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おしまいの日 新装版 の商品レビュー

3.5

18件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

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2025/11/11

狂気の世界。狂っている思考を日記の文体で見せられる。日記部分のフォントが、すでに不穏な雰囲気。 1992年に単行本の初版。1995年と 2012年に文庫版が出て、今年文庫の改版が発行されたので、もともとは今から30年以上も前の話! まだ携帯電話もそこまで普及してないし、24時間戦...

狂気の世界。狂っている思考を日記の文体で見せられる。日記部分のフォントが、すでに不穏な雰囲気。 1992年に単行本の初版。1995年と 2012年に文庫版が出て、今年文庫の改版が発行されたので、もともとは今から30年以上も前の話! まだ携帯電話もそこまで普及してないし、24時間戦えますか?の風潮がまだあった時代。いろいろな価値観が変わったけど、人の怖さって、変わらないなぁと思う。 依存し、執着し、自分だけの世界に閉じこもり、どんどん狂っていく主人公。でもたしかに、狂っているのはこの主人公だけだったのか……? 絶対に自分の中にないとは言い切れない狂気の一端を、ここに見た。

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2025/11/07

新井素子さん、こう来るか。 ほぼ三津子の1人語り。 うすら寒くなるけれど、おしまいの日が絶望的に終わらないところ、紙一重でギリギリの線を保てていた三津子。 おしまいの日は、はじまりの日でもあったのかもしれない。

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2025/11/07

わたし、新井素子さんの特徴的な文体を、モグモグ味わって、グングン読み進めた。←こんな感じの文体 主人公は専業主婦、小説が書かれたのは平成2年頃。 独身で社会人の自分にゃ遠い世界のはなしだけどそれもまたよし。と思って読み進めてたら、突如自分にとんがったナイフを突きつけられてこんなホ...

わたし、新井素子さんの特徴的な文体を、モグモグ味わって、グングン読み進めた。←こんな感じの文体 主人公は専業主婦、小説が書かれたのは平成2年頃。 独身で社会人の自分にゃ遠い世界のはなしだけどそれもまたよし。と思って読み進めてたら、突如自分にとんがったナイフを突きつけられてこんなホラーある?てなった。 胸のざわつきがとれない。

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2025/11/06

くますけといい、これをホラーというのはものすごく無理があると思いました。 ただ作者がホラーだと思って書いている節もあるのでそういう意味ではホラーなのかなと。 「82年生まれ、キムジヨン」の次に読んだからかもしれませんがどちらかというとフェミニズムという感じのような気がします。 ...

くますけといい、これをホラーというのはものすごく無理があると思いました。 ただ作者がホラーだと思って書いている節もあるのでそういう意味ではホラーなのかなと。 「82年生まれ、キムジヨン」の次に読んだからかもしれませんがどちらかというとフェミニズムという感じのような気がします。 男女がどうとかというより 社会全体が役割を押し付けて生き方を強要することへの継承だと思いました。 昔に比べて働き方改革など色々な面で改善されているのだと思いますが この本がいまにも通じるように感じるのは まだまだ改善の余地があるからだと信じたいです。

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2025/09/28

おしまいの日は、三津子の日記から始まる。 仕事人間である夫、忠春が帰ってこない。 ご飯を作り、春さんが帰ってくるまで食事も取らず寝もしないで待っている三津子。 そんな寂しい生活の中に、にゃおんという猫が三津子の元にやってくる。 三津子の友人である久美、その夫の俊幸。 二人の...

おしまいの日は、三津子の日記から始まる。 仕事人間である夫、忠春が帰ってこない。 ご飯を作り、春さんが帰ってくるまで食事も取らず寝もしないで待っている三津子。 そんな寂しい生活の中に、にゃおんという猫が三津子の元にやってくる。 三津子の友人である久美、その夫の俊幸。 二人の介入も虚しく、三津子はおしまいの日へと近づいていく。 日記と手紙の黒塗りの部分。 なんとかして読めないのかな…。 それを公開したバージョンも発売してほしい。 何がおかしいのか、誰がおかしいのか、最後の最後で疑問が生まれてしまったな。 本当におかしい人は、自分がおかしいって気づけないはずだし、でもやっぱり三津子もおかしいんだろうし。 夢だと思ってたあの出来事が、本当に起こったことなんだろうな。三津子は忘れられて良かったね。

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2025/09/27

あらすじにサイコホラーと書いてあったけど、ホラー要素は微塵もない。と私は思う。 旦那が好きすぎて、元の性格もあって病的なまでに旦那に尽くす三津子は、読者からするとイラッとくる時もある。 でも最後に三津子の手紙を読むと、確かに精神を病んではいたけど、でも真っ当なことを言っているよう...

あらすじにサイコホラーと書いてあったけど、ホラー要素は微塵もない。と私は思う。 旦那が好きすぎて、元の性格もあって病的なまでに旦那に尽くす三津子は、読者からするとイラッとくる時もある。 でも最後に三津子の手紙を読むと、確かに精神を病んではいたけど、でも真っ当なことを言っているような気がしてくる。 あんなに忙しい旦那じゃなければ、きっと幸せな生活だったのかもしれないと思うと、ちょっと哀れ。 「おしまいの日」には一体何が起こるのだろうとドキドキしていましたが、その点はでは期待ハズレ。でも面白かったです。

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2025/09/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

こちらもリバイバルで再読。初読時はこれほどSNSのようなインタラクティブなコミュニケーションツールが発達していなかった時代なので、三津子の孤独がリアルに伝わってきた。 日記のスミ塗り部分の仕上がりは新潮版単行本のほうに軍配。どう表現するか苦心しただけある。あのページを開いたときはゾッとした。 曖昧な自他境界と極端な白黒思考が状況(病状?)を悪化させたおもな要因だと思うけどそれが生来のものなのか生活環境によるものなのか。あるいは両方か。 住民票の閲覧制度が改正されたのが2006年でこの作品の出版年度が1992年なので、そのへんはどう想定しいたのだろう。手紙は忠春に見せないことにしていたようだし、探したりはしなかったんだろうか。とはいえ(決意はどうあれ)諸々かんがみても母子ともにハッピーエンドの結末は想像しにくいので、あまり突きつめないほうがよさそう。

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2025/09/23

あらすじにサイコホラーと書いてあるので、期待して読んだのにそれっぽい描写はなし。最後ら辺雰囲気が不気味な方向へ急に変わったからそこも期待していたのに。

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2025/09/15

くますけの隣にあり気になり購入しました。 だんだんと狂っていく主人公の日記がベースの話。なんとなく予想していた結末とは全然違った。狂っていたのは主人公なのかそれとも主人公の夫なのか、それとも社会なのか。最後まで読んでわからなくなった。まともってなんだろう。 帯に書いてあった「まと...

くますけの隣にあり気になり購入しました。 だんだんと狂っていく主人公の日記がベースの話。なんとなく予想していた結末とは全然違った。狂っていたのは主人公なのかそれとも主人公の夫なのか、それとも社会なのか。最後まで読んでわからなくなった。まともってなんだろう。 帯に書いてあった「まともな時に読んでください」の意味がよくわかった。 2回目に読むと受け取り方が違ってきそうなのですぐに再読したい。

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2025/09/06

散歩がてら入った本屋さんの『おすすめミステリ、ホラーコーナー』で気になって購入。 サイコホラーと紹介されていましたが、私には「純粋な愛が行きすぎてしまった物語」のように映りました。 すべてが愛情からくるもののようにも見える一方で、人によってはそうは受け取れず、私自身も不安を覚え...

散歩がてら入った本屋さんの『おすすめミステリ、ホラーコーナー』で気になって購入。 サイコホラーと紹介されていましたが、私には「純粋な愛が行きすぎてしまった物語」のように映りました。 すべてが愛情からくるもののようにも見える一方で、人によってはそうは受け取れず、私自身も不安を覚えたり、主人公の異常さを強く意識させられる場面もありました。 ラストで主人公を含めた登場人物たちの行動には、疑問を感じたり驚かされたりもしました。 それでも読み進めるうちに、主人公だけがおかしいわけではないのだとも思わされます。 物語を追うなかで、登場人物それぞれの言い分や気持ちが理解できてくる感覚があり、立場や視点によって見え方が変わるのだと、普段なら気付けないような視点を得られた気がします。 ラストはとても切なく、余韻が残り、読後もしばらく心に引っかかる作品でした。

Posted byブクログ