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極北の海獣 の商品レビュー

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7件のお客様レビュー

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2025/11/04

凄い本に出会ってしまった。という感想しかない。 海獣というのはジュゴンのような〜?という予備知識しかなく、アラスカに到達したロシアの博物学者の冒険譚なのかと思って読み進めた。そしてわかったことは絶滅してしまった動物たち。人間のせいで…ということ。 ほとんど歴史に名を残せなかった人...

凄い本に出会ってしまった。という感想しかない。 海獣というのはジュゴンのような〜?という予備知識しかなく、アラスカに到達したロシアの博物学者の冒険譚なのかと思って読み進めた。そしてわかったことは絶滅してしまった動物たち。人間のせいで…ということ。 ほとんど歴史に名を残せなかった人たちで紡がれたこのフィクションは博物学のみならず世界の広さもそこに住まう人間の傲慢さも生きとし生けるものすべての存在価値も考え直されてくれる。そして、訳者先生の淡々としているけれど鋭く的確な品のある文章が私たちに理解の助けを与えてくれた。 著者、訳者、出版社誰も彼にもお礼を叫びたい。

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2025/08/27

装丁画、あまりにものんのかしてて…かわいい…。 ステラーカイギュウのイメージだったら笑ってしまうな…。

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2025/08/19

 ヘルシンキの自然史博物館に展示されているステラーカイギュウの骨格標本にまつわる人々の物語だ。第一章はカムチャッカ半島の周辺を探検していたベーリング隊の学術員シュテラーさんだ。半島探検中に遭難し、無人島に漂着したベーリング隊は、そこに住むステラーカイギュウを捕獲し命をつなぐ。その...

 ヘルシンキの自然史博物館に展示されているステラーカイギュウの骨格標本にまつわる人々の物語だ。第一章はカムチャッカ半島の周辺を探検していたベーリング隊の学術員シュテラーさんだ。半島探検中に遭難し、無人島に漂着したベーリング隊は、そこに住むステラーカイギュウを捕獲し命をつなぐ。その肉が美味であることが世間に伝わり乱獲される。同時にラッコが乱獲されることにより、ラッコが主食としていたウニが増殖し、ウニが海藻を食べつくすことによりステラーカイギュウが主食を失った状況も併進する。結果ステラーカイギュウは絶滅する。  100年が経過し、アラスカ総督府夫人と義妹の物語、さらに100年経過し、ヘルシンキの大学教授と博物画作者、さらに100年後の現代の標本管理士、鳥卵コレクター。おおよそ100年ごとにステラーカイギュウにまつわる人間もようが展開される。特に女性の置かれた状況が良く書かれている。  博物館で存在感を放つ骨格標本の説明書の裏に、まだまだストーリーが埋もれているんだろうな。

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2025/12/02

発見から27年で絶滅してしまったステラーカイギュウを巡る物語。探検家、博物学者、最後から2番目のアラスカ総督、昆虫画家、鳥卵博物館の標本管理士…面白くないわけがない。 史実の隙間の誰も知り得ない詳細を埋めるように作られたフィクションであるがゆえに、タイムワープしてその時代を覗き...

発見から27年で絶滅してしまったステラーカイギュウを巡る物語。探検家、博物学者、最後から2番目のアラスカ総督、昆虫画家、鳥卵博物館の標本管理士…面白くないわけがない。 史実の隙間の誰も知り得ない詳細を埋めるように作られたフィクションであるがゆえに、タイムワープしてその時代を覗き見ているような感覚に陥った。 人類による絶滅、という概念がなかった時代にそれを証明する事自体が困難だったなんて、これを読むまで考えたこともなかった。生物への愛と探究心に溢れたかつての人々の努力によって、いま当たり前に知ることのできる事実がある。彼らに敬服する一方で、同じ人間によって絶滅に追いやられたいくつもの生物がいるという事実に複雑な思いがする。最後の兄弟の話が好きだ。

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2025/07/03

第1部はロシアからアメリカへ新たな航路を開こうとする探検隊の漂流譚。 漂流文学って、ロビンソン・クルーソーとか、エンデュアランス号漂流記とか読んだけど、この本は探検隊に加わる上での功名心や、プライドが先行しての航路の読み違い、陸地が見えず見ずも食料もなく壊血病に侵されていく絶望と...

第1部はロシアからアメリカへ新たな航路を開こうとする探検隊の漂流譚。 漂流文学って、ロビンソン・クルーソーとか、エンデュアランス号漂流記とか読んだけど、この本は探検隊に加わる上での功名心や、プライドが先行しての航路の読み違い、陸地が見えず見ずも食料もなく壊血病に侵されていく絶望とかの全てが生なましく刺さってくる。なのに記述はあくまでも淡々としていて少し距離感があるという独特な読み味なのがおもしろい。 シュテラーが初めて間近でカイギュウを目の当たりにする場面(「人魚が、彼らのボートに挨拶している。近眼らしい、優しい目で」)や、無人島に流れ着いた隊員たちがラッコを殺戮し仔を亡くしたラッコが子どものように泣くという文で、泣きそうになった。 第2部はロシアから派遣されたアラスカ総督とその家族の物語、第3部はステラーカイギュウの骨格標本を中心に、収集し、記録をとり、写生し、修復する人々の物語が描かれる。舞台もアラスカからフィンランドへと広がり、さいごは長い旅をしたような充実感とともに読了。淡々と記されていて声高な非難も強い悲嘆もないけれど、本書の末尾に「すべてを呑み込むかすかな悲しみ」とあるとおり、たびたび胸がぎゅっとなった。 ステラーカイギュウが、発見からわずか27年で絶滅したのはやっぱり悲しい……表紙の泰然自若とした姿を見ながらそう思わずにいられないけれど、時代、時代のかせに縛られていた人間たちのことも、この本を読むとわかってくる。さまざまな登場人物のなかでは、骨の標本の写生を手がけたヒルダ・オルソンの話が好きだった。女性がアカデミアに関わることがそもそも無理だった時代に、それでも能力を生かせる仕事が見つかってよかった。 訳者の古市さんのあとがきも素晴らしく、本書のことだけでなくフィンランド語やフィンランド文学のあらましもわかるので強くおすすめです。

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2025/06/10

今はこの地上にいない巨大な哺乳類にちなんだ近世の物語。それぞれ違った目的で彼の地に向かう彼らの精神力が凄まじい。

Posted byブクログ

2025/05/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

3世紀にわたって、1頭の生態がわからない動物を調べるために命を張った調査や、のちの復元について書かれていて「滅びたものと相まみえてみたいと、だれもが一度は夢見たのではないだろうか」という言葉に衝撃を受け、良い冒険小説を読んだと思いました。

Posted byブクログ