森にあかりが灯るとき の商品レビュー
なかなかに辛い介護の現場を、それでもあかりを灯そう、希望を見つけようとする物語。 看護師経験のある作者だけに、リアルな介護の現場が伝えられているように思う。 『ここまで介護職員を責め立てるのなら、もう二度と、自分の家族やあなた自身が施設に入ることはないですよね』 プロローグから...
なかなかに辛い介護の現場を、それでもあかりを灯そう、希望を見つけようとする物語。 看護師経験のある作者だけに、リアルな介護の現場が伝えられているように思う。 『ここまで介護職員を責め立てるのなら、もう二度と、自分の家族やあなた自身が施設に入ることはないですよね』 プロローグから重い。 本編で登場する特養スタッフたちは、元お笑い芸人の星矢、二児の母の古瀬、何か信念を感じさせる医師葉山や施設長福見など皆レジリエンスが高そうなのだが、徐々に疲弊し、肉体的、精神的に追い詰められていく。 それでも介護職に就く意味を考え、希望を探る。 介護の問題を少しだけ自分事として考えることができました。 藤岡陽子さんの作品は「満天のゴール」に続いて2作目。「満天」も過疎地の訪問医療や在宅看護など終末医療に関わる作品でしたが違う系列の作品もあるみたい。今度読んでみようと思います。
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森鴎外の訳「日の光を籍(か)りて照る大いなる月たらんよりは・・・自ら光を放つ、小さな灯火たれ」p274
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老人養護施設の話。訴えられた経験を持つ福見の気持ちは医療従事者としてよくわかる。でもそのトラウマが原因でスタッフを追い詰めてしまうのが、なんか痛々しい。とはいえすごく前向きに終わったのが素晴らしい。よく着地させたものだと思う。 特別養護老人ホームで、介護士だった福見節子は他の利...
老人養護施設の話。訴えられた経験を持つ福見の気持ちは医療従事者としてよくわかる。でもそのトラウマが原因でスタッフを追い詰めてしまうのが、なんか痛々しい。とはいえすごく前向きに終わったのが素晴らしい。よく着地させたものだと思う。 特別養護老人ホームで、介護士だった福見節子は他の利用者に呼ばれてしまったために数十分目を離してしまった。その隙に脳出血で倒れられてしまい、訴えられた。 第1話 お笑いを目指してきた星矢は、今は星あかりという介護施設で介護をしている。恋人の未奈美の部屋に行くと、相方の太尊がいた。彼はまだYouTubeなどでお笑いを続けている。恋人に別れようと言われる。何をやっても報われない。 第2話 2人の子持ちの好美は出勤するだけで一苦労。好美は介護施設の看護師だ。夫は家事も育児もしないくせに外に飲みに行っている。子供が育ったら離婚すると決めていた。 第3話 星矢は浜本さんの鼻カニューレを切ったと思われている。今日は全体会議におっさん議員が来て、日本の介護業界の現状について話していった。恋人の未奈美には仮病とか居留守を使われる。医師の葉山に連れられて最先端の特養を見に行く。面白かった。まだ諦めていないんだなと思った。 第4話 葉山彩子は介護施設の常勤医である。今の介護施設が旧態然としていると思っている。今の施設の延命至上主義には疑問を抱いている。そうこうしているうちに浜本さんの鼻カニューレを切った人物が浮かび上がる。 第5話 福見は同じ劇団に所属していた箕輪の助演女優賞お祝いパーティーに出席した。福見は自分が施設長としてよくやってきたと思っている。延命至上主義で何が悪い。仕事をするのは生きていくためだ。それ以外の理由はもう思い出せない。 第6話 星矢はあと1週間でかこの施設を去る。公園で弁当を食べていたら、医師の葉山が声をかけてきた。カニューレを切った犯人を聞いたことを伝える。利用者の桐谷さんのところに振込め詐欺がかかる。息子は着信拒否にしてあったのを忘れたようだ。警察を呼び対処する。
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藤岡先生の本を久々に読んだ 先生の本は、私が読んだ全ての本が、読後必ず心が温まる 介護士さんや看護師さんは、ほんと並大抵の意思では出来ない職業だと思う 介護はやってみた事がない人には、わからないと思う やったことがない人に限って、口先ばかりの事を言う この本を読んで、なお一層、介...
藤岡先生の本を久々に読んだ 先生の本は、私が読んだ全ての本が、読後必ず心が温まる 介護士さんや看護師さんは、ほんと並大抵の意思では出来ない職業だと思う 介護はやってみた事がない人には、わからないと思う やったことがない人に限って、口先ばかりの事を言う この本を読んで、なお一層、介護士さんのお仕事に感謝しかないと思った
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施設長の立場、看護師の立場、介護士の立場からそれぞれが理想と現実で揺れ考えさせられる 介護の現場では介護される側本人にとって何がいいか、よりその家族が希望することに偏りがちである また施設にとっても理不尽な家族からの訴えなどの経験があると看取りも責任が伴い判断が難しい 文章...
施設長の立場、看護師の立場、介護士の立場からそれぞれが理想と現実で揺れ考えさせられる 介護の現場では介護される側本人にとって何がいいか、よりその家族が希望することに偏りがちである また施設にとっても理不尽な家族からの訴えなどの経験があると看取りも責任が伴い判断が難しい 文章もボリュームがあり読み応えがある 葉山のような理解のあるお医者さんに出会えると嬉しい ロボットができるところは働いてもらって介護士さんたちの負担が減ることを望む
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初読の作家さん。テンポがよく、文章もお上手で、介護の世界にもかなり精通されているのかなと思い、調べたら、元記者で現看護師兼作家とのこと。多彩すぎる。生半可な気持ちではつとまらない介護士だが、それでもやはり働いている当事者にしか味わえない介護士のやりがいがある。介護施設の中での日常...
初読の作家さん。テンポがよく、文章もお上手で、介護の世界にもかなり精通されているのかなと思い、調べたら、元記者で現看護師兼作家とのこと。多彩すぎる。生半可な気持ちではつとまらない介護士だが、それでもやはり働いている当事者にしか味わえない介護士のやりがいがある。介護施設の中での日常を美化しすぎず、かといって、嫌なところばかりに焦点を合わせるわけでもなく、一日また一日と時が流れていく描写がとても面白かった。素敵な作家さんと巡りあえた。おすすめ!
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特別養護老人ホーム「森あかり」の介護現場のお話 元お笑い芸人の新人介護士と、そこで働く医師、施設長、利用者さんやその家族とさまざまな視点からの介護について描かれています 過酷な労働環境や本人の望まない延命治療、介護認定など気になるところがたくさんありました。 介護は多くの人が通...
特別養護老人ホーム「森あかり」の介護現場のお話 元お笑い芸人の新人介護士と、そこで働く医師、施設長、利用者さんやその家族とさまざまな視点からの介護について描かれています 過酷な労働環境や本人の望まない延命治療、介護認定など気になるところがたくさんありました。 介護は多くの人が通る道、考えさせられました
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売れないお笑い芸人から介護士になった星矢。特別養護老人ホーム「森あかり」で働きはじめ、介護の仕事の現実に直面していく。 綺麗事だけでは済まされない、介護の現実が物語に反映されています。そのため、楽しいだけの話ではありません。現実の重さにしんどくなるような描写もあります。しかし、...
売れないお笑い芸人から介護士になった星矢。特別養護老人ホーム「森あかり」で働きはじめ、介護の仕事の現実に直面していく。 綺麗事だけでは済まされない、介護の現実が物語に反映されています。そのため、楽しいだけの話ではありません。現実の重さにしんどくなるような描写もあります。しかし、そこに微かにでも希望を見出せるような光を灯してくれているのが、藤岡陽子さんらしい作品だなと思いました。 看護師として働いていると、特養ほどではありませんが、介護の仕事も担います。その身体的な負担感はよくわかりますし、命を預かるという重大な責任に押しつぶされそうになる時もあります。星矢が、新人の頃の自分と重なって見え、それも合わせて感慨深い小説でした。
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お笑い芸人になる夢が破れ特別養護老人ホーム『森あかり』で働く新人介護士の星矢を主に、施設の医師葉山彩子、施設長の福見節子の立場の違う3人の視点から介護とは、生きることの意味とはと、問われている気がする。 私も周囲に要介護や認知症の家族がいるので、とても興味深いことである。 人に迷...
お笑い芸人になる夢が破れ特別養護老人ホーム『森あかり』で働く新人介護士の星矢を主に、施設の医師葉山彩子、施設長の福見節子の立場の違う3人の視点から介護とは、生きることの意味とはと、問われている気がする。 私も周囲に要介護や認知症の家族がいるので、とても興味深いことである。 人に迷惑をかけずに生きていくとか、自分も周りも幸せだったと思える最期を迎えたいとか、誰でも思うことではないか。 老いても人間の尊厳は失わずにいたいと思ってしまう。 寝たきりになって、自分の意思を伝えくことができなくなったら、命を絶ってほしいと頼む浜本さん、胃ろう(お腹に穴を開け栄養を流し込むこと)をしたくない、静かに逝かせてほしいと願う倉木さん、回復する見込みのない人たちの意思を尊重することが一番大事なことなのか、延命することだけが大事なことなのか、考えさせられる。 『延命至上主義、それが今の日本の介護現場を逼迫させ、そして将来的に崩壊させる原因になることをなぜ真剣に、切実に、問題視しないのだろう…』 もともと看護師である作者の言いたいことが伝わって来る。 介護現場では介護士の給料も安く重労働、人手不足も深刻な問題である。 だが、未来に希望がないわけではない。 作品の中に、介護用の人間型ロボットや介護のデジタル化を研究しているという話も出て来る。 将来実用化して、若い人たちのパワーも集まってくれば、介護の現場も変わっていくかもしれない。 誰もが安心して老後を送れるように、一人一人の気持ちに寄り添った社会になってほしいと願う。
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これはもう将来介護に進みたい人におすすめしたいです。終末期医療ってその人の最期をどう考えるかで延命も変わる。その人らしい最期をと願うのか、経管栄養で延命するのか、その人と家族の考えを尊重しながら進めていくのが理想。しかしいざその時になると延命しないならば施設受け入れ困難という事態...
これはもう将来介護に進みたい人におすすめしたいです。終末期医療ってその人の最期をどう考えるかで延命も変わる。その人らしい最期をと願うのか、経管栄養で延命するのか、その人と家族の考えを尊重しながら進めていくのが理想。しかしいざその時になると延命しないならば施設受け入れ困難という事態にもなっている。その人らしい最期をどう迎えるかは施設と利用者及び家族と十分に話し合って行く必要がある。 介護ロボットが当たり前に導入されてほしい。いつも事故と危険合わせで介護士休まる暇がない。
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