読まれる覚悟 の商品レビュー
桜庭一樹さんのファンで、小説はほぼ読んでいます。 個別の作品も、ファンダムの作品も大好きです。 最近の小説は、初期と傾向がちがうな?と思いながら読んでいたのですが、 この本を読んで、「書いて発信すること」にとても真摯に向き合われて、考え抜かれて、それが反映されているのだなと腑に...
桜庭一樹さんのファンで、小説はほぼ読んでいます。 個別の作品も、ファンダムの作品も大好きです。 最近の小説は、初期と傾向がちがうな?と思いながら読んでいたのですが、 この本を読んで、「書いて発信すること」にとても真摯に向き合われて、考え抜かれて、それが反映されているのだなと腑に落ちました(という表現が正しいか分かりませんが…)。 この世界で、こんなに真正面から真面目に取り組んでいる方の作品が読めるって幸せだなぁ、ありがたいなぁと思いました。 灯台の真っ直ぐな光みたいでした。
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ネットによる双方向性のコミュニケーション、ということを思った。 特に、 第3章 批評との共存の仕方 6〜10 で感じたことだけれど、自分の意見を(立ち位置に関わらず誰でもが!)発信することが容易になったことの影響力というか、そういうもの。 新書ならではの手触り、というか、 ...
ネットによる双方向性のコミュニケーション、ということを思った。 特に、 第3章 批評との共存の仕方 6〜10 で感じたことだけれど、自分の意見を(立ち位置に関わらず誰でもが!)発信することが容易になったことの影響力というか、そういうもの。 新書ならではの手触り、というか、 物語を生み出す人が、読む・読まれるにまつわる「今」を真摯に記した一冊、といった印象。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ここ最近、小説家の方が小説の書き方や手の内を明らかにする本がよく出ているが、「読まれ方」という視点にいったいどんなことが含まれてるんだろう、と思い手に取った。おそらく、発言する責任というようなことなんだろう、と予測はしていたけど。 本書は、 ➀小説が出版されたときに起こること。 ②一般的な読者の方にどう読んでもらうか。 ➂批評家や書評家の方と共存する方法。 ④ファンダムがある作品の原作者になること。 から桜庭さんの考えや経験から得たもの、また他者の意見や実際にあった出来事を例にあげながら話されている。 桜庭さんは文中で何度も人間だから間違ったり勘違いしたりすることは多々あるということを繰り返し、自分も誰かに対して気づかぬうちに傷つけていただろうことを語っている。 ところで、「桜庭一樹」と聞くと男性のように思ってしまうけど、桜庭さんは女性である(公開されている限り、ご本人は生物学的にも、自身の性自認も女性)。 文藝界の内情や過去の女性の作家が少なかった頃やご自身が若かった頃に「女性であるがゆえ」に受けた屈辱的な出来事にも触れられていた。 ただ、近ごろは風通しがずいぶん良くなったと。 昭和の、おじさんたちばかりで議論されていた時代は変わりつつあると願いたい。 が、表現の現場のジェンダーバランス調査が2022年に行なわれおり、 「その結果、文学の世界では純文学の公募新人賞の審査員の男女比率が男性六割、女性四割。男女比の大きなバランスは解消されていました。 でも同じ文壇でも、評論の公募新人賞は、審査員の約九五パーセントが男性、受賞者も約七六パーセントが男性。つまり批評の世界では男性の先生が審査して男性の新人を多く選んできたようです。 "評価をするのは男の仕事"なのでしょうか?」(P.118) とのこと。女性の文筆家にエッセイスト、コラムニストなんていう肩書きの方が多いのは、こういう背景もあったのかもしれないということにも触れられていて、今の時代にデビューする女性の作家と20~30年前にデビューされた女性の作家では、きっと置かれた立場が違っただろうなと感じた。 こういうことは女性だけでなく、男性にも知っておいてほしい。今は改善されつつあったとしても、性別だけでなく、外国籍、障害のある方、性的マイノリティなど、色んな立場の人が表現の現場に関わっていくことが、風通しの良い場所になって、また新しい表現の世界の勢いというものが生まれるかもしれないから(←私の願望です) ちょっと予想を超えた話題もあったので、読んで良かったな。 ちくまプリマー新書なので、学生の方も読みやすいと思う。 覚悟って、過去の間違いも認めて、そこから学んで、自らをアップデートしていくことを怠らない、ってことなんだなと私は受け止めた。
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著者の覚悟を感じる。 誤読や勘違いはよくやる。読んだはずなのに記憶にないというのはよく(!)あるし、あると思っていた場面が実際には書かれていない(自分で作っていた)というのもままあって、やたらと批判するもんじゃないと肝に銘ずる。
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これはおもしろそう、と思って喜々として読み始めたのだけど、内容があまりに拙くてビックリした。 けっこう支離滅裂だし。何が言いたいのかよく分からない箇所が多いし。 子供が書いたの?と言いたくなるような展開。 特に、出してくる事例の説明が下手すぎて困惑した。そのせいで、そこから導き...
これはおもしろそう、と思って喜々として読み始めたのだけど、内容があまりに拙くてビックリした。 けっこう支離滅裂だし。何が言いたいのかよく分からない箇所が多いし。 子供が書いたの?と言いたくなるような展開。 特に、出してくる事例の説明が下手すぎて困惑した。そのせいで、そこから導き出してくる結論はさらに訳が分からんことになっていた。 日本の学校は論文の書き方とか教えないからなぁ。私も論理的に書いたつもりがこうなる気がするなぁ、と変なところに共感したりして。 けっこう力のある作家だと思っていたから、余計驚いたかもしれない。 読み終わった今、この著者は、批評家と読者からのコメントに傷ついてきた積年の恨みをどうにかして吐き出して、読者に知ってもらってモヤモヤを解消したかったのかな?と推察します。そして、きっと「少女を埋める」の件が大きかったんだろうと感じましたが、説明が下手過ぎて、それが何なのか知らない者(私のことですが)にはよく分からないことになっている。 こんな稚拙な内容じゃ「いつも何を書いてもすべてを肯定するファン」にしか分かってもらえないだろうなぁ、きっと傷つけられた相手(私もそっち側かも?)には届かないだろうなぁ、と思った。 ひとつだけ言いたいのは、私は何かの批評を読んでも、その批評を書いている人の「ものさし」みたいなものは注意深く見る。たとえば、この本でダメ批評の例として挙がっていた「たかだか一千万円で作中人物がこんなに喜ぶなんて作者の金銭感覚貧乏くさい」の話、そんな何の共感もできないような書き方をする批評家の文章をそのままうのみにしたり説得される人はきっと多くないと思うけどなぁ。少なくとも私は褒めている批評もけなしている批評も、自分が実際に読むまでは「保留」にするけれど。それが有名古典だとしても、ラノベでも、映画でもドラマでも。 批評家だって、「読まれて批判される」のは同じだと思うから、作家の方々はそんなしょーもない批評は気にしなくていいのでは、と思ってしまったけど・・・でも、そんなものでも多少は影響力あるし、反論もしたくてもできないから腹が立つものなのだろうか。
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穏やかな語り口で、とてもわかりやすく、批評することとその時に問題になりうる点について、批評する側とされる側の両方の立場から、丁寧に書かれている印象。 SNSやこの感想も、感想という体の批評であり、作品は消費物ではない、という視点を持つべきだし、責任ある批評、感想とはどんなものか、...
穏やかな語り口で、とてもわかりやすく、批評することとその時に問題になりうる点について、批評する側とされる側の両方の立場から、丁寧に書かれている印象。 SNSやこの感想も、感想という体の批評であり、作品は消費物ではない、という視点を持つべきだし、責任ある批評、感想とはどんなものか、発言する前に考えようよ、と言ってくれる本だと思った。 また、ここ数年でいろいろなことが大きく変わっているようだ、との指摘も興味深い。 コンプライアンスガチガチで色々なコンテンツがつまらなくなっているとか言っている人もいるようだけど、自分は今の方がずっと好きだ。 たくさんの人たちに読んでほしい。若い人だけでなく、自分は間違えなんかするはずないと思ってるベテランの人たちにも。「アップデート」しよう。
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ひとつの作品に対して、自分だけであれこれ思うだけでなく、他の方の感想や書評、批評も読んで、さらに考えを深めたり、ひいては世界のことを知りたい、と思っている。 これまで、読む側の態度について考えたことはあっても、「読まれる側」について考えたことはなかったので、新しい読書体験だっ...
ひとつの作品に対して、自分だけであれこれ思うだけでなく、他の方の感想や書評、批評も読んで、さらに考えを深めたり、ひいては世界のことを知りたい、と思っている。 これまで、読む側の態度について考えたことはあっても、「読まれる側」について考えたことはなかったので、新しい読書体験だった。「作者=神」だと思ってたので、その繊細さにも驚いた。 しっかり読み込めた手応えがないので、また読み返したい。 文壇にも差別があるのか、と暗澹たる気持ちになる。
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小説家が読者、批評家、書評家などをターゲットに彼らに対する思いをぶちまけた珍しい本だ.面白かった.本が出版された瞬間にそれは小説家の手を離れてしまうことは、物理的に理解できるが、小説家自体がこの本に書かれているように様々な思いを持っていることは予測できなかった.著者が女性であるこ...
小説家が読者、批評家、書評家などをターゲットに彼らに対する思いをぶちまけた珍しい本だ.面白かった.本が出版された瞬間にそれは小説家の手を離れてしまうことは、物理的に理解できるが、小説家自体がこの本に書かれているように様々な思いを持っていることは予測できなかった.著者が女性であることに特化された思いもかなり出てきたが、男性社会の日本では当然だと感じた.対話と共話の比較論も楽しめた.
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読んでいてドキッとした。 「誤読」がテーマになったからだ。 悪意ではなく、思い違いで、思い込みで、あるいは斜め読みのせいで、 誤読をする。 誤読するだけなら罪はないが、それをブログに書く、著者に意見する、 この桜庭さんはそういう思いを何度もしているそうだ。 桜庭さん、、、私は残...
読んでいてドキッとした。 「誤読」がテーマになったからだ。 悪意ではなく、思い違いで、思い込みで、あるいは斜め読みのせいで、 誤読をする。 誤読するだけなら罪はないが、それをブログに書く、著者に意見する、 この桜庭さんはそういう思いを何度もしているそうだ。 桜庭さん、、、私は残念ながら存じ上げなかったのだが、 読み進めていて初めて女性であることに気づいた。 冒頭から、どうやって作家になっていったかを、 なんだかモジモジと?表現しているなー、 この新書、この調子で読み進められるのかなー、と思ったのは、 勝手に作者が男性と思い込んでいたから、どいう部分もあろう。 女性と気づくのと「誤読」を読んだのがどっちが先かは忘れたが、 そこからは読み方が変わった。 誤読。 私もしているかもしれない。 こうしてブクログとアメブロに読書感想をアップし、さらにXにリンクを貼っているのだが、 時に作者に失礼をしているかもしれないのだ。誤読をして。 悪意を持って感想を書いたことはないつもりだが、無意識の誤読から勝手に論を起こしたものも あるかもしれない。 何と言ってもその数1200以上。 時には作者から「いいね」をいただいたり、お礼のメッセージをいただいたりしているが、、。 失礼のないことを、作者を気づ着けていないことを祈るばかりだ。 それを認識させてくれただけでも、この新書には価値がある。 それとは別に、、、 やはり自分も本を書いてみたいな。人を励ますようなものが。 はじめに 第一章 本を出したらどうなる? 1 まったく売れていないようだ 2 誰にも読まれていないようだ 3 じわじわ読まれはじめたら? 4 文壇で評価される/されない 5 読者に理解される/されない よもやまばなし① 第二章 読者との理想的な距離感 1 誤読されたら 2 読まずに批判されたら 3 ファンがアンチになったら 4 ファンがストーカーになったら 5 作品と作者は別なのか? 6 社会問題を小説に書くこと 7 二次創作はありか? よもやまばなし② 第三章 批評との共存の仕方 1 冷笑されたら 2 なぜ論理のない批評に傷つくのか 3 圧のあるベテラン小説家になったら 4 誤読されたら 5 なぜ誤読に傷つくのか 6 間違いを指摘しにくいと思ったら 7 差別されたら 8 なぜ差別に傷つくのか 9 批評が嫌いになりそうになったら 10 小説家が差別するとき よもやま話③ 第四章 ファンダムと生きてゆく 1 作者=神になったら 2 作品ごと軽蔑されたら 3 ファンが批評を叩いていたら 4 思想は隠してと言われたら 5 「あなたが推しです」と言われたら おわりに
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小説家として、自作品を読まれる覚悟が、確かに書かれていた。 web記事やブログを書く者にも通ずる、読まれる覚悟が書かれているものと思い込んで読み始めてしまったので、結構違った。 小説家の立場が書かれている。 でも、自分が考えたこともない領域のことが書かれていて、新鮮だった。 作...
小説家として、自作品を読まれる覚悟が、確かに書かれていた。 web記事やブログを書く者にも通ずる、読まれる覚悟が書かれているものと思い込んで読み始めてしまったので、結構違った。 小説家の立場が書かれている。 でも、自分が考えたこともない領域のことが書かれていて、新鮮だった。 作品の誤読と解釈の自由の境目とか、考えたこと無かった。 批評文も読んだことないから、どんな批評ならOKで、どんな批評は一線を超えてしまっているのかも、初めて考える機会になった。
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