さいわい住むと人のいう の商品レビュー
人生は一度きりで、やり直しはできないのだから、過去の選択を悔いても仕方がない。そうわかってはいても、過去の選ばなかった選択肢にふと思いを馳せることがある。今の人生が『ハズレ』だなんて思っていないけれど、より良い人生があったかも、と心のどこかで考えているのだろうか。この本の姉妹を見...
人生は一度きりで、やり直しはできないのだから、過去の選択を悔いても仕方がない。そうわかってはいても、過去の選ばなかった選択肢にふと思いを馳せることがある。今の人生が『ハズレ』だなんて思っていないけれど、より良い人生があったかも、と心のどこかで考えているのだろうか。この本の姉妹を見てそんなことを思った。
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姉はどこまでも姉で妹は妹。 2人姉妹とはこういうものなのかもしれません。 それぞれ大人になっても幼い頃の関係のまま。 特に姉は大人になっても小さい妹のままのように思ってしまうのでしょうか。 豪邸の螺旋階段が象徴的で そこて2人は理想の家を見つけたのでしょうか。 百合さんはどこ...
姉はどこまでも姉で妹は妹。 2人姉妹とはこういうものなのかもしれません。 それぞれ大人になっても幼い頃の関係のまま。 特に姉は大人になっても小さい妹のままのように思ってしまうのでしょうか。 豪邸の螺旋階段が象徴的で そこて2人は理想の家を見つけたのでしょうか。 百合さんはどこまでも強くてしなやかで 最後は姉を守る立場になって もう少し生きていたかったのでしょうね。 祐太郎と千絵さんが幸せそうで良かった。
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タイトルはカール・ブッセの詩、上田敏の訳 『山のあなた』より…の筈 映像が見えるような丁寧な見えるものの描写 なのに 見えない心の描写はあえて何か隠されてる? 文体はとても読みやすい 終盤、涙が出てきて 何かが琴線に触れたのだろう ジェットコースターな展開なし サスペンス...
タイトルはカール・ブッセの詩、上田敏の訳 『山のあなた』より…の筈 映像が見えるような丁寧な見えるものの描写 なのに 見えない心の描写はあえて何か隠されてる? 文体はとても読みやすい 終盤、涙が出てきて 何かが琴線に触れたのだろう ジェットコースターな展開なし サスペンス?って言えば、う、うん…? 現在から過去に遡る手法は目新しいものでもない ただ 心から離れない作品 それだけだ
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二人住まいの老姉妹が、豪邸で時を同じくして亡くなった。 二人の正反対の生き方を、20年ごとに遡りながら進む物語。 題名のさいわい住むと人のいう、 詩の引用ということで、読み進める中で意味を調べると、なるほどそうか、とわかったような、 話を読んでいくと、もっと深くて広い意味に感じ...
二人住まいの老姉妹が、豪邸で時を同じくして亡くなった。 二人の正反対の生き方を、20年ごとに遡りながら進む物語。 題名のさいわい住むと人のいう、 詩の引用ということで、読み進める中で意味を調べると、なるほどそうか、とわかったような、 話を読んでいくと、もっと深くて広い意味に感じて安易に納得できないような。 『山のかなた』という詩、 山のかなたには幸福があると誰かがいっていた、 私も探しにいったけれど見つからず涙ぐんで帰ったら それでもずっと遠い空の彼方まで行けば、幸福はあるのだと、人はいう。 自分の選んだ道は幸せか、相手の道はハズレではないか、そんな思いのまま80歳になるまで、ぎこちなく支え合いながら生きてきた二人。 闘って、幸せを手に入れる、という姉、 不幸に見えるかもしれない私の半生の中にも幸せがある、と言い切る妹。 いよいよ亡くなる、という時の、 姉の「遠くまできてよかった」 妹の「日々のなかに幸せがあったはず」 二人の幸せのあり方は違うけれど どちらの人生も、懸命で、人間くさくて… 終盤からラストにかけて、 家族の最期や自分の最期についても思いを巡らせて涙が出てきた。 幸せは、勝ち取るのか、生き抜いた先の、遠くにあるのか… 日々の生活のそこかしこの、身近にあるのか… 姉の桐子の自立した生き方に強さを感じるのも確かだけれど、 不幸だと言っていいのも幸せだといっていいのも自分だけ、と強く言い切る妹の百合子もまた強い。
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よくわからないが、読み終えたときに涙が出た。歳のせいか、涙腺が弱ったのか。 その人にとっての幸せとは何か。他人が決めることではないし、もしかしたら、自分でもわからない。 それでもひたすらに、前を向いて生きていく。
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ポプラの新人賞。アタリの確率高い。ほのぼのとした気持ちで読了。「誰かの傘の下」でいいじゃないか。なぜそこまで、姉妹2人だけの理想の家にこだわるのか理解出来なかったが、ストンと腑に落ちた。まっすぐな生き方、真似できない。
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豪邸で亡くなっていた二人の老姉妹。地域の名士として知られ、二人きりで暮らしていた二人に一体何があったのか。 サスペンス仕立てなのかと思いきや、普通に(?)二人の半生を描いた物語だった。 戦争孤児になり、親戚の家を転々とし、日々を乗り越えて、二人は夢の家を手に入れる。2人の幸せはど...
豪邸で亡くなっていた二人の老姉妹。地域の名士として知られ、二人きりで暮らしていた二人に一体何があったのか。 サスペンス仕立てなのかと思いきや、普通に(?)二人の半生を描いた物語だった。 戦争孤児になり、親戚の家を転々とし、日々を乗り越えて、二人は夢の家を手に入れる。2人の幸せはどこにあったのか。 同じ女性として色々考えさせられる部分も多かった。 二人が最後が穏やかであったなら良かったと思う
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※このレビューにはネタバレを含みます
80歳の老姉妹が亡くなった。二人で暮らすに至った軌跡を20年ごとに遡っていきながら現在の結果というものに思いを馳せる。彼女たちはどちらが貧乏くじを引いたのだろう、果たして幸せだったのか?と問いかけるミステリーとも言える。 自分の家を建てるという目的にまっしぐらな姉のその性格で沢山の教え子たちを導いたところや妹の押し付けられたばかりで無い人生の夫との温かい時間など、しみじみ感慨深い。
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桐子さんと百合子さん姉妹。 何が幸せなのか・・・ どっちも幸せかも、と思う。 そしで終の棲家としての豪邸での暮らしは、間違いなく「さいわい」。 印象的なのは、百合子さんの夫。 今で言う自閉酢ペクトラム。自閉症の人が、作業所に通いながら、親兄弟以外と、こんな日常を過ごせたことに驚...
桐子さんと百合子さん姉妹。 何が幸せなのか・・・ どっちも幸せかも、と思う。 そしで終の棲家としての豪邸での暮らしは、間違いなく「さいわい」。 印象的なのは、百合子さんの夫。 今で言う自閉酢ペクトラム。自閉症の人が、作業所に通いながら、親兄弟以外と、こんな日常を過ごせたことに驚愕。 これは生家の経済力と、孤児の面倒を見た、という特殊な状況があってこそだが、その中で幸せを感じている百合子さんが印象的。 そしてDVのリアル。 祐太郎はその父の血が流れていることを危惧していたが、悲観することはないと思う。 桐子の同僚を通して、女性の生きづらさがいろいろ見えているが、すこしずつではあるけれど、時代は変化していることも実感した。まだまだだけどね。
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御殿のような屋敷に住む、香坂姉妹。 元教師の桐子と専業主婦の百合子の人生が 現代と過去を行き来しながら語られる・・・ そこにチラッと顔出しした人々とも思わぬ縁があって・・・ という、心温まる物語。 おもしろいから一気読みできるのだけれど・・・ 残らない。面白かったよね、と言う記...
御殿のような屋敷に住む、香坂姉妹。 元教師の桐子と専業主婦の百合子の人生が 現代と過去を行き来しながら語られる・・・ そこにチラッと顔出しした人々とも思わぬ縁があって・・・ という、心温まる物語。 おもしろいから一気読みできるのだけれど・・・ 残らない。面白かったよね、と言う記憶だけ。 高齢の姉妹の章が読ませ処であろうに、物足りない。 一方で、おそらく作者と同世代であろう、若い母親や教師、専業主婦を 描くと惹きつけられる。 自分がシニアになったおばちゃんのイヂワルな見方かな。 間違いなくストリーテラーなので 今後に期待して♫
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