ファラオの密室 の商品レビュー
率直に、面白いテーマだと思った。本当に実験的(?)なテーマとエンタメに清々しいほど振っていると思うので、なんか全体的に軽めなのもご愛嬌かなぁ。著者のご経歴も面白い。
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エジプトに関する知識はほとんどなかったが読みやすかった。探偵役も話の展開もこの舞台ならではのという感じ。しっかりミステリーしてて満足。 エピローグにでてくるある名前をみて「あ、そうなんだ!」と思わず唸りました
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このミス大賞ということで買ってみた(半分は表紙の子が可愛かったから)。舞台となる古代エジプトについてあまり知識がないので(世界ふしぎ発見のエジプト回を数回見て知った程度)、若干不安ではあったが特に問題なかった。ただ時代背景だとか死生観だとかがちょっと理解できない部分はあったが、全体的に楽しめた。 が、問題なのは肝心のミステリー部分に関して。作品の中で大きく2つの事件が発生するが、そのどちらもが現実味に欠けていてちょっと拍子抜け。なのでミステリーに期待するとガッカリするかもしれません。ファンタジーだと思えば楽しめます。 1つ目の石運び毎回最下位事件。蛇行している事に気付かない程度の蛇行で2時間も遅らせることができるものなのか? 2つ目のミイラ消失事件。こちらは金田一に出てくるトリック並みに落胆する。P300に空気穴の外まで200シェセプとある。1シェセプ7.5cmなので1500cm。垂直方向で矢に縄(包帯)付き。矢が外に出たとしても、頭が入る程度の空気穴に2本目を射る時は、そこに縄が2本垂れ下がっているのでさらに困難。仮に2本目の矢が外に出たとしても、滑車の状態になるためには2本目の矢が1本目の下に入らないといけないのでさらに困難。仮に滑車の状態ができたとしても、ミイラが付いた縄を引っ張れば2本目の矢が折れる可能性が高くさらに困難。仮に引っ張れたとしても、ミイラが2本目の矢に引っ掛かりさらに困難。仮に引っ掛からなかったとしても、ピラミッドは傾斜ではなく階段状になっているので重りの黄金のサンダルが転がり落ちずさらに困難。仮に転がったとしても、黄金のサンダルがミイラよりも相当重くないとミイラは外に出ていかず… 果たしてこれが成功する確率はどのくらいなのだろうか。この超低確率のトリックを、弓の名手でもないカリがわずか小一時間ほどで成功させたのは、ファラオの加護なのだろうか。 とまぁ、どうせならミステリーにせず、歴史物にしてくれたらよかったのに(それだったらきっと読んでないと思うが)。 あとカリの人物像が安定してないように思った。突然の名探偵津田みたいな展開にはちょっと笑った。 長々と書いたが最後にもう1つ。 この表紙にしたのは悪手だと思う。(自分もだが)大抵の人はこの人を主人公のセティだと思うだろう。でも読み進めるとセティは男だと分かる。てことはカリか。でも奴隷はこんな高そうな装飾品を身に付けないし…てことは誰?? ……やっぱりお前やったんかい!ってなり、オチが弱まった人は多いと思う。 (この表紙イラストはAIなんかな?手が変すぎる)
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全く前情報を入れずに読んでみたら紀元前のエジプトの話で主人公は死んでるし神様出てくるし生き返っちゃうしミステリーなの?!と思いつつ、しっかり謎解きもあってちゃんとミステリーでした。セティの真相は割と序盤でわかってしまったけど。 ただ、ミイラが外に出る仕掛けだったり死生観も違うので普通のミステリーというよりかは私にはファンタジー色が強過ぎたかなあ。 最後、カリがどれくらいで外に出られたのか?あとセティがやっと心の内を明かしても、もう死んでるんだよなあという気持ち。
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読み始めて思ったのは、まず世界観の構築が素晴らしすぎるということ。 エジプトを舞台に密室で起こった事件。一度死んだセティが冥界から戻り限られた時間の中で、自分の死の真相を突き止めていくミステリー。 この時代のエジプトでどれだけアテンの信仰が重要視されてきたか。唯一神の信仰のみを許...
読み始めて思ったのは、まず世界観の構築が素晴らしすぎるということ。 エジプトを舞台に密室で起こった事件。一度死んだセティが冥界から戻り限られた時間の中で、自分の死の真相を突き止めていくミステリー。 この時代のエジプトでどれだけアテンの信仰が重要視されてきたか。唯一神の信仰のみを許したアクエンアテン王がそもそも民を揺るがしたのだと思うが、それに知らない間に巻き込まれたセティを思うと少し辛い。 しっかりミステリーとしての機能を果たしていたし、最後のセティの告白は驚いた。とても読みやすく世界観に没入出来た。
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第22回このミステリーがすごい大賞受賞作。自然にエジプトの世界に入り込める力作。素晴らしかったです。 アメンホテップ4世は他のすべての神々を否定して、アメン神を崇め、アクエンアテンと改名したが、アクエンアテンは死んだ。 王墓は生前より作られていたが、上級神官書記だったセティは...
第22回このミステリーがすごい大賞受賞作。自然にエジプトの世界に入り込める力作。素晴らしかったです。 アメンホテップ4世は他のすべての神々を否定して、アメン神を崇め、アクエンアテンと改名したが、アクエンアテンは死んだ。 王墓は生前より作られていたが、上級神官書記だったセティは王墓の盗掘をしやすいようにと花崗岩からすり替えられた柔らかい砂岩の崩落に巻き込まれて死んだ。のみならずセティはナイフで胸を突かれていた。 心臓の一部と殺された時の記憶が欠損しているために、冥界から戻されて心臓の欠陥部を探してくるように命じられた。 現世に戻ると半年が経っていた。ミイラを作った親友と神官の言では、5日前の口開けの儀式には心臓はちゃんとしていたという。 王の葬送の日当日、王のミイラがなくなっていた。と同時にアテン神殿に現れた。なぜ王墓からミイラは消え、復活したのか?
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再読したので感想を。 設定がとてもおもしろく再読にも関わらず新鮮な気持ちで読めました。 古代エジプトについて造詣が深くなるというわけではありませんが、古代エジプト+ミステリーという点については読んでよかったなと思いました。
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古代エジプトが舞台のミステリー小説 主人公は亡くなった自分の心臓のかけらを探しに現世に戻ってくる。 また、現世では太陽神ラーを崇拝する王のミイラがなくなってしまい、これは、神官の葬送の儀を拒否したからと騒ぎになった。 古代エジプト文明の文化とミステリーがうまく混ざり合っていて面...
古代エジプトが舞台のミステリー小説 主人公は亡くなった自分の心臓のかけらを探しに現世に戻ってくる。 また、現世では太陽神ラーを崇拝する王のミイラがなくなってしまい、これは、神官の葬送の儀を拒否したからと騒ぎになった。 古代エジプト文明の文化とミステリーがうまく混ざり合っていて面白い。 ミイラが亡くなった理由自体はそこまで驚きはないが、古代エジプト文明に絡めて謎が解明されていく過程が読んでいてワクワクした。 また、文明のことを全く知らなくてもスッと頭に入ってくるのは、描写がとても上手いからなんだろうなと思います。 主人公たちエジプト人だけが登場人物では、エジプト文明の宗教観念で謎がすべて丸められてしまうところを、他国から連れ去られた奴隷の少女カリを入れることによって、私たちでも納得しやすい展開になっているのがとてもよかった
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読後感が良かったです。古代エジプトを舞台にしたミステリーだけれど、読み始めるといきなり予想外の設定というかファンタジーなのこれ?!と思って、それなら何でもありだしな…と感じて不安でした。でも読み進めると、謎の散りばめ方や展開がおもしろく、どんどん引き込まれました。読後感はじんわり...
読後感が良かったです。古代エジプトを舞台にしたミステリーだけれど、読み始めるといきなり予想外の設定というかファンタジーなのこれ?!と思って、それなら何でもありだしな…と感じて不安でした。でも読み進めると、謎の散りばめ方や展開がおもしろく、どんどん引き込まれました。読後感はじんわり温かい気持ちにもなります。 あと最後にはミステリーの本筋とは直接関わらない、小さな仕掛けがあります。この仕掛けはミスリードされてる部分もあってそれも含めて好きです。
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現在みなとみらいで「ミステリー・オブ・ツタンカーメン~エジプト展」が開催されているので家族で行こうかと話をしていた矢先に、ふと気になっていた本書を思い出し手に取った。 3300年前の王墓発見と、年代もタイミングもドンピシャ。 想像していたより壮大な内容にびっくり仰天。 登場人...
現在みなとみらいで「ミステリー・オブ・ツタンカーメン~エジプト展」が開催されているので家族で行こうかと話をしていた矢先に、ふと気になっていた本書を思い出し手に取った。 3300年前の王墓発見と、年代もタイミングもドンピシャ。 想像していたより壮大な内容にびっくり仰天。 登場人物の多さと物語の設定に、ちょっと難儀したが重厚な史実とエジプト神話のオカルト的な不気味さのブレンド具合が絶妙。 本書の魅力は、今では観光名所の「王家の谷」「カルナック神殿」などの世界遺産の舞台裏にある物語と当時の独特な死生観、「死後の審判」を垣間見れること。 「死後の審判」の天秤の傾きには「どっちに傾く?」祈るようなドキドキ感に思わず心臓に手を当ててしまう。 特に興味深かったのが太陽神のはずの「アテン神」の描写。 日輪から無数の手が伸びるその姿は、まるで『鋼の錬金術師』の「お父様」や『エヴァンゲリオン』の人類補完計画のような、得体の知れない「個を飲み込む魂の集合体」を想像させる。 そして主人公のセティがまさかの〇〇〇で死者か生者なのか?浮世離れした存在感に『エヴァ』のレイやカヲル彷彿させる。 結局、セティやカリは何と戦い、何を守ろうとしていたのか?。 壮大な古代のロマンと幻想的な神話、実態のない巨大なものとの戦い。 最後に人間の良心が勝つのか時代の闇に飲み込まれるのか、盗まれたものが鍵を握る。 何度も「もう駄目かも」と思わされたが、そのギリギリの攻防がスリリングで、心を揺さぶられた。 エジプト展へ行った際は「黄金のマスク」と「心臓の計量と死者の書」をぜひ見てみたい。 そして古代エジプトの時代感を肌で感じセティやカリに思いを馳せたいと思う。
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