ダークネス の商品レビュー
2002年10月に刊行された『ダーク』から23年。 再びミロに会える日が来ようとは。 なんて書いているが前作を殆ど忘れていた私。 それでも500ページに渡る長編を読みながらミロの壮絶な生き様が蘇って来た。 年月が流れ、村野ミロは60歳に、息子のハルオは20歳の医大生になった...
2002年10月に刊行された『ダーク』から23年。 再びミロに会える日が来ようとは。 なんて書いているが前作を殆ど忘れていた私。 それでも500ページに渡る長編を読みながらミロの壮絶な生き様が蘇って来た。 年月が流れ、村野ミロは60歳に、息子のハルオは20歳の医大生になった。 良い親子関係を築いていた二人だったが、自身のルーツを知ったハルオは母を捨て、自ら悪の巣窟へ乗り込んでいく。 全編を通してフィクションならではの邪悪さ。 復讐に燃える悪党たちの容赦ない暴力に目を覆う。 孤高の人、村野ミロのこの先の物語も読んでみたい。
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これで最後? あー、もっと派手に終わって欲しかったな。 鄭と山岸を消すまで終わらせないで欲しい。 ハルオもバカだな。 みんなバカかもな。でも一気読みした。 面白いのは面白かったよ。 続きよみたい。
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第一章では息子の視点から謎多き母親を描き、第二章では母親が身を隠しながら生きている理由が語られるというように章毎に物語の視点が変わっていく。 息子とミロの夫との刑務所での面会から因縁のある人物たちの待ち伏せ。 マザコン気味のハルオは自らの出生の秘密を知り、由惟の母親はハルオとの因...
第一章では息子の視点から謎多き母親を描き、第二章では母親が身を隠しながら生きている理由が語られるというように章毎に物語の視点が変わっていく。 息子とミロの夫との刑務所での面会から因縁のある人物たちの待ち伏せ。 マザコン気味のハルオは自らの出生の秘密を知り、由惟の母親はハルオとの因縁があり、東京の病院経営の鄭はミロとは因縁深い関係であり、ミロの夫の殺人事件など。 因縁が絡んだミロの過去がじわじわと迫り来る緊張感がリアルであり、母親の強さと脆さが交差する心情の変化に説得力がある。 ミロとハルオに迫ってくる過去のしがらみの嫌な感じが、如何にも桐野夏生作品という感じで、逃げ場が無く追い詰められる展開に498ページも無理なく読み終わってしまった。 面白かった。
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シリーズ物の最終章? 前作含めて何作品か読んでいたはずだが以前までの展開や人物相関を覚えていなかったのでストーリーの壮絶さが現実離れして感じられた タイトル通り終始暗い展開
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これまでの人生を回顧し 過去の出来事を清算しようとする母。 これからの人生の岐路に立ち 己れのルーツを探ろうともがく子。 終わっていく者と未来へ向かっていく者 静と動、陰と陽のコントラストが 際立っていて キャラクターが立っているから 物語の中にすっと入り込めた。 そして、共にさ...
これまでの人生を回顧し 過去の出来事を清算しようとする母。 これからの人生の岐路に立ち 己れのルーツを探ろうともがく子。 終わっていく者と未来へ向かっていく者 静と動、陰と陽のコントラストが 際立っていて キャラクターが立っているから 物語の中にすっと入り込めた。 そして、共にさんざん振り回された。 この暗闇、絶望の先に射すはずの 光を見てみたい。
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えっ? シリーズ最終? ミロの最後の闘い? ミロとは、「顔に降りかかる雨」の主人公 村野ミロ 養父村野善三との出会いや生業などが描かれた、たぶん桐野さんのデビュー作だったはずで、私はこの物語にいたく感動して、桐野さんにファンレターを書き、返事をいただき感激した覚えがあります。今も...
えっ? シリーズ最終? ミロの最後の闘い? ミロとは、「顔に降りかかる雨」の主人公 村野ミロ 養父村野善三との出会いや生業などが描かれた、たぶん桐野さんのデビュー作だったはずで、私はこの物語にいたく感動して、桐野さんにファンレターを書き、返事をいただき感激した覚えがあります。今も取ってあると思う。 ずっと続編を待ち望んでいたが、その後桐野さんは路線を変え、次々と作品を発表する。 そして今回本書を手に取りびっくり。 なんとこの前に、シリーズ2作目の本が出ているという。 何という不覚、でも仕方がない順番が回ってきた本作から読もう。 二作目から20年が経過しているという設定で、ミロに息子がいたり、ミロも60歳になっていたり、時間の経過に戸惑うものの、内容はやはりハードなものです。 養父 村善との確執は未だなくならず、ミロと息子は人目を避けて沖縄で静かに暮らしていたが、封印していた行動がきっかけで、あれよあれよと人脈がつながり、またしても追われる身に。 しかし追われる原因がまた剣呑で、誰がだれを殺しただの殺されただの、復讐だのリンチだの桐野さん相変わらずのハードぶり。 もう胸が苦しくなって読みたくなくなる場面もあるんだけど、最後まで読んでしまう。 読まされてしまった。 2作目「ダーク」も絶対読むと思う。
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茨の道を歩き、生死を彷徨った村野ミロが、60歳になり沖縄で育てた息子のハルオも20歳になった。 医大に通いながら将来は、医師になるのだろうか…と思っていたハルオだが、自分の父を知ることでその根本をも知ろうとして、大学を辞めて東京に出る。 そこで罠に嵌り地獄を見たハルオ。 それを...
茨の道を歩き、生死を彷徨った村野ミロが、60歳になり沖縄で育てた息子のハルオも20歳になった。 医大に通いながら将来は、医師になるのだろうか…と思っていたハルオだが、自分の父を知ることでその根本をも知ろうとして、大学を辞めて東京に出る。 そこで罠に嵌り地獄を見たハルオ。 それを知ったミロの最後の復讐は…。 壮絶な生きざまに疲弊してしまう。 だが、ハルオが気になり捲る手が止まらない。 ミロはやっぱりミロだが母親でもあった。
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OUTを読んで以来の桐野夏生ファンで、大概の本は読んでいる。 ミロシリーズも以前全て読んだと記憶しているが、年月を経て、内容をかなり忘れてしまっていたのが残念だった。 前作のダークも読んだと思っていたが、記憶が曖昧。 時間があれば再度読み返してみたい。 今作のミロは60才になって...
OUTを読んで以来の桐野夏生ファンで、大概の本は読んでいる。 ミロシリーズも以前全て読んだと記憶しているが、年月を経て、内容をかなり忘れてしまっていたのが残念だった。 前作のダークも読んだと思っていたが、記憶が曖昧。 時間があれば再度読み返してみたい。 今作のミロは60才になっていて、ミロに復讐しようとしている追っ手から逃げるために、息子のハルオと息を潜めて沖縄で暮らしている。 逃亡生活も20年となり、二十歳になったハルオの行動から、ミロとハルオは再び追っ手から追われることになる。 終始ハラハラドキドキしながら読み進めた。 次のミロはいくつになるのか分からないが、続編を予感させるラストだった。
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エグい。他人を恨んでいても進歩がないような。終わったことは仕方ないと諦めてしまう方がいいのかもなぁ。って、それができないからこんなことになるのか。
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まさか20年以上経って続編が出るなんて思ってなかった村野ミロシリーズ。 邪悪で暴力が溢れてた濃ゆいハードボイルドの前作『ダーク』から時は流れた。 ミロが産んだ息子ハルオは20歳になり、医学部の学生だ。 若いイケメン男子のハルオが爽やかでミロの癒しだなって思ってたら、ミロの過去のし...
まさか20年以上経って続編が出るなんて思ってなかった村野ミロシリーズ。 邪悪で暴力が溢れてた濃ゆいハードボイルドの前作『ダーク』から時は流れた。 ミロが産んだ息子ハルオは20歳になり、医学部の学生だ。 若いイケメン男子のハルオが爽やかでミロの癒しだなって思ってたら、ミロの過去のしがらみに囚われてダークサイドに引き摺り込まれてしまう。 ドキドキしながら一気読みした。 60歳のミロの闘いを堪能した。
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