国家の逆襲 の商品レビュー
価値とは何か。抽象的な問いだが、「他者と自分を同時に幸せにするものには価値がある」という定義なら反対する人はいないだろう。 これで「価値があるもの」を判別するのは難しいかも知れないが、「価値がないもの」は分かる。それが著者の主張する「価値の抜き取り」を行うビジネスである。 コーポ...
価値とは何か。抽象的な問いだが、「他者と自分を同時に幸せにするものには価値がある」という定義なら反対する人はいないだろう。 これで「価値があるもの」を判別するのは難しいかも知れないが、「価値がないもの」は分かる。それが著者の主張する「価値の抜き取り」を行うビジネスである。 コーポレートガバナンス関連の言論に違和感を感じていた理由が本書を読んで言語化された。要は改革の名のもとに「価値を創造せず、価値の抜き取りを行う」ことが横行しているからだったのだ。 なお、本書のタイトルが完全意訳の「国家の逆襲」なのは、「採算を度外視して価値を追求できる国家があまりにも軽んじられているから」という編集者の問題意識によるものだそうだ。良い仕事だと思った。
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