最初の星は最後の家のようだ の商品レビュー
理不尽さや、やるせなさ、世の中の無情に重いく暗い気持ちになった。子どもの頃には気づかなかったことに、大人になって改めて気づくこともあるだろう。知らなければよかったのか、苦しくても知るほうがよかったのか、答えの見つからない問いばかりで、1冊読み切るのに時間がかかった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
私が今まで読んだ太田愛さんの作品は重厚で社会派、それとは全く違うタイプで、 太田愛さん初の短編集。 結論、やっぱり太田愛さんすごいな〜と、 うなってしまう独特な短編集でした✨ 一、遊戯室 十月の子供たち 架空の国のファンタジーかと思って読んでいたら 全然違う、ある日突然ミサイルで幸福な日常が 奪われ、親を失う子どもたちの戦争の話だった。 自国が攻撃されている事をインターネットの報道で見る子供達、そして次の話題はどこかの国のスポーツの結果… 考えさせられる重い余韻。 二、中庭 サイレン 語り手を勘違いしてしまうトリックのような文章に 混乱(?_?) 2回読んですべて合点がいく。 家族の歴史が 団地という懐かしい風景とともに穏やかに描かれていたけれど、最後でまた(?_?) 三、舞踏室 夏を刈る 四、書斎 鯉 の2編はミステリー これも懐かしい風景のような 横溝正史シリーズのような空気感で 少し恐ろしくもある。 半自伝的小説の 五、階段 給水塔 とエッセイ 読みながら 放課後、校庭で遊ぶ自分の姿を思い起こす なんともノスタルジックな余韻に浸る作品でした。 そして、謎めいていて、 素敵なこの本の題名について考えを巡らせる。
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喪失感や絶望感、切迫感を漂わす短編集。どの作品も余韻が残る素晴らしい作品集。「サイレン」が醸し出す喪失がとても印象強く残った。面白かった。
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久しぶりの太田愛さんの新作短編集。近未来を想像させるのもあれば、ミステリーもあり。流石に読ませる力は凄い。 度肝を抜いたのは『中庭〈サイレン〉』 見事にミスリードさせられた。何か事件が起こる訳ではない(最後は事件だけど)けど見事に騙された。 ミステリー2篇はさりげなーく過去と現...
久しぶりの太田愛さんの新作短編集。近未来を想像させるのもあれば、ミステリーもあり。流石に読ませる力は凄い。 度肝を抜いたのは『中庭〈サイレン〉』 見事にミスリードさせられた。何か事件が起こる訳ではない(最後は事件だけど)けど見事に騙された。 ミステリー2篇はさりげなーく過去と現在の日本の問題点をちょっと皮肉を込めて絡めている。
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ノスタルジックだけど不穏な作品集。太田愛さんが脚本家としても活躍されているためか、ドラマのように場面場面が頭に浮かびました。
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大好きな太田愛さんの新作 短編6作品 時代錯誤なものからミステリーなどちょっとこれまでのとは違う作風だった ミステリー2作は悲しい話でした 特に【給水塔】は描写が細かくて、明るく描けば子供の夏休みの冒険なんだけどこの方が書くと、こんなにミステリーっぽくなるのかとドキドキした
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2年前の冬読んだ「未明の砦」 共謀罪の標的にされた大手自動車メーカーの若い非正規労働者たちが、逮捕寸前に逃亡し…。 これは日本の現実を撃つ社会派の大作だった。 友人たちに勧めまくった。 それまでに太田愛はすべて読んだ。ハズレはなかった。同じ市の出身ということもあり誇らしく思って...
2年前の冬読んだ「未明の砦」 共謀罪の標的にされた大手自動車メーカーの若い非正規労働者たちが、逮捕寸前に逃亡し…。 これは日本の現実を撃つ社会派の大作だった。 友人たちに勧めまくった。 それまでに太田愛はすべて読んだ。ハズレはなかった。同じ市の出身ということもあり誇らしく思っている。 本作は初の短編集。5つの小説とエッセイが1本。自分なりに分けると、 1つ目は戦争。 3つ目と4つ目はミステリー。 5つ目とエッセイは不安。 とでもしておく。3つ目は以前に文庫のアンソロジーでも読んでいた。 さて残りは2つ目の「中庭 サイレン」だ。中味は書かないが、最も私の琴線に触れた作品だった。 先に妻を亡くし、一人息子は独立し、住み慣れた団地の最後の住人となった普通の男が、部屋を去る時が来て…。 人の心の襞のわかる作者だ。
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不思議な味わいの短編集 一 遊戯室 10月の子供たち 二 中庭 サイレン 三 舞踏室 夏を刈る 四 書斎 鯉 五 階段 給水塔 ごちゃ混ぜ。純文学的子供時代の小編から本格ミステリまで幅広く納めてあり、目次に何らかの意味がありそうで実は関連もない。 どういうテンションで読めばい...
不思議な味わいの短編集 一 遊戯室 10月の子供たち 二 中庭 サイレン 三 舞踏室 夏を刈る 四 書斎 鯉 五 階段 給水塔 ごちゃ混ぜ。純文学的子供時代の小編から本格ミステリまで幅広く納めてあり、目次に何らかの意味がありそうで実は関連もない。 どういうテンションで読めばいいのか、少し混乱した。 もちろん、1話ずつの完成度は高い。 が、やはり太田愛さんはミステリの人だと感じる。ミステリを通して人間を描くときの筆の冴えは抜群。 ということで、 第3話 夏を刈る 第4話 鯉 が好きでした。 ミステリとしても○。謎と女性の生き方の描きかたが、やはり上手い!
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死の香りを纏う短編集。どの短編も空気感が好きで、それぞれにのめり込む。特に夏を刈ると鯉はめちゃくちゃ引き摺る。死と嘘の漂う感じがほんまに良くて、気持ちが複雑に絡まり苛まれる。私も後から来る人のために石を退けておく側の人間として生きたい。
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短編集。全てに死の香と厳かな怖さを感じる。 十月の子供たちははじめから、地下に入った理由はわかっていたが、今のウクライナ情勢とリンクして、とても切なかった。 夏を刈るは、ミステリーチックで、その真相を知るため、どんどん読み進められた。 サイレンみたいな優しい話も好き。
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