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バブル兄弟 の商品レビュー

4.3

10件のお客様レビュー

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2025/08/30

裕福な家庭に生まれ、慶応幼稚舎から慶応大学に進み、兄は電通、弟は日本航空という当時の超一流企業にコネで就職。その後、兄はスポーツマーケティング界の重鎮に、弟は「環太平洋のリゾート王」とまで称されるようになる。兄の有力者とコネを作り、資金を集めてイベントを仕掛けていく仕事のやり方は...

裕福な家庭に生まれ、慶応幼稚舎から慶応大学に進み、兄は電通、弟は日本航空という当時の超一流企業にコネで就職。その後、兄はスポーツマーケティング界の重鎮に、弟は「環太平洋のリゾート王」とまで称されるようになる。兄の有力者とコネを作り、資金を集めてイベントを仕掛けていく仕事のやり方はまさに昭和の電通のイメージを絵に描いたようなものだが、日本サッカーの発展やワールドカップ、五輪招致などに功績があったのも事実。ただ、そのやり方は令和の時代には汚職という形で指弾されるものであり、認識が変えられなかったのであろう。弟は長銀が金をつけなければあそこまでの事業拡大はできなかっただろうし、ある意味無計画な事業拡大はいずれ破綻していたのではないかと思う。

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2025/09/07

バブル兄弟とは言い得て妙。 NET(今のテレ朝)の役員にもなった父から兄弟を幼稚舎から慶応に入れて、コネで電通とJALに入ったものの弟はバブル経済絶頂の中不動産を担保にホテルを買いあさりリゾート王を夢見る。 要領のいい兄は金満の弟から80億もの金を借りて、副業したり電通の組織を巧...

バブル兄弟とは言い得て妙。 NET(今のテレ朝)の役員にもなった父から兄弟を幼稚舎から慶応に入れて、コネで電通とJALに入ったものの弟はバブル経済絶頂の中不動産を担保にホテルを買いあさりリゾート王を夢見る。 要領のいい兄は金満の弟から80億もの金を借りて、副業したり電通の組織を巧みに泳ぎ、スポーツビジネスという得意領域を開拓していく。 ビジネスの才覚はあったものの哲学のない弟は、バブル経済の崩壊と共に取引銀行から資金回収、管理と容赦ない仕打ちを受ける。特に長銀(これ自体も破綻するが)の対応はえげつないほど。 そして彼がオーナーだった信金組合の破綻でそのビジネスモデルのリスクの高さが露呈し背任罪として逮捕され獄中の人となる。 ここまでは当時もニュースで報道された面で、本書では保釈以降の民事・刑事裁判の戦いと再びホテルを買収しリゾート王の夢を復活させようとする中で急死するまでのドラマは知らなかった。 また順調に順調に電通内で専務まで出世し、日本のスポーツビジネスで権威となった兄が得意な世界での極みであるオリンピックで理事となりみなし公務員の自覚が乏しくスポンサーらからの贈収賄事件の被告として逮捕されたのは皮肉だ。 コロナ禍での東京オリンピックでの延期をめぐってのバッハ会長らとの軋轢など、誇大化するスポーツビジネスのリスクも描かれ興味深い。 もっとポン友のJOC会長竹田の事件のついても突っ込んだ記載があってもよかったのでは?と思った。

Posted byブクログ

2025/08/03

二人の兄弟が主人公 いずれもバブルと共に興り、そして沈んだのが共通点。スケールは日本国を揺るがすほど大きかった。ただものではない。 慶應附属から慶應大を卒業して、兄は電通、弟は日航。それだけで日本のトップセレブである。その二人が同じようにバブルを謳歌し、そして滅んだ。すごい物語で...

二人の兄弟が主人公 いずれもバブルと共に興り、そして沈んだのが共通点。スケールは日本国を揺るがすほど大きかった。ただものではない。 慶應附属から慶應大を卒業して、兄は電通、弟は日航。それだけで日本のトップセレブである。その二人が同じようにバブルを謳歌し、そして滅んだ。すごい物語である。閉塞感に満ちた現代からするとワクワクするところもあるがね所詮は「カネの話」 1980年代、弟「高橋治則」は「イーアイイー」による世界不動産投資を進め、ファイナンスを支えた長銀とともにバブルの海に沈んだ。損失額は2兆円とも。 2020年代、兄「高橋治之」は「電通」による東京オリンピック利権を采配し、汚職事件に連座した。安倍総理の懇願によるものだけに、彼の暗殺が誤算。 そしてもう一人、弟高橋治則の義父「岩沢靖」 1970年代の相場師、仕手戦で鳴らし滅んだ。 一方で、北海道の実業家として、金星ハイヤーの起業から身を起こし、札幌トヨペット、札幌大学、北海道テレビ放送の企業グループを築き上げた大実業家でもある。これら企業も岩沢に準じて破綻に直面し、その後再生の道を歩んだ。

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2025/07/30

2025.07.30 まだ生きている人の評伝は難しいと思わされる一冊。弟は亡くなっているだけに、その思いをより強くする。 本書ではマスコミでは「大騒ぎ」したけど、その実情を正確には覚えていない2つの疑獄事件について詳述した良書。バブルの匂いがよく伝わる。 ここからは、個人的な感...

2025.07.30 まだ生きている人の評伝は難しいと思わされる一冊。弟は亡くなっているだけに、その思いをより強くする。 本書ではマスコミでは「大騒ぎ」したけど、その実情を正確には覚えていない2つの疑獄事件について詳述した良書。バブルの匂いがよく伝わる。 ここからは、個人的な感想。 貴重な情報源だからしかたないのかもしれないが、弟の愛人と兄の2人には憤りを感じざるをえない。 罪は全部「弟」にひっかぶせて、兄も愛人も「弟」をしゃぶりつくした。そのことに恥じ入る様子もなくのうのうと生きていると思うと正直腹が立つ。兄は刑事犯として有罪かどうかより、人として終わってる。愛人も然り。 そして、「電通」と「慶應」という組織に属する人間には親和性が高いのだと思う。 双方とも仕事や勉強という中身ではなく、ウェットな「義理と人情」の人間関係だけで生きている。 だからこの両方の組織には「勉強ができる」「仕事ができる」といった属性の人間が飛び込むことはオススメできない。両方とも「まとも」「地道」なところではない。

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2025/07/13

イ・アイ・イと聞いて懐かしいなぁと思っていたら、東京五輪汚職(?!)の渦中の方と兄弟だとこの本を読んで知った。 いわゆるドキュメンタリ。 私は面白くて一気に読んだ。

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2025/06/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

p47 塾高で目立つのは、やはり幼稚舎から普通部に進んできた連中です p50 治則 退学 世田谷学園へ 曹洞宗 p82 治之 電通の高橋 1978 セイコー・スーパー・テニスやサッカーの国際親善試合ジャパンカップ(のちのキリンカップ)を手掛けた p254 2002 ワールドカップ 大韓サッカー協会会長 鄭夢準 鄭の父 鄭周永 88年下記五輪大会を名古屋とソウル市で争った際、名古屋市遊離の下馬評を資金力にモノを言わせた猛烈なロビー活動で覆し、見事ソウル開催を勝ち取った功労者 バーデンバーデンの奇跡 日本のスポーツ外交の失敗を象徴する事件として語り継がれている p273 長銀の融資先が破綻した場合などに国(預金保険機構)が債権を簿価で買い戻す瑕疵担保特約 p318 安倍「大丈夫です。絶対に迷惑がかからないようにします。それは僕が保証します。」時の首相からお墨付きを得たことで、治之は招致委員会のスペシャルアドバイザーに就任した。 p340 治之とセイコーの創業者一族である服部家は、京王人脈で結びついている p344 治之 OPLLで手術 p346 呪われた五輪と揶揄された東京大会は、国内スポンサー68社から史上最高額の3760億円を集めたが、一方で支出額1兆4238億円という空前の巨費が投じられた p369 福翁自伝 世の中に何が怖いといっても、暗殺は別にして、借金ぐらい怖いものはない 他人に対して金銭の不義理は相すまぬことと決定すれば、借金はますます怖くなります p372 人は人生の難局に直面すると、自らのルーツに還り、人生の答え合わせをしたくなるものなのかもしれません。 治之 五輪の仕事は本意でなかったが、晋三が守るということで、参加。晋三の死亡の後、起訴

Posted byブクログ

2025/06/01

雲の上の話すぎて実感は湧かなかったが、インタビューなり調査なりに基づいた非常に濃い内容だった スポーツの世界は金と欲望にまみれていると思っていたが、やはりそうなのだなと思わせる。 あと、ここに書いてある慶應人脈の凄さを見ても、一流大学に通うメリットを感じる。

Posted byブクログ

2025/05/02

この連載を読むためにだけ週刊文春を開いていた時期があります。ジャニーズ関係や松本人志関係などの文集砲が炸裂していたのとダブっている記憶があるのですが、その時は現在進行形の事件より、このちょっと過去のこの兄弟の物語(兄・治之の裁判は進行中だったものの…)の方が印象深かったようです。...

この連載を読むためにだけ週刊文春を開いていた時期があります。ジャニーズ関係や松本人志関係などの文集砲が炸裂していたのとダブっている記憶があるのですが、その時は現在進行形の事件より、このちょっと過去のこの兄弟の物語(兄・治之の裁判は進行中だったものの…)の方が印象深かったようです。読み落とした週もあるので、ずっと単行本になるのを待っていました。一気読みすると改めて、この兄弟の諸行の濃度にぐったり疲れます。その原因は時代の欲望の深さだったり、日本という国のシステムの薄さだったり、人間の愚かさへの絶望感だったり…もしかしたらこの物語を読んで衝撃を受けている自分という存在の小ささについての自嘲なのかも。いかんいかん。そんなこと言っていると弟・治則のプライベートジェットに乗りたがっている輩みたいではないか…取り込まれないようにしないと。政治と金融とビジネスが狂い咲いた時代のやりたい放題ブラザーズ。プロレスだったらすごいヒールで人気になりそうだけど、この兄弟の現実の社会に大ダメージを与えた罪は重い気がします。バブルという特殊な時期の象徴ではなく、治則のリゾート開発は昭和という時代の終わりの始まりを表し、治之のオリンピックビジネスは終わりの終わりを表すように思えました。いや、今、開催中の国家イベントを横目で見ると、終わっていないかも。

Posted byブクログ

2025/01/14

とても興味深いものでした。 高橋治則氏が治之氏の弟だったとは… バブルの二信組事件が強く残ってたので、治之氏の方は、国家プロジェクトなんだから、賄賂が横行するのは当たり前。電通って変わってないよなってイメージでしたね。 バブル兄弟、タイトル素晴らしいです。

Posted byブクログ

2024/12/12

【狂乱のバブルが生んだ最後のアンチヒーロー 】裕福な家庭に生まれ、慶応から一流企業へとエリートコースを進んだ兄と弟。2人はなぜ、そろいもそろって塀の向こう側に落ちたのか。

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