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天使と歌う の商品レビュー

4.1

22件のお客様レビュー

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2025/09/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 自分は青春小説はこれまであまり読んできてなくて、今回この本を読んで、「音楽は自分一人で全てできるものじゃなく、周りの人たちの協力によって初めてできる」ということを改めて思い知らされました。  主人公の雨宮大夢は苦しい家庭環境の中でチェロと元世界的に有名だったチェリストと出会い、それからその人のことを先生と呼び、先生の助言でバレーボール部に入って仲間ができ、高校生活を楽しく謳歌できたと思います。高校卒業してからも周りとの縁が切れることはなく、先生はクロアチアに帰って自分の名がついた国際コンクールを主催してくれてそれに雨宮大夢を遠回しに読んだって自分で勝手に思ってます。コンクールだから当然ライバルはいるもので高祖弦という重要人物のぶっきらぼうな言葉は面白かったです。最後にコンクールの審査員長を辞めた後もこのコンクールは年齢制限の上限を定めないでほしいとの言葉は、音楽に年齢はないことを訴えたかったのでしょう。  また、クロアチアとセルビアの関係もちょっと調べました。旧ユーゴスラビア時代にユーゴスラビア紛争で国が分断してクロアチアとセルビアになって両国の仲は悪かったですが、現在は関係改善に向けて努力していると書いてありました。セルビア人の人が雨宮大夢に気さくに自分のチェロを貸したシーンは音楽に国境はない、ということを改めて勉強しました。  素晴らしい青春エンタメ小説だったと思います。感動するところも何か所もありました。しばらくは何回かは印象に残った部分を読み返すと思います。

Posted byブクログ

2025/08/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

初読み作家さん。チェロコンクールの話だった。チェロ奏者としてはとんでもなく恵まれている主人公。ファイナルに出られるようになったり楽器貸してもらえたりするのも裏で仕組まれてるんじゃないかと疑ってしまったが、さすがにそこまでではなかった。

Posted byブクログ

2025/08/30

「なんていい本を読んだんだろう」という気持ちが心に広がります。音楽やチェロにまつわる物語、師弟関係やチェロを弾く上で関わってくる人達との繋がりが進むにつれ見えてきて、終わるのが勿体なくて、この本を読み終えたくなくなりました。 次は紹介されている曲と一緒に読みたくなりました。

Posted byブクログ

2025/08/22

隣家に住む元チェリストに師事している雨宮大夢が、初めてチェロのコンクールに挑む物語。 チェロの音色が「天使と歌う」と表現され、その演奏が物語を語るように表現されていました。 病気を抱えている先生のことと、先生の楽器のことを中心に考えていた大夢が、コンクールでの日々を過ごすうち...

隣家に住む元チェリストに師事している雨宮大夢が、初めてチェロのコンクールに挑む物語。 チェロの音色が「天使と歌う」と表現され、その演奏が物語を語るように表現されていました。 病気を抱えている先生のことと、先生の楽器のことを中心に考えていた大夢が、コンクールでの日々を過ごすうちに、他の人の演奏に感化され、チェロの楽器としての可能性に気づいたことに大きな成長を感じることが出来ました。 チェロの音色は素敵です。物語に出てくる様々な曲を聴いてみたくなりました。 〈目次〉 第一章 車椅子のヒーロー 第二章 双子のヒロイン 第三章 悪魔の復活 第四章 宣戦布告 第五章 天使の微笑み

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2025/08/22

あまり恵まれない環境の中、偶然の出会いからチェロを学ぶことになった大夢(ひろむ)。彼が学び成長してコンクールに挑もうとする物語りだったと思います。偶然の出来事が多いように思われ、私としては作られた物語という印象がやや強くありました。星2つの評価としました。

Posted byブクログ

2025/08/19

病気で引退したチェリストに指導を受けていた少年が、家庭の事情から趣味で終わらせようとしていたチェロを生涯の道として歩み出す物語。 チェロときちんと向き合うことになるまでがショートカットされている気がしたけれど、全体通してテンポよく読んだ。コンクールパートでの大夢の成長には感動。人...

病気で引退したチェリストに指導を受けていた少年が、家庭の事情から趣味で終わらせようとしていたチェロを生涯の道として歩み出す物語。 チェロときちんと向き合うことになるまでがショートカットされている気がしたけれど、全体通してテンポよく読んだ。コンクールパートでの大夢の成長には感動。人との出会いでどんどん花開いていくように感じた。双子との出会い、兄弟子との接触、師匠との再会… 音楽が聞こえてくるような、コンクールのホールにいるような気分で読んだ。 音楽って素晴らしい、読書もまた素晴らしい!

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2025/08/16

少し無理矢理な設定もあったけれど、ひとりの青年の成長ストーリーとしてダレる事なく読了した。 楽器の面白さ、演奏本番に向かう心境なども説明過剰に描いてるのは好感がもてる。 作中の舞台となる地に今も潜在する歴史のシビアな面にも触れているが、やや中途半端感は否めない。 それでも多国...

少し無理矢理な設定もあったけれど、ひとりの青年の成長ストーリーとしてダレる事なく読了した。 楽器の面白さ、演奏本番に向かう心境なども説明過剰に描いてるのは好感がもてる。 作中の舞台となる地に今も潜在する歴史のシビアな面にも触れているが、やや中途半端感は否めない。 それでも多国籍なメンバーの中で演奏を通して、主人公達の心が少しずつ晴れていく様子は、読んでいて心地よかった。

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2025/08/12

天使とは誰のことかなって思いながら読む。 作品の中に答えはあるけど、 あの人もあの人も天使だなと思いながら読む。 世の中とつながるとは、 人とのつながりだけではない。 あらゆるものとのつながること。

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2025/07/29
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※このレビューにはネタバレを含みます

音楽って本当に深くて面白いなと改めて感じた。 大夢が演奏するときのどんどんと膨らんでいく曲のイメージが目の前に広がっていき、読んでいるだけでも胸が高鳴る。その人にしか生み出せない音楽がある。答えがないからこそ、音楽は難しくて面白い。今まで音楽が作られた時代背景や作曲家の心情などについてあまり学んだことがなかったけれど、この本を読んでとても興味を持った。背景を思い描きながら聴くと、同じ音楽も全然違うように聴くことができる。 ふとした出会いが人生を変える。音楽を通して、色々な出会いが重なって、大夢の世界が広がっていく。幸せも苦しさも味わいながら、必死に努力して、時にもがきながらも、前を向いて生きていく尊さを感じられる素敵な本だった。

Posted byブクログ

2025/07/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

個人的にとても好きなお話でした。 パッと出てきたのがコミックにはなってしまいますが、「この音とまれ!」や「4月は君の嘘」などが好きな人は、本作も好きなのではないかなと思いました。 先生と繋がっているため、だったチェロは いつの間にか大夢自身の夢へと変わっていく。 介護士になると決めていた大夢が、 自らの選び掴み取っていく様は胸にグッときました。 先生だけではなく、父親との関係性や兄弟子との出会いにより、大夢の視野がパァーーーっと広がっていくのを目の当たりにした気分。 読んでる自分も前向きに明るくなっていく作品で、本当に素敵でした。

Posted byブクログ