1,800円以上の注文で送料無料

普天を我が手に(第二部) の商品レビュー

4.6

27件のお客様レビュー

  1. 5つ

    18

  2. 4つ

    8

  3. 3つ

    1

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2025/11/01

「普天を我が手に」第二部。 嗚呼、青春! 昭和16年12月8日から、昭和23年12月24日まで。昭和元年生まれの彼ら4人、15歳目前から22歳目前までの7年間の出来ごと。ああ、しかしなんという歴史の変わり目に青春を迎えた彼らであったのか。それぞれの身の上に降りかかる戦争。ものす...

「普天を我が手に」第二部。 嗚呼、青春! 昭和16年12月8日から、昭和23年12月24日まで。昭和元年生まれの彼ら4人、15歳目前から22歳目前までの7年間の出来ごと。ああ、しかしなんという歴史の変わり目に青春を迎えた彼らであったのか。それぞれの身の上に降りかかる戦争。ものすごい荒波で、乗り越える様はまさに波乱万丈。4人は自分の親世代であって、生きていたら2025年の今99歳ですよ。 戦前は混沌、戦後は混乱と希望。昭和20年8月15日を境にくっきり生活が変わるのだ。歴史の波にもまれる様を、4人の人生にからめ、戦争、満州、戦後の混乱といった社会情勢を描き込みながら、若い彼らを奥田氏は生き生きと描きだす。感じるのは、「生命力」。それは若い人間の持つエネルギーだ。 4人が次第に遭遇するのだが、いかにも小説的偶然か、とも感じるが、そこが物語のおもしろいところ。一部に続き、二部も一気に読んでしまった。 竹田志郎:父の赴任でワシントンにいた志郎は、帰国船に乗る寸前スパイの疑いをかけられ西部の日系人収容施設に。 矢野四郎:任侠の養子・四郎は予科練に入り、人間魚雷・回天に乗ることに。 森村ノラ:ノラは母が治安維持法で刑務所に、父も徴用され一人自活するも東京大空襲に。 五十嵐満:満は満映で俳優になるも、ソ連参戦でシベリアに送られそうになるが脱走し中国共産党系のアジトに、さらに中国の義賊につかまる。 4人それぞれ歴史の荒波をもろにかぶるが、たくましく生き抜く。 2025.9.16第1刷 図書館

Posted byブクログ

2025/10/30

太平洋戦争が勃発し、昭和元年に生まれた4人も青年期となる。満州で戦争を迎えた者、志願した者など、それぞれの立場、場所で戦争にかかわり、終戦を迎える。 運命的に交わりそうな彼らは、第3部ではどうなるのか。 3部作の2部。1部に負けず劣らずのボリュームです。 映画だなあ。大河ドラマだ...

太平洋戦争が勃発し、昭和元年に生まれた4人も青年期となる。満州で戦争を迎えた者、志願した者など、それぞれの立場、場所で戦争にかかわり、終戦を迎える。 運命的に交わりそうな彼らは、第3部ではどうなるのか。 3部作の2部。1部に負けず劣らずのボリュームです。 映画だなあ。大河ドラマだなぁ。という印象です。 ハリウッド映画よろしく、みんなピンチになりつつも生還し、その過程でしっかりドラマがあります。 時代背景や各国文化も取り入れて壮大な物語が形成されている。 次作も必ず読んで、彼らの行く末を見たい。

Posted byブクログ

2025/10/24

1部から時間も経っているので脇役の役回りは忘れつつあるも主役の四者四様は健在 戦争編になって現代の平和のありがたみを感じると同時に戦時中の描写や心情など本物を知る由は無いもののが巧く描かれていることに感心

Posted byブクログ

2025/10/24

戦前から戦中、戦後にかけて時代に翻弄されながらもがき生き抜き、力強く立ち上がっていく若者たちの姿を描く。 志郎、四郎、ノラ、満というそれぞれのキャラクターと人生を生き生きと写し出す。 人間魚雷、満洲国の興亡、空襲、そして日本の敗戦を余すことなく写実する。息苦しくさえある。 その死...

戦前から戦中、戦後にかけて時代に翻弄されながらもがき生き抜き、力強く立ち上がっていく若者たちの姿を描く。 志郎、四郎、ノラ、満というそれぞれのキャラクターと人生を生き生きと写し出す。 人間魚雷、満洲国の興亡、空襲、そして日本の敗戦を余すことなく写実する。息苦しくさえある。 その死地をくぐりぬけたからこそ、その生を全うしようとする人間模様に胸が熱くなる。

Posted byブクログ

2025/10/23

つ、ついに4人の主人公が躍動し始める…! 一部では遂に第二次世界大戦が始まったかというところから、二部は戦時中が描かれています。 敗戦国である日本の物語なのにここまで面白く出来るのは本当に天才なんだなと。 (”戦争”という一番大きなテーマが負けシナリオなのに面白いってなかなかない...

つ、ついに4人の主人公が躍動し始める…! 一部では遂に第二次世界大戦が始まったかというところから、二部は戦時中が描かれています。 敗戦国である日本の物語なのにここまで面白く出来るのは本当に天才なんだなと。 (”戦争”という一番大きなテーマが負けシナリオなのに面白いってなかなかないですよね。) あと一部に続いて単行本の装丁が好きです。三部早く出てくれ〜!何色だ!?笑

Posted byブクログ

2025/10/23

昭和史三部作の第2弾 たった七日間しかなかった昭和元年に生まれた四人がメイン 戦争という流れに翻弄されながらも、それぞれが逞しい 彼らが15~20歳の時を描いているというのに、時代が大人にならざるを得なかったのか 戦後の復興は素晴らしいかもしれないが、もっと沢山の熱い思いを持...

昭和史三部作の第2弾 たった七日間しかなかった昭和元年に生まれた四人がメイン 戦争という流れに翻弄されながらも、それぞれが逞しい 彼らが15~20歳の時を描いているというのに、時代が大人にならざるを得なかったのか 戦後の復興は素晴らしいかもしれないが、もっと沢山の熱い思いを持った若者たちが志し半ばに戦争で散っていったのかと思うと悲しい 戦時中も戦後も、人々が様々な思想に振り回されていくのも恐ろしい ラストで4人が一同に会し、彼らが次巻でどう戦後の復興と向き合っていくのだろう

Posted byブクログ

2025/10/22

学生の時、私は日本史が得意でした。特に幕末は大得意でした。でも、幕末については、ほぼ教科書を読んだことはなかったのです。 どこから知識を得たのかと言うと、司馬遼太郎先生の「竜馬がいく」でした。ま、史実通りかというと、たぶんそうでは無いのでしょう。竜馬の実像はいろいろ言われてますし...

学生の時、私は日本史が得意でした。特に幕末は大得意でした。でも、幕末については、ほぼ教科書を読んだことはなかったのです。 どこから知識を得たのかと言うと、司馬遼太郎先生の「竜馬がいく」でした。ま、史実通りかというと、たぶんそうでは無いのでしょう。竜馬の実像はいろいろ言われてますしね。 しかし、小説自体は時代考証、事件も時系列を追っているので、読んでいるだけで歴史書を1冊読んでいるのと同じです。事実、司馬遼太郎先生は幕末の歴史書をトラック1台分取り寄せて、幕末については勉強して、「竜馬がいく」を書きあげたらしいですから。 ともあれ、「普天を我が手に」の話。 今年は、昭和100年だそうです。 考えてみれば、中学校、高校でも昭和史てものはちゃんと教わってない気がします。 日本史の授業ってやつは、昭和史に入る頃には三学期を迎えていて、サッサっと駆け足で終わったという印象です。 昭和がどんな時代だったか、実はほとんどの日本人、特に50台くらいの僕ら世代はボヤっとしかわかっていないんではないかと思います。 戦争があって、日本が負けて、暗い時代をのりこえて、その後未曾有の発展を遂げたぐらいの印象しかない。 総力戦を戦った日本の昭和という時代が、良くも悪くもどんなものだったか、よく分からないまま、今の日本を語ることはできないんではないかと思います。それを直視することを、避けてきたからなんか変な方向に日本は進んでいるように思いてならないのです。 右寄りでも、左寄りでもなく、昭和のという時代そのものを描いた昭和史サーガとも言うべき小説ですね。 三部作のうちの二作目までが刊行されました。 12月に三作目が出版されるそうなので、楽しみです。 日本人よ、読め!

Posted byブクログ

2025/10/19

戦中、アメリカ、東京、満州で苦闘を余儀なくされる三人。 面白かった。戦中戦後すぐについて勉強になる。第三部はどうなるのか。

Posted byブクログ

2025/10/17

1945年日本の敗戦。その中で新しい道を模索する四人の若者たち。昭和元年生まれの主人公たちは敗戦の年にちょうど二十歳を迎えていたわけなので、当たり前と言えば当たり前だが、戦後はまさに彼らのエネルギーによって引っ張られていく。 海軍リベラル派の中将を父にもち法律を勉強し検察官を目...

1945年日本の敗戦。その中で新しい道を模索する四人の若者たち。昭和元年生まれの主人公たちは敗戦の年にちょうど二十歳を迎えていたわけなので、当たり前と言えば当たり前だが、戦後はまさに彼らのエネルギーによって引っ張られていく。 海軍リベラル派の中将を父にもち法律を勉強し検察官を目指す者、金沢の侠客を父にもち東京でもその世界で名を知られるようになる者、女性雑誌編集者で社会活動家を母に持つ女性、そして満洲の興業王を父にもち、敗戦後、ソ連、中国の収容所を経てようやく日本に帰還した者。それぞれの人生が交わる中で、いよいよ第三部に突入していく。

Posted byブクログ

2025/10/12

日本の現小説界の至宝のひとり・奥田氏が、戦後80年を機に多重階層の視点で描く昭和史タペストリの3部構成大作の第ニ部。第一部同様、面白すぎてどこで小休止するか迷う、寝不足必至。全体の感想は第三部読了後。

Posted byブクログ