藍を継ぐ海 の商品レビュー
各地域の伝承や伝統などを繋ぐ人に焦点をあてた短編集。どれも繋ぐことに一生懸命というか真摯に向き合う登場人物が素敵で心温まる印象でした。
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それぞれの土地に伝承されている事柄ついてまとめた優しい小説。田んぼ道や海辺など静かでどこか懐かしい風景を思い浮かべながら読み進めていく物語。
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伝統とか継承とかそんなテーマのそれぞれ独立した短編集。面白くてどんどん読み進めてしまうというのではなく、品があって良いお話という感じ。直木賞受賞という事で頑張って三遍だけ読んだ。
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陶芸、狼、原爆、隕石、海亀といった現在の人間の生活にほぼ役立たないものを情熱をもって探究する人たちを主人公とした短編集。彼らはだいたい世間に評価されなくても、自分の探求に意味があるとは思っている。しかし、最後、確信がもてず、故郷から旅立つかどうか迷う主人公の話で締めるのがよかった...
陶芸、狼、原爆、隕石、海亀といった現在の人間の生活にほぼ役立たないものを情熱をもって探究する人たちを主人公とした短編集。彼らはだいたい世間に評価されなくても、自分の探求に意味があるとは思っている。しかし、最後、確信がもてず、故郷から旅立つかどうか迷う主人公の話で締めるのがよかった。あと、問題はこれらが実在のものを題材にしたフィクションであることだ。その虚構化もセンス次第なのだが、原爆が題材になると、安易に感動ポルノに仕立てているように思えた。現実にはあそこまでうまく史料が残り、発掘されることはないだろう。
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優しい話が多くてほこほこしました。 登場人物はみんな想像しやすく、読みながらすぐに頭の中でイメージが出来て、キャラが勝手に喋ってくれるので、脳内擬似アニメーションを見てる感覚でスイスイ読めます。 中でもお気に入りはやっぱり藍を継ぐ海かな。
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短編で読みやすい。 心情描写は特別細かいわけではないからこそ、物語の空気感や温かさを感じられる。 各地の歴史や科学という切り口で生まれる物語はどれも優しかった
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目から始まり、耳、鼻、口、感触、 五感で感じる風景の描写が細かくて正確でやけに多い作品だなと感じた。 でもしっかり目と頭で追うと、その景色の光の加減や匂い、季節、そこまで受け取ることができて、 まるでどこでもドアのよう。 それが味でもあり、 私は想像力を駆使して読む方なので頭が...
目から始まり、耳、鼻、口、感触、 五感で感じる風景の描写が細かくて正確でやけに多い作品だなと感じた。 でもしっかり目と頭で追うと、その景色の光の加減や匂い、季節、そこまで受け取ることができて、 まるでどこでもドアのよう。 それが味でもあり、 私は想像力を駆使して読む方なので頭が忙しく、 寝る前に読むには若干体力が要る。。 日本の田舎に残る、 誰も気付いていないけど美しい自然・文化を、 短編ごとの登場人物の心と重ね合わせて 緻密に表現されているのが印象的。 行ってみたいなと素直に思った。 他の方のコメントを見ると、 共感する方が多いのですね。 都会出身者はピンと来なかったな。
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CL 2025.2.4-2025.2.5 直木賞受賞の短篇集。 伊与原新さんの作品は硬質で優しい。 都会ではない街や村に住むありふれた人たちを主人公に、歴史や自然や科学を題材にして少し成長する姿を描き出す。 祈りの破片が一番心に残る。短篇なのにこんなにも深い感動。
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地元である長崎の話は、涙を溢れさせながら読み進めました。学生の頃は、こんなところ早く出て都会に行きたいと思ってばかり。だけどやっぱり、あの日になると長崎のことに思いを馳せます。読みながら、その日と同じ感情になりました。これは長崎で生まれ育った者だけが味わえる感情なのかもしれません...
地元である長崎の話は、涙を溢れさせながら読み進めました。学生の頃は、こんなところ早く出て都会に行きたいと思ってばかり。だけどやっぱり、あの日になると長崎のことに思いを馳せます。読みながら、その日と同じ感情になりました。これは長崎で生まれ育った者だけが味わえる感情なのかもしれません。久しぶりに長崎市に帰りたくなりました。素敵なお話でした。
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行ったことないのに、その土地のその情景が脳裏に浮かぶ。そして、悩める主人公はどれも私だ。負い目やコンプレックスは、出会いと学びで溶解する。知性と優しさ溢れる五篇。ビーチコーミングって何かロマンある。
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