香君(1) の商品レビュー
上橋菜穂子氏の新作長編ファンタジー。 香りで万象を捉える「香君」が影響力をもつ国と勇敢な一人の少女の物語。 国と文化と歴史が緻密な上橋ファンタジーの今回の題材は作物と蝗害。 国の豊かさに直結する作物に関して深堀った本作は上橋ワールドの相性は抜群。 魅力的だかどこか不気味なオ...
上橋菜穂子氏の新作長編ファンタジー。 香りで万象を捉える「香君」が影響力をもつ国と勇敢な一人の少女の物語。 国と文化と歴史が緻密な上橋ファンタジーの今回の題材は作物と蝗害。 国の豊かさに直結する作物に関して深堀った本作は上橋ワールドの相性は抜群。 魅力的だかどこか不気味なオアレ稲を巡って国内の政から周辺国との国交、さらには未開の地の未知の生物まで拡張されていき、次々と展開が進んでいく構造は見事、この没頭感が上橋作品の一つの大きな魅力に思えます。 登場人物も言わずもがな魅力的、目的は明確かつ同じであるにも関わらず、それに対する手段や考え方は人や立場によって異なるという部分を、国の歴史や背景から違和感なく表現しているのは流石のひと言。これがあるから上橋作品は止められない! どうか皆様もとある国の自然との戦いを、そして一人の少女の奔走と成長を見届けてみていかがでしょうか?
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上橋菜穂子さんの作品初めて読んだ。導入が思ったよりも地味で集中力続くかな?と不安だったけど読み進めるうちに世界に色が着いていく感覚がする。
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アイシャが話す時「え、」からはじまるセリフが多いのが気になってダメだった。他にも戸惑いを表す表現がありそうなものなのに。
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最初の数ページでグイッと物語に引き込まれた。 そしてそのまま勢いで最後まで読んでしまった。 ド派手な演出はないけれど、どんどん伏線が張られていく感じがたまらない。 最近わくわくしてない人にオススメしたいファンタジー。 2巻は既に買ってある。
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この本を初めて手に取ったのは、まだ単行本で出版されたばかりの頃だった。 けれど、そのとき私は買わなかった。 当時の私は「本を買う」という行為に満足してしまっていて、 その先にある「読む喜び」を見失っていたからだ。 だからこそ、上橋菜穂子さんの本をそんな自分の手で扱うことが、 どこか申し訳なく思えたのだと思う。 あれから数年がたち、 もう一度「物語」に触れたいという想いが静かに胸に芽生えた。 そのとき自然と思い出したのが、この『香君』だった。 ――物語の幕開けは、追われる少女の姿から始まる。 アイシャ。旧藩王の血筋を理由に命を狙われ、捕らえられた少女。 彼女を救ったのは、利用価値を見出した男マシュウだった。 マシュウの親族を名乗り、庭園に身を寄せたアイシャは、 そこで現香君・オリエと出会う。 やがて心を許し、庭園での苦しみを打ち明け、 オリエと共に山荘で日々を過ごすことになる。 一方で、オアレ稲の問題が動き出す。 初代香君の思想を探るカシュガ家の姿が描かれ、 物語は少しずつ、香君という名の重さを浮かび上がらせていく。 その中で、心に深く残った言葉がある。 草木の植え替えをしたアイシャに向けて、オリエが言う。 「ここで暮らすことは、草木にとってだけでなく、あなたにも残酷なことね。」 その一言に、私は胸を打たれた。 「感じる力があるということは、苦しさとも共に生きること」―― そう思っていたアイシャに、 オリエはそっと「生きやすい場所を選んでもいい」と伝える。 その言葉の中に、柔らかな優しさと、生き方の自由が感じられた。 けれど同時に、私は思う。 その優しさは、オリエ自身が“香君”という重い立場から逃れ、 穏やかな時間を与えられていることと無縁ではないのではないか、と。 オリエはアイシャが本当の香君であると知っていたのか。 それとも、マシュウの面影を重ねていたのか。 時間が彼女たちの想いを引き継いでいるのかもしれない。 今の私は、オリエの優しさをただの「優しさ」として受け取れない。 どこかで疑い、ためらう自分がいる。 それはきっと、私自身が人の心を疑うことを覚えてしまったからだろう。 それでも、オリエの言葉が純粋な慈しみであることを信じたい。 その思いを胸に、 私は次の巻へと静かにページをめくっていこうと思う。
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優れたファンタジーであり、SFでもある 香りを通して、植物のケミカルメディエーターでのコミュニケーションを物語に取り込み、モノカルチャー、虫害など時代を先取りするような問題も見事に扱っている 登場する国々の文化、風習、言葉まで緻密なハイファンタジーとして作りこみながら、「樹々たちの知られざる生活」のような最新の研究成果が無理なく融合している 過酷な序章であり、今後も大きな問題に直面することが予想される展開ではあるが、前作の鹿の王とは違って少女が主人公であり、陰鬱になりすぎないのが個人的にも好みで、続きが気になる
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上橋さんのお話はファンタジーなのに現実感があります。登場人物に生活感があるのです。食べて寝る、その日々の中の生活が私達と変わらないのです。だから、世界観の違う空間にあってもその中に入っていけるのだと思います。優しい、オリエとアイシャ、これからどうなるか、始まったばかりです。これか...
上橋さんのお話はファンタジーなのに現実感があります。登場人物に生活感があるのです。食べて寝る、その日々の中の生活が私達と変わらないのです。だから、世界観の違う空間にあってもその中に入っていけるのだと思います。優しい、オリエとアイシャ、これからどうなるか、始まったばかりです。これからの危機を二人がどうするか楽しみです。
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たぶんアジア、古代くらいの世界観なのかな。 少女の冒険目当てで読み始めたんだけど、農政の話がかなり具体的でおもしろい。まだ本当に序盤で、これからどんどん話が広がっていくのだろう。はやく次巻を買いに本屋さんに行かなきゃ!
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上橋菜穂子さんの作品が大好きな母のおすすめで手に取った作品。 視覚よりも香りによって、世界を鮮明に感じることが出来る少女アイシャが、帝国の神である香君として崇め奉られている少女オリエと出会うまでが一巻。 出てくる登場人物の名前や、帝国の仕組み、帝国と藩王国の関係性など、覚える...
上橋菜穂子さんの作品が大好きな母のおすすめで手に取った作品。 視覚よりも香りによって、世界を鮮明に感じることが出来る少女アイシャが、帝国の神である香君として崇め奉られている少女オリエと出会うまでが一巻。 出てくる登場人物の名前や、帝国の仕組み、帝国と藩王国の関係性など、覚えるべきことが少し複雑で最初は混乱するが、読んでいるうちに慣れてくる。 まだまだ物語は序章。
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読みやすい。馴染みのない名前を覚えるのがちょっと大変だけど、主要人物一覧も概略地図もある親切設計なので問題ない。次巻も楽しみ。
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