アウシュヴィッツの父と息子に の商品レビュー
2025年1月27日で、アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所が解放されて80年になる。 本作は、5年半に渡る強制収容所での過酷な労働と虐待・虐殺から生き延びた親子、父グスタフの当時の日記と息子フリッツの回顧録を元に小説化した紛れもない実話。 強制収容所では日記の存在がバレると即...
2025年1月27日で、アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所が解放されて80年になる。 本作は、5年半に渡る強制収容所での過酷な労働と虐待・虐殺から生き延びた親子、父グスタフの当時の日記と息子フリッツの回顧録を元に小説化した紛れもない実話。 強制収容所では日記の存在がバレると即刻殺される危険があった。 ナチスが強制収容所の設立に着手し始めたころ、グスタフとフリッツはブーヘンヴァルト強制収容所に送られる。その後、多くの劣悪な収容所を経て悪名高いアウシュヴィッツへ。 このとき、息子フリッツは収容所内で技術的な労働を得ていたため、比較的安全な位置に身を置いていたが、父がアウシュヴィッツ送りになることから周囲の反対を押し切って父と一緒にアウシュヴィッツに行くことを決める。 最初期から収容所に行くことになった彼らを追うので、迫害がエスカレートしていく過程、そして壊滅していく様が分かります。
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読み終え、どうしようもないいかり、悲しみ、魂が震える 色々調べる 戦争とは→国家などの政治集団が、特定の目的を達成するために武力を用いて争うこと。 平和とは→戦争のない、いじめ暴力のない、「家族や友人と笑顔で過ごせる日常」 非人道的な扱い→拷問や強制労働、意図的な殺害 グスタフ...
読み終え、どうしようもないいかり、悲しみ、魂が震える 色々調べる 戦争とは→国家などの政治集団が、特定の目的を達成するために武力を用いて争うこと。 平和とは→戦争のない、いじめ暴力のない、「家族や友人と笑顔で過ごせる日常」 非人道的な扱い→拷問や強制労働、意図的な殺害 グスタフとフリッツが受けた扱い 非人道的な扱い。 ティンが最後まで子供達の将来、不安を取り除こうと懸命に働きかけたこと、以前読んだ「流れる星は生きている」と重なる。子を思う親心は今も昔も同じ。 そんなティンの最期、泣いた 身近で人の死しかもユダヤ人への大量虐殺(ジェノサイド)を見、アウシュヴィッツより生きて帰ることのできた二人、当時ヨーロッパにいたユダヤ人の3分の2にあたる約600万人が犠牲となった。生き延びた彼らの貴重な証言で「ホロコースト」真実を知る事ができる。
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368頁の大作。タイトルで、第二次世界大戦のドイツの話とわかる。 オースリア在住のドイツ国籍ユダヤ人の父息子、あれよあれよと状況が悪くなり収容所に送られる。長女はかろうじてイングランドへ脱出。幼い次男は一人アメリカ大陸へ。オーストリアで残る母と次女は、行方不明に。 父と息子は...
368頁の大作。タイトルで、第二次世界大戦のドイツの話とわかる。 オースリア在住のドイツ国籍ユダヤ人の父息子、あれよあれよと状況が悪くなり収容所に送られる。長女はかろうじてイングランドへ脱出。幼い次男は一人アメリカ大陸へ。オーストリアで残る母と次女は、行方不明に。 父と息子は、支え合うことでかろうじて生きる希望を保ち、なんとか生き延びることができた。 父グスタフの隠し持ち続けた手帳の内容と息子フリッツの証言などを元に、小説の様なノンフィクションが書き上げられた。 読んでいる途中、涙は出ない。リアルな描写が衝撃的すぎて哀しみさえどこかへ消え去る。主人公たちと同様に死に対して麻痺し、無力な自分に無気力になる。 彼らがどうやって生き延びたのか。知恵と判断力と運、敵味方関係ない心遣いと友情。 2024年、戦後およそ80年の今になり日本では出版された。永い時間を経て書くことができたからなのか、世界が危うい今だから意図して出版されたのか。
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※このレビューにはネタバレを含みます
登場人物や読者である私の哀しみや怒りの感情が激しく揺れ動き、実話で無ければよかったのに、と何度も思いました。 私はホロコーストの映画を拝見し、その歴史に興味を持ち、書店で本作品を購入することにしました。 映画やニュース、歴史の授業などではその時代を生きていない人によって悲惨な出来事が伝えられますが、この本ではグスタフの日記や、フリッツによる記録で、彼らの心情や生き方が鮮明に伝わったため、かなり精神を抉られるような作品でした。 そして、二度とこんな事があってはいけないといつも以上に思いました。 ドイツに占領される前まで平和に暮らしていたウィーンのユダヤ人家族が、そう時間も経たないうちに酷い宿命を背負わされるだなんて…。 ただでさえ人は震災や病気、事故などで常に明日死ぬかもしれない状況なのに、最悪な独裁者によって故意に大量虐殺されるだなんて絶対に避けたい出来事でした。 そのため、自分たちを守るためにも政治に関心を持ち、やばい奴を上に立たせないように考えないといけないとも思いました。平和な日本に住んでいても、決して他人事ではありません。 また、私は学生時代にあまり勉強をしてこなかったので、歴史や地理などが非常に勉強になりました。 作中では、ソ連軍やアメリカ軍、その他ヨーロッパ諸国が沢山登場しますが、どのような位置関係なのかを調べながら読むと理解が追いつき、より作品を楽しむことができました。 また、オーストリアやドイツの中の細かい地名をことある事にGoogleマップで検索し、彼らが「どこからどこに移動したのか」を知ると、何度も出てくる地名の場所は覚えるようになり楽しめます。 反対に、細かく位置が分かってしまうからこそ、かなり信憑性を帯びていて、ものすごく悲しくなります。 例えば、グスタフとフリッツが初めて収容所に入れられる日、列車から降ろされるなり何kmも走らされている場面がありました。 降ろされた場所とその収容所を検索してみると、本当におぞましい距離を走らされていたんだなと実感します。 クルトが渡米する時、海の上から小さくなるヨーロッパ諸国を眺めるシーンなんかは、地理的位置関係を見ると感情移入することができます。 印象的な人物は、ドイツの民間人であるヴォッヒャーです。 少し前まで戦いの前線にいて、アウシュヴィッツでの現状をよく知らなかった彼の素朴な疑問が素敵でした。 フリッツに対して「君はなんの罪を犯したのかい?」というようなことを聞き、アウシュヴィッツは罪人だけが入れられるところだと思っていた彼。 フリッツの「僕はユダヤ人ですよ?」に対して、「関係なくない?罪もないのに」 というような発言をしたことに感動しました。 反ユダヤ思想を持つ頭のおかしいドイツ人だらけの環境で唯一の光でした。 SSのスパイ疑惑があるためフリッツが偽の住所を書き、「手紙を届けて欲しい」とヴォッヒャーに頼んだ時、住所が存在しなくて怒りながら帰ってきたことも印象的でした。 周りのSSや反ユダヤ思想をもつ者が劣悪すぎて、もはやヴォッヒャーは私の中で愛くるしい存在です。 この作品で一番好きな人物になりました。 一方で、ネットが無い時代だと本当に何も伝わらないんだなと怖くなりました。 ユダヤ人への強制労働や虐殺に関してはさすがに噂が立っていましたが、侵攻したソ連軍などが収容所でそのままになった死体の山積みを発見して初めて世界で話題になり、「ここまで酷いとは思わなかった」ということでした。 この時代だからこその欠点だったと思います。 その後、衰弱したドイツを攻めるソ連軍などによってとうとう収容所が占領下になった時のユダヤ人の解放の瞬間も印象的で、この本でなければ伝わらない状況が詰まっていました。 解放の瞬間、SSもろとも管理下になってしまった収容所にて、SSが発砲をした時に「撃つな!」と管理側に言われていました。 その時にユダヤ人達がSSに襲いかかり、何人も殺し、その死体もSSに運ばせるという仕打ちをしていました。 SSには当然の報いですが、一方でこれが戦争の終わらない理由か、とも思いました。 家族を何人も殺され、不名誉を強いられ、自分だけが生き残った彼らに感情や衝動を抑えろと言う方が難しいです。 その心は経験した者にしか分かりません。 彼らの心情や行動は読者の理解を超えています。追いつくことができません。 そのはち切れそうな人数の膨大な憎悪がページに詰まっていました。 どこに行っても学ぶことのできない感情でした。 ティニやヘルタは残念でしたが、解放後に皆が再開できたところや、グスタフとフリッツの笑顔の写真を見て涙が出ました。 内容が濃すぎてもっと言いたいことがありますが、これで終わりにします。
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※このレビューにはネタバレを含みます
ユダヤ人の収容所経験を書いた手記は多数あるけど、これほど長く収容所で生きながらえた人は他にいないのではないか。しかも親子で。母と次女は行方の分からぬままなのが気の毒だけど、長姉と末子が外国へ行けたのは本当に良かった。戦後、父と兄と弟が再会したもののぎこちなかったというのはとてもわかる。見てきたものや聞いたものが全然違うと共通の話題はないし、父と兄にしても思想が変わってしまえば会話には細心の注意が必要になる。 しかし、戦争に国家としての勝敗はあろうが、本当の勝者は生き延びた個人だと私は思う。 余談:戦時中ユダヤ難民を入国禁止にした世界各国がヨーロッパ解放後の現状を知った時の衝撃は想像がつくし、その贖罪の気持ちがイスラエル独立承認で、パレスチナ戦争、現代のガザの惨劇につながると思うと、本当に欧米人罪深いし学ばないし近寄らんでくれという気持ち。
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CL 2024.12.8-2024.12.12 ホロコーストのことを少しは知った気でいてもこの作品を読むとその過酷さに言葉を失う。これがノンフィクションとは。 それにしても、イスラエルが今戦争の当事者であることが残念でならない。
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圧倒された。感想を言いたいのに、言葉が出てこない。もどかしい。 うまく言えないので苦し紛れに、映画を引き合いに出す。 映画『ナワリヌイ』を見たときと、よく似た感情だと思う。 「あまりにすごすぎて…本当にフィクションじゃないの⁈」 これだ。 すべて読み終えてからはじめの方のページに...
圧倒された。感想を言いたいのに、言葉が出てこない。もどかしい。 うまく言えないので苦し紛れに、映画を引き合いに出す。 映画『ナワリヌイ』を見たときと、よく似た感情だと思う。 「あまりにすごすぎて…本当にフィクションじゃないの⁈」 これだ。 すべて読み終えてからはじめの方のページに戻り、家族写真を眺めた。泣けた。
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これはフィクションではない。 フィクションであればどれほどよかったことか。 そう思わずにはいられないほどに、あまりに苛酷で悲惨で恐ろしい物語。けれど人間の強さと温かさも再確認させられる作品だった。 400ページに迫る分量と、私の苦手な翻訳ものであるにもかかわらず、さして時間もか...
これはフィクションではない。 フィクションであればどれほどよかったことか。 そう思わずにはいられないほどに、あまりに苛酷で悲惨で恐ろしい物語。けれど人間の強さと温かさも再確認させられる作品だった。 400ページに迫る分量と、私の苦手な翻訳ものであるにもかかわらず、さして時間もかからずに読了できた本作は、それくらい圧倒的な父と子の物語だった。自分の苦手さを感じさせてくれないくらいに翻訳もよかったのだろう。 ホロコーストについては、これまでもいくつも本を読んできているので、おおよそのところは知っているつもりだが、それでもその残酷さには幾度も打ちのめされたし、そんな中でも生き抜いたこの父子の生命力にも驚嘆した。そして、ホロコーストを知ると、ナチス側のすべての人物が、非道で荒々しく冷酷であるかのような錯覚をしてしまうが、必ずしも毎回、例外なく残酷非道にふるまったかというとそういうわけでもなく、中には人間らしいふるまいを忘れなかった人物がいたことも、いくつもの作品を読むなかで知りえたことでもある。 本作でも、確かに戦争という愚かすぎる政策によって、本来の人間らしさをどこかにおいて来たり、そうせざるを得ない状況に追い込まれたりしているであろう状況はある。もちろん、そもそもそんなものを持ち合わせていたのかどうかも怪しいくらいの人間も存在しているのだが、そんな中でも、想像に反して即座に殺処分にはしなかったり、収監者への温情をみせる人物もいないわけではなかった。そういう事実に触れれば触れるほど、いかに戦争が馬鹿げていることかと改めて考えさせられる。それらの人々は、この状況でなければこうはならなくて済んだはずなのに。 同時に、これほどの苛酷な状況、しかも先の見えない、毎日が絶望と極限の状況の中、生き延びることのできる人間の強靭さを思うと、いのちの持つ力強さにも深く心を打たれる。希望を持ち続けること、そばに寄り添ってくれる人の存在、それがどれほど人を力づけてくれることか。そしてそれらがなくなった時、どれほど人の生きる力を奪い去ってしまうことか。 この数奇な運命を生き抜いた父子は、後年、寿命を全うして亡くなられたよう。他の家族もなかなかに長生きされたようだったので、もともと強靭な体力のある家系だったのかもしれないが、奇跡ともいえる生還を果たした彼らが残した歴史の貴重な資料に触れることができてよかった。 彼らが命がけで後世に伝えようとしたすべてを、この世界に生きる人々すべてに知ってもらいたい。
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1938年、ナチス・ドイツによるオーストリア併合。翌39年10月、ユダヤ系である故に、父グスタフと長男フリッツが、ブーヘンヴァルト強制収容所への送還を皮切りに、アウシュヴィッツ(オシフィエンチム)、マウトハウゼン、ベルゲン₌ベルゼンなど複数の絶滅収容所への移動を強いられながら、5年半もの年月を生きぬいた親と子の奇跡の足跡を、実話と史料にに基づき語られた『飛蝗の農場』の作者による驚愕のノンフィクション。…〝新しい年が来たが、この世界は変わらず、季節が過ぎ去って人の命が日々消えてゆく。焼却場からの煙が凍てつく空気を漂い、収監者たちの鼻孔に未来の自分の臭いを運んでくる〟〝隣の絶縁体工場で働くポーランド人の中には、灯火管制工房のユダヤ人収監者に、こっそりパンやジャガイモをくれる人もいた...そういう気遣いは素晴しいが、何千人もが物資を必要としている状況では、あまりに量が少なかった。ベーコンのようにコシェルでない食べ物も、正統派ユダヤ教徒の多くを除けば、みな有難く受け取った。みな、厳格な信仰はとうの昔に捨てていた。ユダヤ人を気にかける神がいるとは思えなくなり、宗教を完全に手放した者もいる〟…人間の尊厳を破壊しつくしてもなお、戦争の惨劇を繰り返してやまぬ、罪深い悍ましき人間の存在に打ちのめされる。世界平和とは?人間の幸福とは?…
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