これが最後の仕事になる の商品レビュー
「これが最後の仕事になる」から始まる短編集。縛りがあって、短編で上手くまとめるの難しいよね。これを面白い展開に持っていく作家の腕が試される。
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『黒猫を飼い始めた』『嘘をついたのは、初めてだった』に続く第三弾。 会員制読書クラブ「メフィストリーダーズクラブ」のショートショート企画の作品を加筆修正したもの。 今回は「これが最後の仕事になる」の一行から始まる全24篇収録。 第三弾も人気作家さんが勢揃い。 1行目は同じで...
『黒猫を飼い始めた』『嘘をついたのは、初めてだった』に続く第三弾。 会員制読書クラブ「メフィストリーダーズクラブ」のショートショート企画の作品を加筆修正したもの。 今回は「これが最後の仕事になる」の一行から始まる全24篇収録。 第三弾も人気作家さんが勢揃い。 1行目は同じでも、展開は千差万別。 掌編小説には切れ味の鋭さを求めてしまうがどの短編も粒揃い。 特に印象に残った作品は 「親友 /秋吉理香子」 「教壇にて/河村拓哉」 「最後の告知/真下みこと」 「闇バイト/柿原朋哉」 「まだ間に合うよ/金子玲介」 「あの人は誰/麻見和史」
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最初の一行は全員同じ。『これが最後の仕事になる』 この一文から始まり、ストーリーの流れは作者それぞれ。短編の中にその人らしさが凝縮されていて、気になる作家さんが見つかった。(今回は多崎礼氏目当てで購入) 私は ほのぼの系や、切ない中にも希望や暖かさが有る話が好きなので、以下の話が...
最初の一行は全員同じ。『これが最後の仕事になる』 この一文から始まり、ストーリーの流れは作者それぞれ。短編の中にその人らしさが凝縮されていて、気になる作家さんが見つかった。(今回は多崎礼氏目当てで購入) 私は ほのぼの系や、切ない中にも希望や暖かさが有る話が好きなので、以下の話が特に好き。 ⚫︎秋吉理香子『親友』 ⚫︎多崎礼『海月祭をもう一度』 ⚫︎岸田奈美『声』
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
どんな仕事をしていて、どんな事情で最後にするのか?いつの話なのか、どこの話なのか?読みながら遡って探っていくような感覚が面白い。作家さんによって「最後の仕事」ということばからイメージするストーリーが違っていて特徴が出る。読んだことのない作家がほとんどだった。この短い文章で唸らされると他の作品も読んでみたくなる。正直に言えば理解できない話も2、3あった。 以下、特に面白いと感じた話。 ●存在の耐えられない軽さ 小川哲 読書好きの青年。暇つぶしが得意なことが求められる往復15年のミッション。メカトラブルで、サンプルを射出した後は宇宙を漂いながら読書三昧。「火星の人」のような生への執着がまったくないのが潔い? ●声 岸田奈美 憧れを持って看護助手になるが、半年働いても名前も呼ばれない。おしゃべりが多くて手が遅いことを注意される。患者の声の返事を書く役になる。早く終わらせて元の仕事に戻ろうとやり出すが3日目で心が折れる。どうせ最後の仕事だし、誰も読んでないし、勢いに任せて返事を書いていたら、「楽しみにしています、誰が書いているのですか?」という投書が。気が変わるか? ●従業員が告発!ペットショップという名の地獄 真梨幸子 利益第一主義のペットショップでのペットの扱いに疑問を持って辞めようと決める。犬の話だったんじゃ? ●電子の赤紙 三上幸四郎 街づくりの設計をしている男。ITの力を期待されて召集。停戦中の相手国へのサイバー攻撃でシステムを混乱させ、間接的に人を殺した。その後元の仕事に戻るが、創造よりも破壊に目覚めてしまうのか? ●まだ間に合うよ 金子玲介 付き合い始めから結婚、不妊検査、離婚申出、不和、そして離婚、という流れを短い文章で淡々と書かれている筆力が高い。離婚届が最後の仕事。間に合うのか?
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感想 なんとなく明日も続く気がする。だけどピリオドはやってくる。その日にせめて笑っていられるように。後ろを振り向かなくてもいいように。
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