森にあかりが灯るとき の商品レビュー
/_/ 感想 _/_/_/_/_/_/ 仕事の合間のお昼休憩に読むような作品ではないですね。とても重いものがドッシリとのしかかってくる感じです。 生の終わり、死との向き合い、、 この物語を通して、生きていくことを、深く考えさせられました。 何かの志を持...
/_/ 感想 _/_/_/_/_/_/ 仕事の合間のお昼休憩に読むような作品ではないですね。とても重いものがドッシリとのしかかってくる感じです。 生の終わり、死との向き合い、、 この物語を通して、生きていくことを、深く考えさせられました。 何かの志を持って生きている人をみると、すごいと思います。それが物語の中でも、同じようにすごいと感じるので、この物語に出てくる強い志を持った人達を見ていて、とても、すごいなと、感じるのと同時に、大きな感動をもらいました。 その一方で、、、 物語の中では、他人の評価は関係ない… なんて、言葉が出てくるんですが、それは違っているかなと。 頭の良い、悪いは、他人の評価でしかない… と、別の本に書かれていたように、他人の評価によって、いろいろ決まっていくものは多いです。 その点だけは、ちょっと違うかなと、思いましたが、それ以外は、物語に入り込むことができました。 ほんと、考えさせられるものが多くて、 「この国ではいつから、口から食べ物を摂取できなくなった人に、人工的に栄養を体内に流し込むことが当たり前になったのだろう」という言葉とか、ほんと、重いものが多かったです。 /_/ あらすじ _/_/_/_/_/ 介護の世界を通じて、生きる人達たち、それぞれにスポットを当てた作品。 介護される身になった人や、 介護する立場になった若者や、 長年介護に関わってきた人、 いろんな人の生き方を見ることができます。 /_/ 主な登場人物 _/_/_/ 【森あかり 施設】 溝内星矢 29歳 堀江 星矢の職場の先輩 福見節子 54歳、施設長 葉山彩子 あやこ、医師、さいこ(あだな) 古瀬好美 二児の母 【その他】 日高奏輔 元森あかり、経営者 【友達】 太尊 星矢の友達 未奈美 星矢の彼女
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藤岡陽子さんの新作ということで手に。 藤岡さん、現役看護師とのことでさすが。 福祉施設のリアルが生々しく描かれている。 現場のスタッフの日常から様々な思いまで。 こんなにも厳しい現場となると、離職率が高いことも理解していただけると思う。 この本には登場していないけれど、 202...
藤岡陽子さんの新作ということで手に。 藤岡さん、現役看護師とのことでさすが。 福祉施設のリアルが生々しく描かれている。 現場のスタッフの日常から様々な思いまで。 こんなにも厳しい現場となると、離職率が高いことも理解していただけると思う。 この本には登場していないけれど、 2025年現在、施設での介護現場は外国人労働者なしでは成り立たない状況だ。 ただ、こんな殺人事件のようなことは滅多に起きないし、訴訟があることも稀だ。 理不尽な訴訟に怯えながら働いている現場スタッフは多いかもしれないけれど。 そして、葉山彩子のように「人間」を診ている医師が施設にいることも稀だと思う。 こんな医師がいれば、現場のモチベーションはぐっとよくなるはず 私としては森あかりの施設長 福見節子が気になりつつの読書だった。 若かりし頃、訴訟になるほどの事故を経験し、20年後は施設の利用者と職員を守るために施設長としてマニュアル遵守に必死。 いつしか、利用者を守ることと、想いを汲み取ることの乖離に悩まされる。 「日の光を籍りて照る大いなる月たらんよりは 自ら光を放つ、小さな灯火たれ」 節子がこのセリフを思い出した時、 施設での暮らしも悪くない そう思う老人が増えたら… と願っていたことを思い出したなんて。 私自身、なぜ医療福祉の現場にいるのか 思い出せなくなる時がある。 施設に長く働く者は皆同じかも。 それでも、辛い現場になんとか残っているのは 暗やみの森を彷徨う人のわずかな灯火でいられること それが自分自身の心の灯火でもあるからなのかも そんな介護現場の過酷さ 政治家や役所のお偉い方々に知ってほしい。
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介護ってその人の人生の終焉を どうするかってことでもあるものね。 介護する側される側、その家族 それぞれの思いもあり本当に難しい。 介護士さんをあかりと例えるのは素敵。
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介護のあり方や介護士の働き方について随分考えさせられる内容。 介護施設に求められているのはパーフェクトな介護。 何かあると裁判沙汰になったりする。 介護に取り組む人達に希望があって欲しい。 介護について知らんぷりは出来ないとつくづく思う。
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著者の本は初めてだったが、リアルな介護の現場や、登場人物たちの人生が上手く絡まっていて、一気読みしてしまった。介護職についた人は3年以内に7割が辞めるということだが、さもありなんという過酷な現場がよく書けていると思う。 著者は、新聞記者をしたのち、看護師の資格をとり、脳外科病院で...
著者の本は初めてだったが、リアルな介護の現場や、登場人物たちの人生が上手く絡まっていて、一気読みしてしまった。介護職についた人は3年以内に7割が辞めるということだが、さもありなんという過酷な現場がよく書けていると思う。 著者は、新聞記者をしたのち、看護師の資格をとり、脳外科病院で働いていたということで、医療の専門用語なども的確に出てきて、リアルさがより感じられた。 しかし、そういう過酷な仕事のなかにも、胸がいっぱいになるような、利用者の心温まるエピソードもちりばめられている。 介護士の方たちが、最新の機械などを使って、余裕を持って働けるようになることを祈ってます。私たちのためにも。
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実は、日常には小さな奇跡や思わぬ感動が溢れている。周りは気づかないけれど、当の本人はその小さな奇跡や感動をちょこちょこと目の当たりにして、受け止めて、自分に染み込ませたり乗り越えたりして生きている。そんなことを思わせるのが藤岡陽子さんの作品だなぁと感じます。 今回は介護士のお話...
実は、日常には小さな奇跡や思わぬ感動が溢れている。周りは気づかないけれど、当の本人はその小さな奇跡や感動をちょこちょこと目の当たりにして、受け止めて、自分に染み込ませたり乗り越えたりして生きている。そんなことを思わせるのが藤岡陽子さんの作品だなぁと感じます。 今回は介護士のお話でした。介護のお仕事は経験が無く周りにも介護士がいないので、初めて聞くこともあったけれど、本当にもっと大切にしなきゃいけないお仕事だなと改めて感じました。この作品を読み始めてから、テレビやYouTubeで介護士の方を見るとなんだか身近に感じたし、応援したい気持ちが自然と湧き出ました。 わたしはまだ人間の介護は経験ありませんが、犬の介護ならほんの少し経験があって… 読んでいて、これは動物にも言えることだなと思う部分がいくつもありました。延命治療については特に。命は長さではなく中身や終わり方が大事だと考えていたので、同じような事が書かれていて共感しかなかったです。葉山先生や日高さんの考え方は今後の日本にとても重要になってくると思います。 藤岡さんは今回で3作品目でしたが、毎度のことながら『日常』を感動的なものとして作品にするのがお上手で、読み始めた瞬間に作品の世界観にすぐ入れちゃう。やることがあったり寝なきゃいけなかったりで途中で読むのを止めても、再開した時にはまた一瞬で没入できちゃう。 また今回も素敵な作品を読ませていただきありがとうございました♪ あと!個人的に装丁が素敵でした。文庫化の際はこのままの装丁でぜひお願いしたいなぁと思います!
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初読みの作家さん。とっても良かった‼️ 介護士として特別養護老人ホームで働く青年を軸とした連作短編というか長編というか。ひたむきに戸惑いながらも介護の実態に立ち向かっていく姿に共感することしきり。仕事に対しての熱量の維持は難しい。介護の世界ならなおさらかと思う。未来の介護のお話が...
初読みの作家さん。とっても良かった‼️ 介護士として特別養護老人ホームで働く青年を軸とした連作短編というか長編というか。ひたむきに戸惑いながらも介護の実態に立ち向かっていく姿に共感することしきり。仕事に対しての熱量の維持は難しい。介護の世界ならなおさらかと思う。未来の介護のお話がとてもよかった。
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介護施設内での人間模様と介護についての現代と希望。 超高齢社会に向けて、こうなっていけばいいなという希望が描かれている。 今後、高齢者が凄まじく増えていく。 高齢者だらけになり、介護される人たちとする人たちとのバランスは崩れるのは目に見えている。 延命治療もどこまでやるのか...
介護施設内での人間模様と介護についての現代と希望。 超高齢社会に向けて、こうなっていけばいいなという希望が描かれている。 今後、高齢者が凄まじく増えていく。 高齢者だらけになり、介護される人たちとする人たちとのバランスは崩れるのは目に見えている。 延命治療もどこまでやるのか。 この本の前に『人はどう死ぬのか』(著者 久坂部羊)を読んだばかりなので、そういうこともある程度理解できた。 医療が発達しすぎて、本来ならそのまま死ぬはずのところを管を通したりして生かし続ける。 人間らしく生きるとはどういうことなのか。どこまでなのか。 尊厳死、安楽死。 こういったものもなかなか認められないけど、自分なら選択肢としてあればいいなと思う。 自分のやりたいことはできるうちにチャレンジして、死が近くになってきた時には十分生きることができましたって思えるように生きないとなぁと思う。
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特別養護老人ホームが舞台のお話し、介護現場のあるあるが伝わってきました。 星矢ってキラネームの元お笑い芸人の新人介護士が現場の仕事に翻弄されながら、利用者たちに誠実に向き合っていく姿が印象的でした。20数年間の経験から事なかれで施設を運営する施設長のプライドと、新風を吹き込み真摯...
特別養護老人ホームが舞台のお話し、介護現場のあるあるが伝わってきました。 星矢ってキラネームの元お笑い芸人の新人介護士が現場の仕事に翻弄されながら、利用者たちに誠実に向き合っていく姿が印象的でした。20数年間の経験から事なかれで施設を運営する施設長のプライドと、新風を吹き込み真摯に向き合う女性医師の葉山彩子、クールでかっこいい。ここらのやりとりも必見でした。延命至上主義VS自然看取り主義。 また、介護の未来を支えるであろう支援ロボットの開発とか目まぐるしく、YouTubeとか演劇、介護認定度詐称に特殊詐欺、家族問題も散見してドラマ仕立てのメガ盛でした。 で、利用者さんの心境は「不自由な体で暗い森の中を歩いてる」ようだと印象的に響きました。 そんな中に見える光はひと筋の支えであると。 決して抜け出すことのできない森を彷徨うなかどんな終焉を臨むのか、どんな光を見つけるのか、一概に答えが見つかるものでもないけれど染み込んできました。
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いつかする介護、いつかされる介護。 介護士は大変だなと思ってはいたけど、こんなに大変で責任重大だとは‼ 新人介護士の溝内星矢が軸となって話が進んでいきました。 辛くキツイ仕事ではあるけれど、やり甲斐や喜びもあるのがわかりました。 実際の介護現場でどれ位、ロボットが実用されて...
いつかする介護、いつかされる介護。 介護士は大変だなと思ってはいたけど、こんなに大変で責任重大だとは‼ 新人介護士の溝内星矢が軸となって話が進んでいきました。 辛くキツイ仕事ではあるけれど、やり甲斐や喜びもあるのがわかりました。 実際の介護現場でどれ位、ロボットが実用されているのかわかりませんが、介護士の方が続けていける様な現場であって欲しいです。 いつの日か家族という立場でお世話になった時、お任せしっぱなしという事はしない様にしたいと実感しました。 そして、自分がお世話になる時、感謝の気持ちを持ちたいと思いました。
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