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スクリーンのなかの障害 の商品レビュー

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2025/11/22

映画で描かれる「障害」がどのように描かれてきたか、それによってどのような視点や問題点を浮き彫りにしてきたかを検証し、今後どのような視点から論じることができるのかについて書かれた一冊。 「障害者は保護される者、障害は個人の問題である」という前提で捉えられる医学モデルと、「障害は個...

映画で描かれる「障害」がどのように描かれてきたか、それによってどのような視点や問題点を浮き彫りにしてきたかを検証し、今後どのような視点から論じることができるのかについて書かれた一冊。 「障害者は保護される者、障害は個人の問題である」という前提で捉えられる医学モデルと、「障害は個人の問題ではなく、障害者にとって不利益をもたらす社会的システムの瑕疵が問題である」と捉える社会モデルの二つの軸をもとに、映画がどのようなまなざしで作られたかを分析している。 また、「分かりあうこと」や「共生」という言葉が包括する暴力性や、覆い隠してしまうことについても書かれている。 健常者から見えるもの、感じたもので作られてきた「障害」が実際に障害を持つ人たちからどう違和感をもって見られているのか、という点が興味深かった。 また、最後の章の健常者が障害者を演じることについて「是非」を問うのではなく「可否」について論じることが、今後の障害を扱った映画を作る上で新たな可能性を開く出発点となるのではないか、という問いかけはとても刺激的だった。 障害、コミニュケーションの分野にあまり詳しくない自分でもわかりやすく書かれている良書。とはいえ一度読んだだけでは「理解」に到底届かないので、もう一度、もう二度、見返したい本である。

Posted byブクログ

2025/05/22
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※このレビューにはネタバレを含みます

代表的な映画で障害者がどのように描かれているかを説明した本である。博士論文の一部というようにしている。レインマンでは障害と特殊能力が描かれている。「コーダ あいのうた」さえ見たことがないので、ほんの僅かのことしか具体的には理解できていない。しかし、障害児教育ということでは映画を見せながら議論させることが教育的効果があると思われる。

Posted byブクログ

2025/02/20

うーーん。現代の【多様性】の難しさの粋を集めたような内容だった。「多様性」「理解」「共生」…あらゆるマジックワードに隠される権力性を暴いていくような。 しかしどうしても一人では判断できない本だった、気がする。 理解/共感すること、それ自体が健常者(の社会)に回収されるための装置と...

うーーん。現代の【多様性】の難しさの粋を集めたような内容だった。「多様性」「理解」「共生」…あらゆるマジックワードに隠される権力性を暴いていくような。 しかしどうしても一人では判断できない本だった、気がする。 理解/共感すること、それ自体が健常者(の社会)に回収されるための装置というのはわかる。多様性はあくまで社会が承認する(←これ自体が権力の行使である)ものだけが受け入れられる現代社会を批判している、これも分かる。 「障害者の私」は【障害者】なのか【私】なのか、ここがわからなかった、、のかもしれない。(バリバラの演技セッションの話はわかりそうだった。) 本質主義と相対主義の危ない綱渡りのような感じがした。「健常者と障害者を本質的に違う=分かり合えない存在」と「みんなどこかおかしい、みんなちがってみんないい的個別主義=障害を隠蔽する"多様性"」 理解しようとするけど、理解されることを拒むような。どちらにも転落しないバランス感覚。 でも、そんな方法ってある?っていうのが、一人では判断できない部分だったのかも(?) 障害を排除せず、隠蔽せず、無視せず、理解せず。 もう一度、演技(とそれにまつわる多様性)について考えたくなった。

Posted byブクログ

2024/12/23

「シナリオ的にどう扱われてきたか」に留まらず、それを演じる人やスクリーンを見つめる我々観客まで射程を広げた一冊で、めちゃくちゃ面白かった。 わからない→わかる できない→できる の心地よさに個別の経験や構造的な問題が覆い隠されてしまう点は確かに、、という感じ。 障害者個人では...

「シナリオ的にどう扱われてきたか」に留まらず、それを演じる人やスクリーンを見つめる我々観客まで射程を広げた一冊で、めちゃくちゃ面白かった。 わからない→わかる できない→できる の心地よさに個別の経験や構造的な問題が覆い隠されてしまう点は確かに、、という感じ。 障害者個人ではなく社会の側の問題としても捉える在り方は、最近観たドイツ映画「ぼくとパパ、約束の週末」にすごい重なるなと思って読んでいた。 いわゆる当事者キャスティングがなぜ必要なのかってとてもとても腑に落ちるので、映画の作り手も観客もみんなにおすすめ

Posted byブクログ