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「いきり」の構造 の商品レビュー

3.9

15件のお客様レビュー

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2025/11/23

 まさに本書で指摘されているとおりだ。  端的に教育の敗北を感じる。 “自分らしく” 育てられた結果、自我が肥大し自分の能力を相対化できなく全能感を抱えたまま実社会に出る。実社会に出ると下位層からスタートするため、それが自身で受け入れがたく、『いきって』しまう。努力不要で自身が...

 まさに本書で指摘されているとおりだ。  端的に教育の敗北を感じる。 “自分らしく” 育てられた結果、自我が肥大し自分の能力を相対化できなく全能感を抱えたまま実社会に出る。実社会に出ると下位層からスタートするため、それが自身で受け入れがたく、『いきって』しまう。努力不要で自身が含まれるカテゴリーである『日本人』にこだわり、日本人ファーストに与してしまうのも根は同じだと思う。次に『日本人』の中で層別されてしまうのに…。

Posted byブクログ

2025/11/23

自分もいきってる人に敏感だったのでつい手に取ってしまった。能町ミネ子的に、様々なイキる人たちを取り上げて考察する内容かと思ったが、思っていたよりも議論が幅広く深かった。なので本書を一言でまとめるのは難しいが、概ね著者の言いたいことには賛同した。いつも著者の本を読むと自分が社会に対...

自分もいきってる人に敏感だったのでつい手に取ってしまった。能町ミネ子的に、様々なイキる人たちを取り上げて考察する内容かと思ったが、思っていたよりも議論が幅広く深かった。なので本書を一言でまとめるのは難しいが、概ね著者の言いたいことには賛同した。いつも著者の本を読むと自分が社会に対して抱いていたモヤモヤを言語化してくれてありがとう、と思う。 著者が中学校の講演会で話したという「互いに合致しなくても、曇ったままであっても肯定し合うことが大切」という内容がとても良かった。著者のラジオを聴いていると色んな方が登場するが、皮肉っぽいスタンスは保ちつつも、どことなくゲストや共演者のありのままを否定しない人柄に好感を持っていた。 ただ本書での主題は講演会の内容ではなく、その内容を漂白して伝えた中学生の感想にあったのだが、、この感想に対しても著者は中学生自体を否定しないよう気を配っていたのが地味によかった。 本書が伝えたかったのは、近年の過度な効率化、表面的な繕いに対する批判だと思う。でもこうやって本書の内容をまとめることにも著者は問題を感じるのだろう。 本書は悪くいえば一見まとまりのない議論が繰り返されてるようにも見えるが、上記のような社会に対するアンチテーゼなのだと思う。 内容をまとめると簡単になってしまうが、ここに書ききれないくらいの沢山の細かいエピソードに共感しまくりだった。著者のように社会に対する細かい違和感を言語化してくれる方が今の時代にいてくれて良かったと改めて思った。

Posted byブクログ

2025/11/16

面白かった。最初は結構ヒップホップかぶれしている自分のことを指しているのかと思って手に取ったがそんないきりではなかった。コンサートの警備員の話わかるなぁ。まさに今自分が会社員で同じ感じだからすごい身につまされた。石丸さんの話もなかなか興味深い。なんであの人があんなに支持されていた...

面白かった。最初は結構ヒップホップかぶれしている自分のことを指しているのかと思って手に取ったがそんないきりではなかった。コンサートの警備員の話わかるなぁ。まさに今自分が会社員で同じ感じだからすごい身につまされた。石丸さんの話もなかなか興味深い。なんであの人があんなに支持されていたのかわからなかったけどネットの心理をついた動きだったと思うとなっとく。問題の動画も見たけどコメント欄含めてびっくりしたな。現代社会における危うさについて改めて考えさせられるし、こういうことを知っていると知らないとでは全然違うと思った。政治のことはよくわからないけど強い言葉には気をつけよう。

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2025/11/10

もやっとしてばかりいた それぞれの場面 石丸って人がやたら支持されていたり 上川さんのたとえが非難されたり 後めちゃ個人的な話し 小学生がひろゆき氏の言葉言い続けていたりした時 の全てにスッキリして 多分砂鉄さんてそばにいるといささか面倒くさい人かなぁとは思うけど 話しは聞きた...

もやっとしてばかりいた それぞれの場面 石丸って人がやたら支持されていたり 上川さんのたとえが非難されたり 後めちゃ個人的な話し 小学生がひろゆき氏の言葉言い続けていたりした時 の全てにスッキリして 多分砂鉄さんてそばにいるといささか面倒くさい人かなぁとは思うけど 話しは聞きたいし 本も読みたいと思いました

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2025/11/05

「いきり」って言葉、使うようで使わない。 けど、この中で語られるにはしっくりくる。 と思いつつも、最初はなるほど、うんうんってわかったつもりなんだけど、後半は難しくなって正直?の部分も多くあり。 ラジオの砂鉄さんはわかりやすいんですけど、文章はラフな姿勢で向き合うとわからない...

「いきり」って言葉、使うようで使わない。 けど、この中で語られるにはしっくりくる。 と思いつつも、最初はなるほど、うんうんってわかったつもりなんだけど、後半は難しくなって正直?の部分も多くあり。 ラジオの砂鉄さんはわかりやすいんですけど、文章はラフな姿勢で向き合うとわからない。じっくり読み直さないとね。

Posted byブクログ

2025/11/04

個人が思考する隙をあたえない、情報爆発時代。 わかりやすさと力強さに極振りして言い切られる「いきった言説」には、疑いのまなざしをもって情報を吟味すべきなのだろうが、処理すべき情報が多すぎていちいち考えていられない。情報処理の欲望を満たそうとすれば、可処分時間も可処分精神も、人間の...

個人が思考する隙をあたえない、情報爆発時代。 わかりやすさと力強さに極振りして言い切られる「いきった言説」には、疑いのまなざしをもって情報を吟味すべきなのだろうが、処理すべき情報が多すぎていちいち考えていられない。情報処理の欲望を満たそうとすれば、可処分時間も可処分精神も、人間のキャパはとうに超えている。 近い将来、アルコールやたばこと同様に、メディアには「過度な情報摂取は精神を病み正常な思考を妨げる可能性があります」とラベリングされることだろう。 ハラリの見解だったか、「ナチスは情報を遮断する事で真実を隠し市民を思考停止に至らしめたが、現代は圧倒的な情報量を浴びせることで、それを実現している」。 注意したい。

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2025/11/03

「中身でなくテクニックの話ばかりする」という言葉を手に入れただけでもこの本を読んだ価値があったと思いました。 思考を手放すことは愚かであると思いながら、仕事に忙殺されていると、思考することなんかできなくて、いきりは、短期的に成果を求める自己責任論の上に立った成果主義や効率化至上主...

「中身でなくテクニックの話ばかりする」という言葉を手に入れただけでもこの本を読んだ価値があったと思いました。 思考を手放すことは愚かであると思いながら、仕事に忙殺されていると、思考することなんかできなくて、いきりは、短期的に成果を求める自己責任論の上に立った成果主義や効率化至上主義が蔓延する現代社会の病理なのではないかと考えながら読みました。 そういう意味で「おわりに」で著者が、いきりを防衛なのだと結論付けていることには共感します。 私達は、イキってないと生きていかれない社会に生きているって、絶望的な気持ちになりますが、なるべくイキらず、また、イキる人を嘲笑うようにはしないように生きていきたいと思いました。

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2025/11/03

仕事で毎日忙しく、また会社の中での不満や組織体制に対する疑念を抱く生活をしていると、広く政治や世論のおかしさを面倒がって完全にスルーしてきた1、2年だった。忙しさや周りへの不満は個人的な理由でしかなく、たぶん政治にも何ら期待は持てておらず、興味もやはりなく見向きもしていなかった自...

仕事で毎日忙しく、また会社の中での不満や組織体制に対する疑念を抱く生活をしていると、広く政治や世論のおかしさを面倒がって完全にスルーしてきた1、2年だった。忙しさや周りへの不満は個人的な理由でしかなく、たぶん政治にも何ら期待は持てておらず、興味もやはりなく見向きもしていなかった自分の態度の悪さからくる成れの果てだと思っている。そこで本書を読むとわざと自分で靄をかけて見ないようにしていたことをバンバンと当てられる感覚に陥る。そしてよくぞそこまで咀嚼し文章にしてくれたことよと爽快感を感じ、スッキリする。全然世の中は良くなる気配がないけれど、作者のような思考の持ち主がちょうどずつ増殖すれば、いつか壁を壊せる時がくる…とまでは簡単にはいかないけど、まずは己の目の前の靄を付けぬよう、なるべく取り払う努力はしようと思った。

Posted byブクログ

2025/10/21

あっちでもこっちでもみんな揚げ足取ったりいきり立っている、言語化することが困難な時代。ジャニーズの会見時のあの拍手は私も気味悪いと思った一人なので、著者が言語化してくれて腑に落ちた。石丸さんの件も納得だし(書いていなかったけどひろゆきやホリエモンも同じ部類の「いきり」だと思う)海...

あっちでもこっちでもみんな揚げ足取ったりいきり立っている、言語化することが困難な時代。ジャニーズの会見時のあの拍手は私も気味悪いと思った一人なので、著者が言語化してくれて腑に落ちた。石丸さんの件も納得だし(書いていなかったけどひろゆきやホリエモンも同じ部類の「いきり」だと思う)海外のバンドが日本でライブした時に感じたファンの奇妙な行動も実に日本人的で面白かった。

Posted byブクログ

2025/10/29

スピード感やイノベーションという言葉は、タイパやコスパと同様訝しんでしまう私には、武田砂鉄の神妙でしつこい思考のあり方に納得する。ここに登場するのは新しさと速さ、そして発信する力。そこに情報というとても魅力ある危うさが潜んでいる。匙加減を誤ると命の尊厳を容易く毀損する。発信する側...

スピード感やイノベーションという言葉は、タイパやコスパと同様訝しんでしまう私には、武田砂鉄の神妙でしつこい思考のあり方に納得する。ここに登場するのは新しさと速さ、そして発信する力。そこに情報というとても魅力ある危うさが潜んでいる。匙加減を誤ると命の尊厳を容易く毀損する。発信する側は言動の責任を背負う気など無く、逃げるか保身に終始するか、とにかく謝らない。自身を顧みない "いきり" は同じ手法を繰り返し反論されると罵倒するか論点をずらす。なぜ言葉によって相手の心を傷つけたり、自己正当化できるのか。おそらく自身の心が弱いのだ。攻撃は最大の防御なり。そのつもりだろうが、側から見りゃ隙だらけの論法を居丈高に披露する愚かさは失笑ものである。承認欲求のこじらせは処方できるのか、湧き上がる疑念から根気よく声をあげよう。なにしろ考えずに相手の言葉を受け入れるのが事態を深刻化させる要因なのだ。

Posted byブクログ