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NEXUS 情報の人類史(下) の商品レビュー

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112件のお客様レビュー

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2026/04/20

AIを「便利な道具」として使っているつもりが、気づけば自分の判断まで委ねてしまっている——そんな感覚に心当たりはないでしょうか。本書は、その違和感の正体を一段深く言語化してくれる一冊です。 『NEXUS 情報の人類史 下』でハラリが描くAIは、単なる技術ではありません。自ら判断...

AIを「便利な道具」として使っているつもりが、気づけば自分の判断まで委ねてしまっている——そんな感覚に心当たりはないでしょうか。本書は、その違和感の正体を一段深く言語化してくれる一冊です。 『NEXUS 情報の人類史 下』でハラリが描くAIは、単なる技術ではありません。自ら判断し、新しい発想を生み出す「存在」としてのAIです。人間の延長ではなく、まったく異なる論理で動く「異質な知能(エイリアン・インテリジェンス)」という視点は、これまでのAI観を大きく揺さぶります。 本書を読んで強く感じたのは、このテーマが単なる未来予測ではないということです。むしろ、私たちの想像力をかき立てるSFであり、正体が見えないまま進行する不気味さを持つホラーであり、そして人類の命運を賭けたサスペンスそのものだと感じました。 特に印象的なのは、AIの判断がブラックボックス化している点です。結果は提示されるのに、その理由は説明できない。この構造が広がれば、私たちは「なぜそう判断したのか」を自分自身でも理解できなくなるかもしれません。さらに、AIは人間の感情に寄り添うように振る舞いながら、知らないうちに意思決定を誘導する可能性もあると指摘されます。その影響は個人レベルにとどまらず、社会の分断や新たな統制へとつながる危険性を孕んでいます。 一方で、本書は悲観だけで終わりません。鍵となるのは、人間側が「自己修正できる仕組み」を持ち続けられるかどうかだと語られます。間違いを認め、修正し続ける力こそが、この状況に対抗する唯一の手段だという視点には、静かな希望も感じました。 読み終えたとき、「AIを使うかどうか」ではなく、「自分の判断をどう守るか」という問いが残ります。すでに始まっているこの変化の中で、どう生きるのかを考えさせてくれる一冊です。

Posted byブクログ

2026/04/15

AIは人間と同じ思考パターンをしない、ということをどれだけの人間が理解しているだろう? AIは、人間が共通意識として持っているルールの中に囚われない。人間の「常識」破りの計算が可能で、まさにエイリアン・インテリジェンスという言葉が相応しい別次元の存在。 ペーパークリップの話やF...

AIは人間と同じ思考パターンをしない、ということをどれだけの人間が理解しているだろう? AIは、人間が共通意識として持っているルールの中に囚われない。人間の「常識」破りの計算が可能で、まさにエイリアン・インテリジェンスという言葉が相応しい別次元の存在。 ペーパークリップの話やFacebookのアルゴリズムがミャンマーで引き起こした問題は、AIを使う側の能力が試された出来事だと思った。人間が想像可能な範囲にとどまる曖昧な指示は、AIを通してまったく予想していなかった結果を招く危険性がある。もはやAIに指示する前に、その指示内容をAIにダブルチェックしてもらったほうがいいかもしれない。でもそのダブルチェックを行うAIに対しても、人間界のルールと倫理と秩序とは何なのかを事前に明文化しておく必要がある。AIは人間ではないから、人間の常識が通用しない。AIに指示をする側は、それを念頭に置いておかなければいけない。 本書を読んで驚いたのが、AIが採用しているデータ自体がそもそも偏見に満ちているケースもあるということ。例えば白人寄りの内容の場合、それを元に弾き出されたAIの結論は公平性を欠く。となると裁判や政治や戦争の判断をAIに委ねるのは非常にまずい。判断材料として参考にするのは一つの手段としてアリだが、自ら調べて裏をとることは必須だろう。この一手間を怠るのは人間の怠慢だと思う。それができない人はAIを使うべきではない。 ハラリ氏の言うとおり、AIは新聞やメディアとはまったく異なる新しい存在である。我々使い手側の技量によって、最高の相棒にも最悪の存在にもなり得る。AIを手放しで称賛するのではなく、うまく人間界に適合する扱い方を熟考して、賢く付き合っていかないといけないと思った。

Posted byブクログ

2026/04/10

ネットワーク、インターネット、AIにより文明が高度化していくほど、破滅に向かわないように、人類社会としての自己修正メカニズムが求められるようになる。エイリアン・インテリジェンス。

Posted byブクログ

2026/03/24

ようやく下巻。下巻では、AIによる情報ネットワークが人知を超えてしまうことで、さまざまな弊害が起きており、それを防ぐには、AIにも自己修正メカニズムが必要と解く。 神や天皇のような絶対的な無謬性を持った存在がいるからこそ人間はその下で平等に扱われ、民主主義が根付いた、とものの本で...

ようやく下巻。下巻では、AIによる情報ネットワークが人知を超えてしまうことで、さまざまな弊害が起きており、それを防ぐには、AIにも自己修正メカニズムが必要と解く。 神や天皇のような絶対的な無謬性を持った存在がいるからこそ人間はその下で平等に扱われ、民主主義が根付いた、とものの本で読んだことがあったが、AIは人間が作り出した技術にも関わらず理解できないものになり、それがポピュリスト政党やカリスマ的な指導者を生み出している原因になっている、という見解は興味深かった。

Posted byブクログ

2026/03/21

少しずつ読み進め、3か月近くかかった。中世の魔女狩りなど得るところは多かった。全体的にはAIのリスクを歴史的文脈で語られていると理解した。若干IT業界で働く身としては内容への肯定/否定両方思うところはあった。

Posted byブクログ

2026/03/18

●知能と偽の親密さ 知能と意識は別物である。人間や哺乳動物は両者が密接に結びついているケースが多いが、知能に意識は必須ではない。 2010年代はSNSが人間の注意力を支配する戦場だった。2020年代は戦いが注意から親密さに移る。感情がなくても、人間に情緒的な絆を感じさせる方法は学...

●知能と偽の親密さ 知能と意識は別物である。人間や哺乳動物は両者が密接に結びついているケースが多いが、知能に意識は必須ではない。 2010年代はSNSが人間の注意力を支配する戦場だった。2020年代は戦いが注意から親密さに移る。感情がなくても、人間に情緒的な絆を感じさせる方法は学習できる。 ●課税の問題 従来、ネクサス(特定の管轄区域と企業の結びつき)は、企業がその国にオフィスや店舗などの物理的なかたちで存在しているかどうかだった。情報のみの取引はネクサスにカウントされないため、課税されない。デジタルな存在も定義に含むよう調整がなされなければならない。 ●民主主義の基本原則 善意、分散化、相互性、監視システムに「変化と休止」の余地を残すこと。 ●説明を受ける権利 コンピュータ(のアルゴリズム)はブラックボックスで、なぜその判断を下したのか、人間にはわからない。社会の多くの部分でコンピュータに決定を委ねれば、民主的な自己修正プログラムの信頼性は失われ、民主的な透明性も失われ、説明責任の所在があやふやになる。 ●デジタルアナーキー(無政府状態) 民主主義を適切に機能させるために必要な2つのことは、公の場で自由に話し合えることと、最低限の社会的秩序。話し合いにおいてルールがなくなれば、アナーキーとなる。 AIには特に注意。2017年の米国選挙中の投稿の20%がbotだった。2020年には43.2%。さらにSNSのルールもアルゴリズムが統制するようになってきている。 ●最も賢い者の絶滅 人間の本性ではなく、人間の情報ネットワークが真実よりも秩序を優先することに起因する。従って、ネットワークが力を持てば持つほど、自己修正メカニズムが重要になる。

Posted byブクログ

2026/03/15

歴史学者によるAI社会についての解説や警告 上巻が情報というものに対しての壮大な抽象的な解釈であったが、下巻はフェイスブックによるロヒンギャ問題などを例にしてAIについての具体的な性質の解説 訳者解説が良い要約となっている 強力な自己修正メカニズムを持つ制度や機関を構築すると...

歴史学者によるAI社会についての解説や警告 上巻が情報というものに対しての壮大な抽象的な解釈であったが、下巻はフェイスブックによるロヒンギャ問題などを例にしてAIについての具体的な性質の解説 訳者解説が良い要約となっている 強力な自己修正メカニズムを持つ制度や機関を構築するという、困難でかなり平凡な仕事に熱心に取り組まなければならない

Posted byブクログ

2026/03/14

再読予定。 大筋の流れは掴めたが、感想がかけるほどではない。 情報で秩序を作り出してきた人類の歴史と今後のAIとの共存方法について。 情報に踊らされるのではなく、情報を取捨選択し、素敵な人生を踊りたい。

Posted byブクログ

2026/03/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

一言要約:AIは子供。躾けるのは大人の責任。以下、主なとこ。: アルゴリズムはキュレーションを自ら行う。アルゴリズムが自らフェイクニュースや陰謀論を創作。コンピュータは情報ネットワークの新しいメンバー。注意を引くことから親密さの捏造へ。全世界で監視カメラは10億台以上。多くの都市で100台/平方キロ以上。情報は真実を発見するためでなく秩序を生み出すために使われる。エンゲージメントによるアラインメント問題=神話の問題。コンピュータ間現実は神聖さのような共同主観的現実と似ている。赤ん坊のAIは人間の新生児と同じくアクセス可能なデータの中にパターンを見出して学習。トレーニングで習ったデータはアルゴリズムに染み付く。テクノロジーを賢く使うことを学ぶには時間がかかり犠牲も大きい。産業革命から帝国主義など。1人の人間が理解できる範囲をはるかに超えるテクノロジー。偽造人間を禁止すべき。権力が人間からAIへ。民主社会は規制が必要。フェイクニュースなどで話し合いが成立しなくなると、ポピュリズムがつけ込み民主主義を弱体化させる。全体主義は完全な監視システムを構築できるがアルゴリズムに支配権を奪われる。シリコンのカーテンによる分断。情報は真実を表すものではなく人々を繋げるもの。真実よりも秩序。データ植民地主義。AIは不誤謬なんかじゃない。自己修正メカニズムが肝。

Posted byブクログ

2026/02/28

なかなか難しい内容。上巻は高尚過ぎてお手上げだったが、下巻は自分の専門分野のコンピュータ関連の具体例多く、面白い内容が多かった。 AIをアーティフィシャルインテリジェンス(人工知能)ではなく、エイリアンインテリジェンス(人間のものとは異質の知能)と考えた方が良いほど、AIの判断に...

なかなか難しい内容。上巻は高尚過ぎてお手上げだったが、下巻は自分の専門分野のコンピュータ関連の具体例多く、面白い内容が多かった。 AIをアーティフィシャルインテリジェンス(人工知能)ではなく、エイリアンインテリジェンス(人間のものとは異質の知能)と考えた方が良いほど、AIの判断による人類の破壊の危険性に言及されており、恐ろしかった。 特に具体的にコンピュータコミュニケーションがどの様な流れで人間の想定とは全く異なる事が起こるのか説明されており、可能性として普通にあり得る世界と分かったのが、とても恐ろしかった。 自分や子供が生きている間にどれだけ世界が変わるか、恐れても仕方が無いが、この本の想定を認識した上で、少しでも変化に対応できればと思う。

Posted byブクログ