流氷の果て の商品レビュー
悲劇の始まりは1985年大晦日に起きたバス転落事故。 「北斗流氷号バスツアー」に参加した乗客46名中、生存者は僅か7名。 だが生き残った少年少女を待っていたのは更に過酷な現実だった。 転落事故から14年後、男性の首吊り遺体が発見された事で眠っていた事件が再び動き出す。 な...
悲劇の始まりは1985年大晦日に起きたバス転落事故。 「北斗流氷号バスツアー」に参加した乗客46名中、生存者は僅か7名。 だが生き残った少年少女を待っていたのは更に過酷な現実だった。 転落事故から14年後、男性の首吊り遺体が発見された事で眠っていた事件が再び動き出す。 なんの罪もない彼等が何故こんな生き方を選択しなければならなかったのか、事故の裏側に隠されていた事実が明らかになる度に理不尽さにやるせなさが募った。 「いつか一緒に流氷を見る」 薄氷の上を歩くように生きて来た彼等の夢が叶い、幸せな未来が訪れることを願う。
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素晴らしい、久しぶりに良かった本^_^ いや〜よかった^_^ 一雫らいおんは、もうすぐ、百獣の王ライオンになるね^_^
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新しく起こった事件を起点にして、15年前の事件が呼び起こされ動き出す。少しずつわかっていく真実と深い愛の形に心が震えた。 大切な人を守るために何年嘘をつき続けられるだろうか。作中で釜利を名乗る浅地は、本当の釜利たちを守るため、20年以上嘘をつき続けたことになる。 親愛、友愛、家族愛とだけでは言い表せない、これほど深い愛の物語は読んだことがない。 また、事件の謎も読み応えがあり、終盤の怒涛の展開にもどきまぎしてしまった。 読み応えはあるけれど、どんどん勢いよく次のページに進みたくなる細やかな描写でとても面白かったです。
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https://www.nikkei.com/article/DGKKZO87937040Q5A410C2BE0P00/
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1985年に起こったバス転落事故の生存者であるこども達。 時を経て1999年に起こった事件に絡んでいく… 途中までは「白夜行」に似ている気がした。 生存者であるこども達は被害者なのに…そう思うとあまりにもつらい。 終盤驚かされる展開あり。 闇の中を彷徨うような物語だったけれど、エピローグでは光と暖かさを感じた。 幸せになって欲しいと願いながら読了。
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Amazonの紹介より 「この愛に、凍えろ」 札幌市内から知床半島ウトロへと向かう「北斗流氷号バスツアー」に参加していた少年と少女は、バスの転落事故ですべてを失ってしまった。 そして1999年。成長した彼らは、きたるべきミレニアムに浮足立つ新宿の街で再会するーー身元不明の首吊り遺...
Amazonの紹介より 「この愛に、凍えろ」 札幌市内から知床半島ウトロへと向かう「北斗流氷号バスツアー」に参加していた少年と少女は、バスの転落事故ですべてを失ってしまった。 そして1999年。成長した彼らは、きたるべきミレニアムに浮足立つ新宿の街で再会するーー身元不明の首吊り遺体を挟んで。定年間近のベテラン刑事と、競争から外れてしまった若手刑事が、二つの時代をつなぐ事件の真相を追うべく、駆けずり回る。この国で隠され続けてきた、あまりにも悲しい真実とは? 『二人の嘘』の著者によるエモーショナル・ミステリー超大作! 派手さはないのですが、それぞれの思いと吸い込まれるような世界観と展開が壮大で、一つの大きな映画を見ているようでした。 昭和に起きたバス事故。大晦日という大盛り上がりのイベントから一変、それがきっかけで色々な歯車が狂っていきます。 冒頭では、バス事故の模様が端的に描かれ、そこから時がたって、1999年へと変わります。 なぜ1999年なのか?なぜ令和じゃないのか?ちょっと疑問だったのですが、そこには意味があります。 後でそれがわかるのですが、その他にもそれぞれの時代ならではの背景が、物語により深みを増していました。 平成で起きる事件で、物語が大きく進むきっかけとなる事件が新宿で起きた身元不明の首つり遺体です。 そこに居合わせるベテラン刑事と2人の男女。静かなる幕開けなのですが、どう昔の事件と繋がっていくのか気になるばかりでした。 基本的にベテラン刑事と2人の男女、それぞれの3人の視点を変えながら、物語は進んでいきます。 事件の犯人、事件を捜査する刑事、犯人の共犯者、第三者(読者)から読むと、配役は前半で知ることになるのですが、それぞれの事件との繋がりがわかりません。 どのようにして、こうなり、ああなったのか? それぞれのパートで見ると、点が線となって繋がれていくのですが、全部が大きく繋がっていくわけではありません。色んな考察ができる面白さもあって、段々と真実がわかっていく展開はページが止まりませんでした。 特に刑事のパートが印象的でした。ベテラン刑事の培った経験での勘の良さが鋭く、0から1,1から2へと事件の真相が少しずつわかっていく爽快さはたまらなかったです。 そして、追い詰められる二人との対決も緊張感がありました。特に刑事と共犯者との出会いは、徐々に距離を詰めていく緊張感がよかったです。何の確証もなく、刑事の勘で、真相を追い求めていくのですが、共犯者の強気な姿勢と犯人との会話から滲み出る幼さのギャップが印象的でした。 2人の男女が今までどんな人生を歩んできたのか?徐々に細切れの記憶が登場していくのですが、まだまだ真相がわかりません。昭和と平成に隠された真実が後半になって、ようやくわかり、全てが繋がれていく爽快感はたまりませんでした。 またさらに驚きの真実もあって、面白かったです。 全てが明らかになった3人の心情は、もう繊細で切なかったです。見れなかった流氷や犯人達のそれぞれの思い、1999年ならではの背景が絡み合っての展開は、涙を誘いました。 そして最後には、事件から15年後の世界も描かれています。果たしてどんな世界観なのか?色んな背景を知ってからの結末は、感動させられました。
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バス転落事故から15年。多くの人が重荷を背負って生きていく。登場人物がみな温かく熱い。みんな格好良い、終盤に明かされる事実にも驚きます。 感情が揺さぶられる一冊。面白かった。
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流氷の果て #読了 #読書好きな人と繋がりたい 「北斗流氷号バスツアー」に参加していた少年と少女は、バスの転落事故ですべてを失ってしまった。 1999年。成長した彼らは、きたるべきミレニアムに浮足立つ新宿の街で再会するーー身元不明の首吊り遺体を挟んで。 両親、弟、雪、冬、北...
流氷の果て #読了 #読書好きな人と繋がりたい 「北斗流氷号バスツアー」に参加していた少年と少女は、バスの転落事故ですべてを失ってしまった。 1999年。成長した彼らは、きたるべきミレニアムに浮足立つ新宿の街で再会するーー身元不明の首吊り遺体を挟んで。 両親、弟、雪、冬、北海道。 バブル経済、東京、新宿。 拳銃、ナイフ、石のような物、黒曜石。 戸籍、名前、バス、みながつく嘘。 登場人物全員、辛抱強いなぁ。 最初からそれは??となったことがキッカケでストーリーが転じたのは予想通りかな、と。
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1985年、北海道で起こった豪華バス転落事故。生き残った少年と少女の過酷な人生。 親に、世間に凌辱され搾取されたあげく、孤独の中で社会の縁でひっそりと生きている者たちの、熱く燃える氷のような涙を思う。 生き延びること。ひたすら生き延びること。その先にある、一筋の希望を小さな手に握りしめて。 罪をあばくことは、義なのか、それとも救いなのか。 逃げて欲しいと思う。逃げ切って欲しいと願う。よるべなく支え合うその小さな手が、いつか温かさをつかむまで、生きて、逃げて、と祈ってしまう。 定年間近の刑事の思いに寄り添う読者もまた、流氷を見ているのだろう。悲しみの果てから流れ着く流氷が、せめて温かさを連れてきますように。
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