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PARK STUDIES 公園の可能性 の商品レビュー

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5件のお客様レビュー

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2025/11/24

先日の立川の駅前シンポジウムや令和の日本庭園の話を聞いて、都市の公園の価値や役割とか、隣接するエリアとのつなぎとかを考えていて読んでみた1冊。公園についていろいろな切り口で書かれていてアイデアをいくつかもらえ、公園の見方の引き出しが少し増えた1冊でした。 特に公園のイメージを代表...

先日の立川の駅前シンポジウムや令和の日本庭園の話を聞いて、都市の公園の価値や役割とか、隣接するエリアとのつなぎとかを考えていて読んでみた1冊。公園についていろいろな切り口で書かれていてアイデアをいくつかもらえ、公園の見方の引き出しが少し増えた1冊でした。 特に公園のイメージを代表するベンチについては可能性が大きいなと。まちなかにベンチがあることでそこで休憩する人が現れ、たまり場ができ。公園が都市と同化していくというかそういうアプローチがあったり、思い出ベンチの事業もぜひ立川でもと思ったりしました。

Posted byブクログ

2025/08/17

とても短い文章ながら 公園を通じて捉えられる考えや発見、想いなどが 簡潔に語られる。 この本自体がまるで公園のようです。 写真も多く、実例も身に近く、とても良い本。

Posted byブクログ

2025/08/06

【感想】 木洩れ日のそこかしこで鳴き交わす朝の鳥たち、犬の散歩のあいまに立ち止まって挨拶を交わす馴染みの顔ぶれ、淡々と足音を刻んで通り過ぎていくランナーたち。公園に行けばちょっとした緑の空間があって、「みんなと一緒」でも「ひとりぼっち」でも、自分の好きなしかたで好きなだけそこに...

【感想】 木洩れ日のそこかしこで鳴き交わす朝の鳥たち、犬の散歩のあいまに立ち止まって挨拶を交わす馴染みの顔ぶれ、淡々と足音を刻んで通り過ぎていくランナーたち。公園に行けばちょっとした緑の空間があって、「みんなと一緒」でも「ひとりぼっち」でも、自分の好きなしかたで好きなだけそこに居ていい。 本書は、私たちの身近に普通にある都市公園をいろんな切り口で見つめ、まちなかに公園があること、あり続けることの大切さに気づかせてくれる。どの視点も新鮮で、ありふれた景色のひとコマからこんな価値を読み取れるのか、と学ぶところが多かった。 【まとめ】 ★ 公園はそこにあり続けることが重要。普段あまり使われず、無駄な空間のように見えても、そのような場所が必要になることがある。 - セントラル・パークに始まる都市公園の目的は、都市のなかに「都市ではない場所」を確保することで、市民の生活や健康の向上に寄与すること。 - 公園には、必然的に「決まる形」と、あえて「つくる形」とがある。両者のバランスをどう調整するかが公園のデザインの見せどころであり、見どころである。 - 震災の津波被災地につくられた祈念公園は、ここにはもう居ない人、そしてここにはまだ居ない人に向けてつくられている。公園は、私のための場所となる一方で、私の知らない他者のための場所でもある。その意味で、「他者に向けられた公園」としての祈念公園は、とても公園的であり、公園としての究極の形なのかもしれない。 【目次】 まえがき 第1章 都市のなかの公園  都市の庭になりつつある公園  解放区としての街区公園  屋上という気候 第2章 公園の記号と性能  みんなの公園、わたしのベンチ  トイレの矛盾と形  禁止サインから禁止しないサインへ  遊具という象徴 第3章 自然との対峙  オープンスペースとしての水面  雑木林の風景  樹木がもたらすもの  表層の自然 第4章 公園のなかの造形  「欲の細道」ディザイア・パスの風景  光の風景  田園風景の子孫たち  公園の形 第5章 公園の公共性  「公」を担いうる「園」  「公開空時」暫定利用の空地の可能性  追悼の風景、他者のための公園 初出および参考文献 あとがき Credit Profile

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2025/07/19

公共利用の空間が今や公園でしか実現できないなか、個別の公園の事情によりさまざまな禁止行為がその公園限りの運用ルールとして設定されている。そこで、冒険して「ほしいこと」をサインとして打ち出す長井海の手公園の事例、都市公園法には禁止行為がない。二子玉川公園で花を摘んでいいという表示、...

公共利用の空間が今や公園でしか実現できないなか、個別の公園の事情によりさまざまな禁止行為がその公園限りの運用ルールとして設定されている。そこで、冒険して「ほしいこと」をサインとして打ち出す長井海の手公園の事例、都市公園法には禁止行為がない。二子玉川公園で花を摘んでいいという表示、烏山プレーパークで自己責任で遊ぶスペースを目指した事例など、限られてはいるものの、公園が提供する「公共」をできるだけ前向きなものにしようとする取組が進んでいる。 道を公園として利用するのは、期間限定の取り組みにならざるを得ないのであろうか。調布市の京王線地下化にともなう地上部分を公園として公共利用する取り組みは「てつみち」として6年間存続し、その後は第3セクターが道路を管理する形で賑わいが継続している。小田急線下北沿線は公園として整備されたもののように見える。 公園が果たす役割が体系的に語られているわけではないが、ほとんどが著者が自ら撮影した写真による考察であり、事例集としても面白い。

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2025/04/06

はい、承知いたしました。「PARK STUDIES 公園の可能性.pdf」の全体の内容を簡潔にまとめます。 本書は、都市における公園の多様な可能性を探求するものであり、単なる緑地や休憩所という枠を超えた、より多角的な視点から公園の意義と役割を考察しています。 まず、公園の歴史...

はい、承知いたしました。「PARK STUDIES 公園の可能性.pdf」の全体の内容を簡潔にまとめます。 本書は、都市における公園の多様な可能性を探求するものであり、単なる緑地や休憩所という枠を超えた、より多角的な視点から公園の意義と役割を考察しています。 まず、公園の歴史的変遷を辿りながら、近代都市における公園制度の成立、日本における公園の起源(寺社境内地の転用やヨーロッパの影響)、そして現代における公園の意義の変化を捉えています。初期には賑わいの場としての側面が強かった公園が、時代とともに静寂や孤独を提供する場所、地域社会の交流拠点、さらには都市生活で失われた自然との接点としての重要性を増していることが示唆されます。 デザインの視点からは、公園を構成する様々な要素(水面、雑木林、樹木、植物、遊具、ベンチ、トイレなど)が、利用者にどのような体験や価値を提供しているのかを詳細に分析しています。例えば、水面は開放感や自然の循環を感じさせ、雑木林は里山の風景を再現し人の手と自然のバランスを示唆します。巨樹は時間と記憶を繋ぎ、異国の植物は新たな風景と文化への想像力を喚起します。遊具は子供の遊びを支えるだけでなく、親にとっては安全な休憩場所としての意味合いも持ちます。ベンチは休息の場であると同時に、公共空間における個人の関わりを示す媒体ともなり得ます。 また、都市空間における公園のあり方についても深く掘り下げています。屋上緑化による公園、線路跡地を利用した временное な公園「てつみち」、災害からの復興・慰霊を目的とした公園など、多様な事例を紹介しながら、限られた都市空間を有効活用する試みや、社会の変化や課題に対応する公園の役割を考察しています。特に、COVID-19のパンデミック下における近隣公園の重要性の高まりは、公園が都市生活においていかに不可欠な存在であるかを改めて示しています。 さらに、公園の管理運営や利用者の視点にも注目しています。禁止看板のあり方、市民参加型の公園づくり、デザイアパス(自然発生的な人の通り道)の存在などは、公園を提供する側と利用する側の関係性や、公園の自由な利用のあり方について問題を提起しています。 セントラルパークのような象徴的な公園の成功例を挙げながら、都市における公園の理念やデザインの принципы についても考察し、「決まる形」と「つくる形」の相互作用によって公園の個性や魅力が生まれることを示唆しています。 終章では、著者自身の経験を振り返りながら、公園設計に対する思いや、今後の公園のあり方への期待を述べています。 本書全体を通して、公園は都市における「隙間」でありながら、多様な人々の活動を受け止め、自然との繋がりを提供し、社会の状況を映し出す鏡のような存在であることが強調されています。それは単なる静的な空間ではなく、人々と都市、そして自然とのダイナミックな関係性を育む、可能性に満ちた場所として捉えられていると言えるでしょう。

Posted byブクログ