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平等について、いま話したいこと の商品レビュー

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41件のお客様レビュー

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2026/03/27

左派の勝ち逃げ 米国の政治哲学者マイケル・サンデルとフランスの経済学者トマ・ピケティの対談本。共に移民に悩まされている国の学者がこんな問いを巡って話し合っている。 サンデル「われわれのような人間は、資本やモノの規制なき自由な国家間移動には批判的ですが、寛大な移民政策、つまりヒ...

左派の勝ち逃げ 米国の政治哲学者マイケル・サンデルとフランスの経済学者トマ・ピケティの対談本。共に移民に悩まされている国の学者がこんな問いを巡って話し合っている。 サンデル「われわれのような人間は、資本やモノの規制なき自由な国家間移動には批判的ですが、寛大な移民政策、つまりヒトの国家間移動には賛成しがちです。一方、中道右派の人たちは移民の増加を批判しながらも、資本とモノの自由な移動は支持して促進しています。矛盾しているのはどちらでしょうか?」 ピケティ「やはり私の答えとしては、資本移動と貿易のほうをより厳しく規制すべきだと思います」(本書より) 矛盾しているのは、君たちだよ。君たちは大学人だから、留学できない世界が考えられないだけではないの? 古代ローマ帝国は民族移動の影響で滅んだではないか。人の移動は、文明の存続にかかわるのだし。 でもまあ、サンデルはソクラテス風の問答法の学者だから、自分の答えは頭にあるけれど、こういう問いかけをするスタイルの人なのだと思っている。民主社会主義を標榜するピケティにこう問題提起する。 サンデル「移民問題はわれわれに国境の倫理的意味とは何かという疑問を投げかけ、こうした疑問にもっと満足のいく答えを用意できるかどうかに左派の政治の未来がかかっている」 ピケティは答える。「要するに左派の問題は、経済構造のあり方を問いなおしてこなかったこと、そしてあなたご自身がきわめて明確に示していらっしゃるように、その経済構造のなかで常に勝者の立場だったことだと思います。この問題にはまともに目が向けられてきませんでした。現在の左派は基本的に、「国際合意を取りつけるべきだ、国際合意が必要だ」という姿勢ですから。それで、国際合意が取りつけられなかったらどうするのでしょう?何もしません」(本書より) 何もしません、って、え?勝ち逃げ? ピケティおまえな。。。 サンデルは現代の特権階級の問題をきちんと議論したいようなんだが、ピケティは乗り気でなく、やっぱり民主社会主義にしていくのが大事なんだろうてなことを言っている。こういうのが今の左派の限界なんだろうな。

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2026/01/07

現在の問題点を議論する事で輪郭が捉えやすく問題の本質のありかにつても見えてくるものはある。 脱商品化であるとか、解説にあった「格差」と呼ばずに「不平等」と訳してあることの意味など勉強になった。 読みやすい本なので、時折、読み返したい。 この様な対話と議論は極端なポジショントー...

現在の問題点を議論する事で輪郭が捉えやすく問題の本質のありかにつても見えてくるものはある。 脱商品化であるとか、解説にあった「格差」と呼ばずに「不平等」と訳してあることの意味など勉強になった。 読みやすい本なので、時折、読み返したい。 この様な対話と議論は極端なポジショントークの応酬に終止しがちな茶番的な話とは違って学ぶところが多い。

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2025/12/28

2024年5月20日にパリ経済学校で行われた対談の編集本。 「21世紀の資本」のトマ・ピケティと「これからの『正義』の話をしよう」のマイケル・サンデルの対談ということで大変豪華というか贅沢な布陣に期待は高まったが、対談だけあって新しい視点、新しい学説が展開されるわけではなく、専...

2024年5月20日にパリ経済学校で行われた対談の編集本。 「21世紀の資本」のトマ・ピケティと「これからの『正義』の話をしよう」のマイケル・サンデルの対談ということで大変豪華というか贅沢な布陣に期待は高まったが、対談だけあって新しい視点、新しい学説が展開されるわけではなく、専門分野が異なる一流の人同士が会話すると、こういう感じになるのか、というのが、素直な感想。二人とも大学の教授なので、本職は研究ながら、副業で(?)授業もやっているので、対話を展開するのはうまい。が、関心領域が異なるので、相手の言説を自分の思考を深めるために聴いている、という印象。 トマ・ピケティが、「所得格差は一対五まで圧縮できれば十分」と比較史的証拠があることを示唆しながら主張するものの、そのエビデンスが開示されるわけではない箇所が勿体なかった。(99頁) 対談は時間制限があったとして、註位つけてくれてもいいのに。 コミュニタリアンのサンデル氏と、社会民主主義者のピケティ氏の政治的ポジションは、「カネが全てではない」という点と、トランプ大統領(対談時点では再選前)とル・ペンが嫌いである、という点ではよく一致しているよう。

Posted byブクログ

2025/11/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 期待していたよりも面白い議論で、いくつも気付かされる点があり、とても参考になった。 ・現在の成功者は、先人の作り上げてきた現在の環境の恩恵を受けている。 ・累進課税は、同胞感覚を醸成できるか否かにかかっている。 ・不平等の結果として、個人の尊厳が蔑ろにされる問題がある。

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2025/11/18

「平等」というテーマを経済、政治、尊厳の3方向から、ピケティとサンデルが語り合う対談集です。平易な文章で書かれていて、とても重要な内容だと思います。

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2025/10/21

この2人の討議は非常に面白い。 ただ自分の国際政治・歴史の知識が足りないだけに十分に理解できたとは思えないのが悔しい。 色々読んでまた帰ってきて、2人と一緒に考えたい。

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2025/10/19

平等と能力主義は逆方向。高い累進課税と、手厚い社会保障で平等が進む。100年前の所得税は最高90%だったが、低所得者に参政権がなかった。いま政治的平等は進んで、社会保障も改善されたが、累進課税が低く、超高所得者は最低賃金の数百とか数万倍。誰かの1時間分の収入で他の誰かの1年分の労...

平等と能力主義は逆方向。高い累進課税と、手厚い社会保障で平等が進む。100年前の所得税は最高90%だったが、低所得者に参政権がなかった。いま政治的平等は進んで、社会保障も改善されたが、累進課税が低く、超高所得者は最低賃金の数百とか数万倍。誰かの1時間分の収入で他の誰かの1年分の労働を買えるのは、人の尊厳を痛める。(ここを解決するべき、というのが、主張コアなのか?) 脱商品化:教育、医療を均等にすると競争がなくなってマネーパワーが働かない。超富裕層にとって金の使い道がない。(結果、稼ぐ意欲が減じて、自然と所得格差が減る、ということか?)。社会主義・共産主義が理想ということか。競争がないと発明も無くなるがいいのか。先日読んだ小説でもそんな設定だったが、もう発明しなくてもよいくらいまで発明しつくせばそうなる?。

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2025/10/04

サンデルとピケティによる平等に対話。話はすれ違っている。かんたんにいえばサンデルは共同体にウェイトを置き、ピケティは社会に置いている。それぞれの駆動源は個人と制度設計である。 しかし、これは単にすれ違いなのだろうか。ピケティは制度設計による再分配で問題は解決すると考えている。最...

サンデルとピケティによる平等に対話。話はすれ違っている。かんたんにいえばサンデルは共同体にウェイトを置き、ピケティは社会に置いている。それぞれの駆動源は個人と制度設計である。 しかし、これは単にすれ違いなのだろうか。ピケティは制度設計による再分配で問題は解決すると考えている。最終的な目標は世界政府であり、要はシステムさえ整えれば世界はひとつになるという話だ。それが長大な時間がかかるとしても、である。 しかしサンデルの考えはその先にあるように見える。そのような話は、システムだけでは成り立たず、アイデンティティ(承認や尊厳、共感や帰属意識など広い意味での個人とコミュニティの精神性である)の問題をクリアしなければならない…だが、サンデルの問題意識に対してピケティはそっけない。このあたり、ピケティは自分では経済学者であることを否定するパフォーマンスをしたがるが、やはり経済学者である。哲学者のマインドは、ない。

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2025/08/28

哲学者と経済学者、著名なふたりの対談。 平等について語るといっても、まずは「平等」とはなにかを考える必要がある。この二人はどちらかというと、富の再分配による教育や医療等の充実を重要視しており、自分の考えにも近いので読みやすかった。 その中で、「尊厳」や「承認」が重要だとしており、...

哲学者と経済学者、著名なふたりの対談。 平等について語るといっても、まずは「平等」とはなにかを考える必要がある。この二人はどちらかというと、富の再分配による教育や医療等の充実を重要視しており、自分の考えにも近いので読みやすかった。 その中で、「尊厳」や「承認」が重要だとしており、ああなるほど、先を見ないと社会はうまく回らないのだなと感じた。 多くの人が読むべき本です。

Posted byブクログ

2025/08/21

ピケティとサンデルの主張はかなり違う視点からのものではあるが両方とも大いに納得できる。両者の対談だからこそ双方の主張の核が理解できる良書。

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