように感じるのか。ひどく考えさせられる物語でした。

Posted byブクログ

2025/11/18

インパクトの強いタイトルである。 脳死は、「本当の死」なのか。 臓器移植をめぐる、患者家族と医師、臓器移植コーディネーターたちのドラマ。 マイナンバーカードの裏などに、何気なく臓器提供意思に丸をつけてしまっている。 自分が死んだら、必要としている人に差し上げてもいい、と思って...

インパクトの強いタイトルである。 脳死は、「本当の死」なのか。 臓器移植をめぐる、患者家族と医師、臓器移植コーディネーターたちのドラマ。 マイナンバーカードの裏などに、何気なく臓器提供意思に丸をつけてしまっている。 自分が死んだら、必要としている人に差し上げてもいい、と思っていたが、「何気なく」表示していいものではなかったし、「自分が死んだら」が実際どういう状態なのか全く分かっていなかったと呆れるばかりである。 正常性バイアスのなせる技か、自分には起こらないとどこか思っていたのだろう。 私は、脳死とはどのような状態なのか、脳死と寝たきりの違いさえ分かっていなかったのである。お恥ずかしい限り。 「息子は生きているうちに心臓を取られた」と騒ぎ続ける、ドナーの老いた母親・登志子を笑えない。 初めて知ることがたくさんあり、会話の中で相手に説明するという形で書かれているのが読みやすく、理解しやすかった。 とても勉強になった。 正しい情報を知り、普段からしっかり考えておかなくてはいけないことだと感じた。 頑迷な老女、わがままで自分が一番なアスリートと、両陣営対等に強烈なキャラクターを描く。 目の前でドラマを見ているような臨場感で、生の感情が伝わってくる。 臓器移植コーディネーターの立花真知(たちばな まち)は、レシピエント(臓器をもらう患者)側の担当者だったが、上司の一ノ瀬徹也医師の命令で、ドナー候補の患者の母が一人反対しているところへ会いに行ってしまう。問題の始まりでもあった。 一ノ瀬徹也は、日本の臓器移植が欧米に比べて著しく遅れていることを憂え、命を救える技術があるのだから、もっと臓器移植の件数を増やしたい、ドナーを増やさなくてはと強く思っていた。ドナーが増えないのは、主に家族が反対するから。脳死を認めず、「心臓が動いているうちは生きている」と思う人が多いせいと言う。 医療従事者側の常識と、そうでない人たちの常識が一致しないことから来る問題だろう。 数々の医療訴訟を扱ってきた弁護士の木元耕介は、脳死は「死にきっていない状態」と主張し、一ノ瀬と木元は、週刊誌誌上やテレビ番組でも激しい討論を戦わす。 木元は、臓器移植に反対するアジテーターとして、岡田登志子をいわばインパクトのある広告塔として利用することが目的だったのだろう。 「息子の命を横取りされた」「まだ温かいうちに心臓を取り出された」「人の心臓をもらってまで生きたいものかねえ」などの、登志子の激しい言葉は絶大な影響力を持つだろう。大衆をあおるには十分。 医療とはまた別に、人の気持ちには「ときぐすり」というものも働く。穏やかな着地で、読後感も良かった。 【第一章 臓器を待つ】 【第二章 臓器を与える】 【第三章 死とは何か】 【第四章 生とは何か】 【第五章 臓器をもらうということ】 【第六章 進歩がもたらすもの】

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2025/11/13

臓器移植を巡る物語。 脳死は分かっているものの、この本を読んで初めて自分事と考えると難しいなと改めて考えさせられた。 どの立場の登場人物も、負の部分を上手く表現して人間臭さが伝わってくる。なので、もーまったく・・・と思ってしまう人ばかりが登場する(笑)決して、デフォルメされて...

臓器移植を巡る物語。 脳死は分かっているものの、この本を読んで初めて自分事と考えると難しいなと改めて考えさせられた。 どの立場の登場人物も、負の部分を上手く表現して人間臭さが伝わってくる。なので、もーまったく・・・と思ってしまう人ばかりが登場する(笑)決して、デフォルメされていないのである。 なかなか難しいテーマだが、改めて深く考える機会となった。

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2025/11/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2025/08/22予約4 臓器提供を行う側の家族と受け取る側の異なる思い。 突然脳死と言われ心臓を奪われたと思う側、適合するドナーを待ち続ける側。レシピエント側のコーディネーター、ドナー側のコーディネーター。どれにも一理あるように感じてしまう。ダブルスタンダードにはなりたくない、だけど子どもの脳死判定での臓器提供はできない。読んでいると広志の母登志子の非科学的さにイライラするが自分も子どもに対しては全く同じだと気づいた。 不勉強かもしれないがドナーの情報をレシピエントに与えない事と同じようにレシピエントも自分が移植された事を守秘義務にする事はできないのか、と思った。 内容がいいのに表紙がミスマッチのように思う。

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2025/11/09

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO92386980V01C25A1BE0P00/

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2025/11/04

久坂部羊「命の横どり」集英社読了。息子が脳死と告げられる。まだ心臓は動いている。家族は私だけ反対。自分の都合で人を待たせたらいけない。人に迷惑をかけてはいけない。息子の臓器を待っている人がいる。日本の心臓移植を巡る人々の物語にSNSやマスコミの嵐を呼ぶ。臓器の提供は命の横どりなの...

久坂部羊「命の横どり」集英社読了。息子が脳死と告げられる。まだ心臓は動いている。家族は私だけ反対。自分の都合で人を待たせたらいけない。人に迷惑をかけてはいけない。息子の臓器を待っている人がいる。日本の心臓移植を巡る人々の物語にSNSやマスコミの嵐を呼ぶ。臓器の提供は命の横どりなのか?

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2025/10/30

脳死判定と臓器移植をドナーとレシピエントの家族の思い、医師と移植コーディネーターの立場から描かれている。臓器移植は「命の贈り物」とドナーを待つ患者へと思う家族もいれば、脳死は死にきっていないと主張し「命を横取り」されたと思う遺族。移植以外な助からない患者のもとに届ける医師は臓器移...

脳死判定と臓器移植をドナーとレシピエントの家族の思い、医師と移植コーディネーターの立場から描かれている。臓器移植は「命の贈り物」とドナーを待つ患者へと思う家族もいれば、脳死は死にきっていないと主張し「命を横取り」されたと思う遺族。移植以外な助からない患者のもとに届ける医師は臓器移植は医学の進歩が手にした奇跡の医療という。臓器移植には後進国と言われる日本、人権問題にも発展し賛否両論はあろうが、少なくともダブルスタンダード(自分は提供しないが必要なときは貰う)にはなりたくない。臓器提供は純粋な善意だと思う。

Posted byブクログ