文豪は鬼子と綴る の商品レビュー
大正博多。作家香月と助手春彦の危険過ぎるネタ探し。巷で噂の怪奇事件を調査。事件関係者は行方不明の姉を探す巫女。手掛りは呪具。神秘的な怪異が魅力。
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大正時代が舞台の、変人作家先生とその助手(不本意)である毒舌中学生のバディもの。 博多で起こっている連続惨殺事件を追う、少しホラーミステリー。 なんだか訳ありな2人のやりとりがクスッと笑えたり、打ち解けていく過程にグッときたり、本を閉じたときにはあったかい気持ちにった。 時代物の作品はたまに言葉の意味が分からなかったり今と違う文化を理解しきれなかったりと個人的に読むのが難しいものもあるけれど、すごく丁寧な描写でわかりやすく、知識がなくてもスムーズに楽しく読めた。 作中"照らす光が強いほど、足下に落ちる影は濃くなるものだ(142p)"という言葉がでてきたように、 全てがハッピー大団円!な締りではなく切なさも哀しさもあるところが、世界ってそうできてるよな、と感じて個人的に好き。 でもそんな不条理のなか、前向きになれるような言葉もたくさんあって、ストーリーも楽しみながら、なんだか背中を押してもらえた気がする。 ふたりのテンポ良い掛け合いや、今回明かされなかった作家先生の過去などが読めるであろう続編が楽しみ!
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どこか浮世離れ?した人気作家先生と、毒舌中学生の2人組で、とっても刺さった シリーズ1作目とのことなので、今後2人の秘密が明かされていくのも楽しみ!
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くるたんさんの本棚からです。 くるたんさんありがとうございます! 時は文明開化の明治時代をへて、文化が花開いた平和な大正時代。 舞台は博多。 文豪の青年、香月と、自らを鬼子と蔑む十四歳の少年、春彦が物語の主人公です。 作者あとがきにもありましたが、この時代の少年の精神年齢の高...
くるたんさんの本棚からです。 くるたんさんありがとうございます! 時は文明開化の明治時代をへて、文化が花開いた平和な大正時代。 舞台は博多。 文豪の青年、香月と、自らを鬼子と蔑む十四歳の少年、春彦が物語の主人公です。 作者あとがきにもありましたが、この時代の少年の精神年齢の高さには驚きました。 十四歳とは思えない春彦。 二人は堅粕町のバラバラ殺人事件を調べ始めます。 そこで人の死ぬ日時を言い当てるという占い師に出会います。 占い師は千代という十六歳の巫女で、同じく巫女の姉、八重を捜していました。 二人は千代と一緒に八重を捜そうとしましたが…。 この作品はタイトルからいって、私の大好きなビブリオミステリーと勘違いして読んでいました。 くるたんさんのレビュー再拝読してきましたが、どこにもビブリオミステリーだなんて書いてなかったです。ひとりで勘違いしていました。 ホラーミステリーです。 大正時代の耽美な雰囲気がお好きな方は面白いかと思います。 最近読んだ小説では『をんごく』とか。 この作品は哀しき巫女の姉妹の物語です。
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大正時代の博多が舞台。 人気作家・香月蓮と彼に見込まれて助手にされた中学生・瀬戸春彦のバディもの。 キャラ小説として楽しく読めました。 一部書店では嗣人先生の書き下ろし小説が読めるQRコードが付いたイラストカードが配布されたそうですね。
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この作者の書くバディは外れない。 大正の世で怪異にまつわる事件を追う(好奇心)文豪に付き合わされる、学生の春彦。凸凹でありながら相性の良い二人のやり取りは見ていて気持ちがいいものがありました。 いつもながら日本神話に対する解像度が高く、こちらも勉強になるものがありました。 香月の正体は、作者曰く「一人か二人くらいは今作の設定や会話などから看破する読者が現れるかもしれないと思っている。」とのこと。 春彦が「一瞬、三本足の巨大な鴉が、この男の背後に蹲っているように視えた。」となっている。 3本足の鴉といえば八咫烏なので、ちょっと調べたところ賀茂家という陰陽に関係のある家系が出てきた。そのあたりかななどと思ったり。 シリーズになるとのことで、続編が楽しみです。
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以前この著者の実話怪談を読んだことがあったのでアンリミで見かけて手に取ってみた。 なんとシリーズの第一作らしいですね。確かにまだまだ続きそうな終わり方でした。 いわゆるイケメンが主要人物なので、まあ、ラノベ感ビンビンでした。大正ミステリーホラーです。 怖くはなかったし、謎も...
以前この著者の実話怪談を読んだことがあったのでアンリミで見かけて手に取ってみた。 なんとシリーズの第一作らしいですね。確かにまだまだ続きそうな終わり方でした。 いわゆるイケメンが主要人物なので、まあ、ラノベ感ビンビンでした。大正ミステリーホラーです。 怖くはなかったし、謎もそんなに深くないけど、美形の小説家と美形の中学生という取り合わせ、そのやり取りは軽妙で、お好きな人は多そうな印象。 Kindle Unlimitedで読んだよ!
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時は大正。 中学生の春彦と作家香月蓮が出会うところから物語は始まる。父に頼まれ香月の原稿を取りに行った春彦が、香月に気にいられ師弟関係を結ぶ。そして取材の一環で噂の巫女に出会い物語は進んでいく。 章分けがされている作品ではあるが、長編小説。 嗣人さんの他の作品とは違い、人ならざる...
時は大正。 中学生の春彦と作家香月蓮が出会うところから物語は始まる。父に頼まれ香月の原稿を取りに行った春彦が、香月に気にいられ師弟関係を結ぶ。そして取材の一環で噂の巫女に出会い物語は進んでいく。 章分けがされている作品ではあるが、長編小説。 嗣人さんの他の作品とは違い、人ならざるものに関わるというより関係する人達と共にいて見聞きするという感じ。 まだまだ出だしという印象。主要な人物2人についてはまだまだ分からないことだらけ。今後の展開に期待。
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嗣人さんの夜行堂奇譚シリーズも大好きだけど、本作もとても好みで良い!! 大正時代と福岡の町がマッチしていて、全体的に雰囲気が良い。 香月先生の得体の知れないのに優しく変人なところと、こちらもなにやらありそう春彦とバディがいい。 香月先生の蘊蓄がまた勉強になり、もっと続きを!と思ってしまう。 怪事件も怖さの中には悲しさがあり、とても良かった。 どうか次作が早く読めますように!
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どこか色気すら感じる大正の雰囲気と魅力的な登場人物たち。民俗学的な知見がしっかりあるからこの雰囲気が出るのかな。そして嗣人さんのバディものはなぜここまで尊いのか…
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