あなたの街の上下水道が危ない! の商品レビュー
「あなたの街の上下水道が危ない!」というタイトルに偽りなく、そのことを解らせてくれる本です。やたら危機感を煽る文章ではなく、根拠を示しながら事実を述べているだけなので、建設的な思考をしながら読むことができます。 「公共」についても考えさせられる内容です。水道事業は、「民営か公...
「あなたの街の上下水道が危ない!」というタイトルに偽りなく、そのことを解らせてくれる本です。やたら危機感を煽る文章ではなく、根拠を示しながら事実を述べているだけなので、建設的な思考をしながら読むことができます。 「公共」についても考えさせられる内容です。水道事業は、「民営か公営か」という単純な二択ではないということも学べます。私事ですが、小学校に隣接していた"水道に関する施設"が何だったのか、数十年経った今、この本を読んで知りました。それほどに、水道事業について無関心で生きてきたのだと思い知らされました。 たとえ一市民であっても「公共」を作る主体として、「水道料金値上げするな」と言いながら「衛生や安全は守ってほしい」と無責任に声を上げるだけではいけないと思いました。また自治体側も、住民に対し政策への理解を求める時に「説明会」を開きがちだけれど、説明だけではなく共に話しあえる場を設けてほしいです。 「水道に何を求めるか」という価値観を問い直さなければいけないし、そのきっかけを与えてくれる本でした。水道というインフラは自治体が担っているけれど、価値観の問い直しに係る重要なメッセージは、ぜひ国から発信していただきたいものです。
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