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中学生から知りたいパレスチナのこと の商品レビュー

4.6

21件のお客様レビュー

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2025/01/02

自分の〔無知〕〔低関心〕を思い知らせてくれる本。 第二章の「ある書店主の話-ウクライナとパレスチナの歴史をつなぐもの」では東欧ユダヤ人系住民の生涯を知る。 同じく第二章の「食と農を通じた暴力-ドイツ、ロシア、そしてイスラエルを事例に」では食の金融化と飢餓の武器化が今も繰り返されて...

自分の〔無知〕〔低関心〕を思い知らせてくれる本。 第二章の「ある書店主の話-ウクライナとパレスチナの歴史をつなぐもの」では東欧ユダヤ人系住民の生涯を知る。 同じく第二章の「食と農を通じた暴力-ドイツ、ロシア、そしてイスラエルを事例に」では食の金融化と飢餓の武器化が今も繰り返されている事、飢餓が低関心の暴力であることを考えさせてくれる。

Posted byブクログ

2025/01/01

歴史は繰り返されている この虐殺や差別や植民地主義などすべては今も続いている それはひとめではわからなくても

Posted byブクログ

2024/12/12

1ページごとに知らなかった事実が出てきて、情報整理、気持ちの整理が追いつかない。 自分の不勉強ゆえの混乱。 いちばん感じたのは、無知は悪。もう大人だからね。 それ以上に罪なのは無関心。 ちょうど数日前、映画「関心領域」を観たばかり(本著でも触れられていた)で、同じことを感じたばか...

1ページごとに知らなかった事実が出てきて、情報整理、気持ちの整理が追いつかない。 自分の不勉強ゆえの混乱。 いちばん感じたのは、無知は悪。もう大人だからね。 それ以上に罪なのは無関心。 ちょうど数日前、映画「関心領域」を観たばかり(本著でも触れられていた)で、同じことを感じたばかり。 勉強しなきゃ、というより関心を、目を向けよう。 そして、本著だけで判断するのもよくないよね。 複数の情報から自分で考えないと。

Posted byブクログ

2024/11/28

ガザの現状は、ますますひどくなる一方だ。 ほとんど毎日、イスラエルの爆撃により、何人が死亡という記事が新聞にのる。その一人ひとりが、どんな風に生き、どんな家族や友人がいて、どんな風に殺されたのか、記事だけではわからない。でもそれを想像しなければいけないと思う。目をそらせてはいけな...

ガザの現状は、ますますひどくなる一方だ。 ほとんど毎日、イスラエルの爆撃により、何人が死亡という記事が新聞にのる。その一人ひとりが、どんな風に生き、どんな家族や友人がいて、どんな風に殺されたのか、記事だけではわからない。でもそれを想像しなければいけないと思う。目をそらせてはいけない。 去年10月に始まったイスラエルの戦闘を機に、パレスチナのことを考えるようになった。岡真理さんの『ガザとは何か』を読むまで、あまりにもパレスチナのことを知らなかったし、知ろうとしてこなかったし、考えてこなかったを思い知り、自分を恥じた。 本書は、同じく岡真理さん(現代アラブ文学,パレスチナ問題専門)、小山哲さん(西洋史、特にポーランド史専門)、藤原辰史さん(現代史、特に食と農の歴史専門)の三人の著者が、それぞれの研究分野から、パレスチナが現状に至るまでの歴史をひもといている。 本を通して強調されているのは、歴史の捉え方を見直すべき、という視点である。 世界の歴史を「西洋」「東洋」を別々に考えてきたことにより、そのつながりがみえなくなっていた、と著者自身の反省をふまえ、現代史を理解するために今必要なのは「グローバルヒストリー」であると語る。 また、アウシュビッツを「唯一無二」の「絶対悪」としてきたことにより、数多くある向き合うべき負の歴史について、日本をふくめあまりにも軽視されてきたのではないかということも問うている。 なぜドイツがイスラエルを擁護しつづけ、支援を続けているのか、パレスチナの現状を無視し続けているのかも、第二次世界大戦後の西ドイツの態度を知ると深くうなずける。 そしてイスラエルが反セム主義(反ダヤ人主義)を利用し、パレスチナを入植を正当化してきたことも明らかにされている。 食と農の歴史についても専門としてきた藤原さんの、現在も続く奴隷制についてのお話は、自分が何も考えずに衣食住を享受してきたことを反省させられる内容だった。 ナチスの蛮行がアウシュビッツにおけるユダヤ人が虐殺だけではなく、意図的にソ連軍やソ連の人々を飢餓状態にしたことなどが語られ、食、水による暴力がいかに残酷で非人道的な行為であるかを学ばされた。 まだまとめきれない部分も多くあるが、西洋美術史専門の若桑みどりさんが『イメージの歴史』に書いている内容とも深くつながる部分もあり、さらに学びが必要だ。 情報があふれ、わかりやすく印象的な言葉や映像に私たちはすぐに飛びついてしまう。 でもそれが本当なのか、その情報は何に基づいているのかをよく確認し、検証し、その上で自分の考えを築いていく必要がある。ずっと当たり前だとされてきたことも、そうではないかもしれないという視点も忘れてはいけない。 この日常からはすぐには見えてこない場所で、地獄のような毎日を強いられている人たちがいて、それを忘れないこと、考え続けること、現実から目をそらさないことが、私たちには求められている。たとえ、イスラエルの残虐行為を直接止める力がなくても、考えること、学ぶことは私たちにはできる。 本を読む度に自分の無知を恥じ,反省する日々。 でもきっとそれはずっと続くのだろう。

Posted byブクログ

2024/11/24

非常に重厚な内容だった。 パレスチナの成り立ちは、色々な複雑な事から成り立っているのが、この本を通してよく分かったと同時に、ナチスもロシアもユダヤ人を嫌悪する理由、イスラエルが建国されるに至る経緯と、そこから続くイスラエルと中東で戦争が起きる理由、現在、ウクライナやパレスチナ紛争...

非常に重厚な内容だった。 パレスチナの成り立ちは、色々な複雑な事から成り立っているのが、この本を通してよく分かったと同時に、ナチスもロシアもユダヤ人を嫌悪する理由、イスラエルが建国されるに至る経緯と、そこから続くイスラエルと中東で戦争が起きる理由、現在、ウクライナやパレスチナ紛争が起きている背景も三人の著者の視点で、穀物の投機による飢餓問題について解説されており、西洋史の縮図が詰まった内容で、改めてパレスチナ含め食料問題に無頓着に生きているのを痛感した。この本は難しい内容だったが、読んで良かった。

Posted byブクログ

2024/11/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

とてもすらすらと読み進められる内容ではなかった。とりあえず最後まで読んだが理解が追い付かない。ただ無知と無関心の罪深さについてはよくわかった。視点を変えるということの重要性、〇〇史という分け方でものごとを見ている限り決して見えてこないものの存在があるということ。 これほど今、今のことを本にしてくれたことに感謝。

Posted byブクログ

2024/11/17

あまりにも今起きてる凄惨な時事の経緯や流れを理解出来ておらず、読み始めた。 「複雑な歴史」の一言で済ませず、ナチス時代の植民地主義から始まった事であるというのを、分かりやすく解説されてたと思う メディアから発するニュースの偏向も然り、特に関係無いと思われがちな日本も満州国で侵...

あまりにも今起きてる凄惨な時事の経緯や流れを理解出来ておらず、読み始めた。 「複雑な歴史」の一言で済ませず、ナチス時代の植民地主義から始まった事であるというのを、分かりやすく解説されてたと思う メディアから発するニュースの偏向も然り、特に関係無いと思われがちな日本も満州国で侵略・植民地化していた同様の歴史があるのに、そこの事実が軽視されて見落とされているという記述が腑に落ちた。 映画「関心領域」が過去ではなく、現代を描いてる、というのはかなり胸が締め付けられた。こういった映画作品をエンタメとして消費するだけでなく、自分の中で咀嚼出来るようになりたい。

Posted byブクログ

2024/11/15

渋谷でガザ反戦デモに出会して、長いこと横断歩道が渡れなかったときに、そういえばおれはガザのことを何も知らない気がすると思って帰り道で購入。 世界史、受験で使ったんだけど、西洋史も大学で習ったけど、どんだけ視野が狭かったのだろうと思った。

Posted byブクログ

2024/11/03

あらすじ(ミシマ社)この本から、始まる新しい世界史=「生きるための世界史」 あらゆる人が戦争と自分を結びつけ、歴史に出会い直すために。 アラブ、ポーランド、ドイツを専門とする三人の対話から はじめて浮かび上がる「パレスチナ問題」。 世界史は書き直されなければならない。 **...

あらすじ(ミシマ社)この本から、始まる新しい世界史=「生きるための世界史」 あらゆる人が戦争と自分を結びつけ、歴史に出会い直すために。 アラブ、ポーランド、ドイツを専門とする三人の対話から はじめて浮かび上がる「パレスチナ問題」。 世界史は書き直されなければならない。 *** 岡「今、必要としているのは、近代500年の歴史を通して形成された『歴史の地脈』によって、この現代世界を理解するための『グローバル・ヒストリー』です」 小山「西洋史研究者の自分はなぜ、ヨーロッパの問題であるパレスチナの問題を、研究領域の外にあるかのように感じてしまっていたのか」 藤原「力を振るってきた側ではなく、力を振るわれてきた側の目線から書かれた世界史が存在しなかったことが、強国の横暴を拡大させたひとつの要因であるならば、現状に対する人文学者の責任もとても重いのです」 ***(https://mishimasha.com/books/9784911226063/) これは良本ですね…! 『中学生から知りたいウクライナのこと』を読んだ後にこちらを読んだのがちょうどよかった。 あえて全員をパレスチナ、中東の専門家にするのではなく、ポーランド・ドイツを専門とする方をお呼びしたことで、パレスチナとイスラエルが決して中東だけの話ではないこと、世界の中の位置付けを確認することができる。まずは中立(もうここまできたら中立とは?となるが)なものが読みたいんだっていう人にもおすすめしたい。あらゆる観点から見ても今起きていることは異常で、ジェノサイドであり、植民地主義であることがわかるはず。 人文学の死という表現も登場するけれど、藤原先生のこれまでの自分の知識の偏りを悔やみ、反省する言葉が印象的だった。おそらくアカデミックな世界での反応もさまざまであろうけど、こんなふうにこれまでの自身の研究や前提をひっくり返して学び直そうという信念のある方がたくさん現れれば、世界史は書き直されて、教育も変わっていくのかもしれない。 あとはパレスチナについて学ぶ中で初めて出会った言葉に「人工飢餓」というのがあったけど、食・農業に関する視点で「食と水を通じた暴力」について事例を見ながら学べるのがよかった。 わかりやすい空爆やドローンによる殺傷と比べると、見えづらく、注目を持たれづらい問題だけど、力のない子どもやお年寄り、病人が標的となり、多くの死者が出る点でも計画的で残忍な暴力であることを改めて知る。これと合わせてサラ・ロイさんのいう反開発について『ガザとは何か』とかで読むと良さそう。

Posted byブクログ

2024/10/30

自分の身の周りの世界はある一定の範囲で留まっているものではなく、全世界と連続的に繋がっていて、それは時間軸上においても同じであることを教えられた。普段の生活の中で身近なチョコレートやコーヒー、服などの日用品も、背後にあるものを理解できていなかったことを痛感しつつ、それでもこの先そ...

自分の身の周りの世界はある一定の範囲で留まっているものではなく、全世界と連続的に繋がっていて、それは時間軸上においても同じであることを教えられた。普段の生活の中で身近なチョコレートやコーヒー、服などの日用品も、背後にあるものを理解できていなかったことを痛感しつつ、それでもこの先そういったものを買わないことはできないのだと思うと何ともやるせない気持ちにもなる。少なくとも手を伸ばしたその時の想像力だけは一生持ち続けていたい。

Posted byブクログ