中学生から知りたいパレスチナのこと の商品レビュー
先ず自分の無知さに恥じ入った。先入観が目を曇らせ、新たな事実の受け入れを拒否しているかの様で、私は今まで何を知っていたのかと、罵りたくなった。 特に第二章の「食と農を通じた暴力」は身近な問題でわかりやすく論じてあり、今後はチョコ一つ食べてもこの問題を考えさせられるのだと思った。 ...
先ず自分の無知さに恥じ入った。先入観が目を曇らせ、新たな事実の受け入れを拒否しているかの様で、私は今まで何を知っていたのかと、罵りたくなった。 特に第二章の「食と農を通じた暴力」は身近な問題でわかりやすく論じてあり、今後はチョコ一つ食べてもこの問題を考えさせられるのだと思った。 先ずは知る事、知ろうとする姿勢が大切。
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「中学生から知りたいウクライナのこと」に引き続き本書を一気読みした。安保法制と人文学の軽視を批判するために結成された「自由と平和のための京大有志の会」の先生方の著作である。 彼らの研究が権力におもねる御用学者やうっかり学者の嘘を暴き、自省をこめながらも真実に忠実であろうとする姿に...
「中学生から知りたいウクライナのこと」に引き続き本書を一気読みした。安保法制と人文学の軽視を批判するために結成された「自由と平和のための京大有志の会」の先生方の著作である。 彼らの研究が権力におもねる御用学者やうっかり学者の嘘を暴き、自省をこめながらも真実に忠実であろうとする姿にさすが京大とほっとする。 とにかく勉強になった。自分の浅さを自覚して日本を世界を見つめていきたい。 ミシマ社さん、ありがとう。これからもこうした本を出し続けてください。
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図書館で借りて読んだ本。 パレスチナについての書籍は他にも読んだけれど、専門分野の違う御三方の視点から見つめることはなかった。日本の植民地主義という観点において歴史の授業で習っていたはずなのに、加害側であるという意識がほとんどなかったことに気がつく。恥ずかしかった。中学生から知っ...
図書館で借りて読んだ本。 パレスチナについての書籍は他にも読んだけれど、専門分野の違う御三方の視点から見つめることはなかった。日本の植民地主義という観点において歴史の授業で習っていたはずなのに、加害側であるという意識がほとんどなかったことに気がつく。恥ずかしかった。中学生から知ってほしい。知っておきたかった。まず日本史と世界史では足りない、という視点にも納得した。 読み始めて数分で「これはパレスチナを知りたいけど何から読んで良いかわからない人にすぐ読んでほしい」と思い駆け足で読んで返却したので、購入してもう一度じっくりと読みたい。 中学生には難しいのでは……という意見も目にしたが、難しいと思っても読んでほしい。難しいの先を見てほしい。私も見慣れない単語がいくつか出てきて辞書を引きながら読んだが、それが必要だったと感じた。
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タイトルとは異なり、とても難しい内容の本でした。 パレスチナ問題は第二次世界大戦のユダヤ人難民の解決からきていること。 日本も満洲に対して同じようなことを行っていたことなどを学べました。 まずは知ることから始めて、自分にできることをしていきたい。
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どうして苛烈な殺し合いが続いてるのかを知りたくて、手に取りました。 まず、表題に『中学生から知りたい』とあったので、中学生でも読めるように書かれているのかと思いましたが、これは難しいと感じました。お子さんに読ませようと思っている方は注意してください。 また、人文学観点からの考察の...
どうして苛烈な殺し合いが続いてるのかを知りたくて、手に取りました。 まず、表題に『中学生から知りたい』とあったので、中学生でも読めるように書かれているのかと思いましたが、これは難しいと感じました。お子さんに読ませようと思っている方は注意してください。 また、人文学観点からの考察の必要性を語られているためなのか、ややヒステリックで解りづらい部分がありました。感情的にならざるを得ないような残虐な出来事であるからこそ、論理的に表現した方が説得力があるのではと思います。 一番興味深かったのが、「食と農を通じた暴力」という章です。普段、何に困ることもなく料理をしてご飯を食べる日常を送っているからこそ、その破壊がいかに暴力的であるかを知ることができたと思います。 今、後世に残る歴史的な過ちを現在進行形で体験しているのに、周りの目に見える世界が『平和に見えている』という現実の残酷さを、わたしはずっと覚えておかなければならないのだと思いました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
夏休みに遊びに来る中学生の甥っ子に贈ろうかと読んでいたのだけど、タイトルに反して、内容がぜんぜん中学生向けじゃなかった。 もちろん、中学生のころから意識をもって、こうした国際的な問題に目を向ける必要はあるのだろうけど、パレスチナやイスラエルの知識以上に、歴史認識に始り、現状の国際構造、メディアの体質、果ては教育制度にまで踏み込む内容は、凡そ、中学生には(少なくとも、我が甥には)難しいかろうと、判断。また、もう少し大人になってから渡そう。 9月1日、防災の日となれば、関東大震災が思い出される。去年(2023年)からは、映画『福田村事件』で見た、日本人による朝鮮人の虐殺事件も同時に想起される。 100年前の話だが、今も、構造的に、その危険を世は孕んでいて、一発触発どころか、もう軽々と限界線を越えているのが現状だ。 本書も、レッテル貼りがなされれば、その対象に対する攻撃が正当化される危険性を指摘する。 古くは第二次世界大戦中のドイツにおける「ユダヤ人」というレッテル。上記、百年前の日本での「朝鮮人」もそう。2001年9月11日以降は「テロリスト」と称して、国家転覆までが行われるようになった。そして、現在は、ガザでの「ハマス」だ。 いや、本当にそうか?と、立ち止まって考えないといけない。自分で情報も取りにいかないといけない。 が、本書でも記されているように、 「イスラエル政府の発表、アメリカの主流メディアの報道、そして日本のメディアの報道は、ひとえに、このジェノサイドが植民地主義の暴力なのだという歴史的事実を徹底的に抑圧、隠蔽するためのものとして機能しています。」 という悲しい状況だ。 ゆえに、正しい歴史認識を通じて、現在を見通す視点として、西洋化された史観ではなく、グローバル・ヒストリーが必要と説く。 「私たちが今、必要としているのは、私たちの知をかたちづくってきた西洋中心主義的で、かつ地域ごとに分断された歴史に代わる新しい世界史、近代500年の歴史を通してグローバルに形成された「歴史の地脈」によって、私たちが生きるこの現代世界を理解するための「グローバル・ヒストリー」であるということです。」 なぜ、それが実行されないかという点についても、本書は痛烈に現行システムを批判する。 「80年前の戦争の戦勝国がこのようなかたちで拒否権をもち、それゆえに世界の大半の国々の意向をご破算にすることができるという構造自体が、不正義の温床になっていることは、今や誰の目にも明らかです。国際法が存在しても、私たちが現在、生きているこの世界には、こうした戦争犯罪を公正に裁くシステムそれ自体が存在しないのです。」 構造的欠陥を有した史観からは、西洋中心主義、白人中心主義の視点でしか歴史や世界を見ることができないのは自明。 「パレスチナの平和、ひいては世界の恒久的平和が実現されるためには、この政治的に不公正な現行システムそれ自体が解体され、世界政府であれ、世界連邦であれ、真に平等で公正な、新たな世界が構築されなければなりません。逆に言えば、現行の体制が延命しつづけるかぎり、パレスチナにも、そして世界にも、本当の意味での平和は訪れないということです。この世界のありようそれ自体が問い直されなければなりません。」 この命題は、中学生に負わせるには、なかなかの重荷である。が、これから、未来の世代が変えていかなければならない大きな問題だ。“現行体制”を改め、新たな世界を構築するため、甥っ子たちの世代には、せめて“気づき”が得られるよう、心がけてサポートしていきたいと思う。
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パレスチナ問題は、遠い国の出来事としてしか捉えてなく、よくわかりませんでしたが、この図書により、深く理解することが出来ました。日本の歴史教科書は間違った事を多く教えており、真剣に考えなければいけないと痛感致しました。 こんな図書が中学生時にあって、読むことが、出来ていたら、きっと...
パレスチナ問題は、遠い国の出来事としてしか捉えてなく、よくわかりませんでしたが、この図書により、深く理解することが出来ました。日本の歴史教科書は間違った事を多く教えており、真剣に考えなければいけないと痛感致しました。 こんな図書が中学生時にあって、読むことが、出来ていたら、きっと世界観が変わっていたと思うと、遅きに来たしましたが、これはいろんな方々にぜひ一読していただけることを祈りたく、感想に変えたく思います。
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『ガザとは何か』とは別の角度からパレスチナについて書かれている、また勉強になった これまでの日本の歴史と今パレスチナで起こっていることは地続き
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イスラエルの罪を追及できない世界の矛盾を知れただけで、読んだ価値があった 全てはつながっていて、自分のこととして感じれるかどうか 映画『関心領域』と強烈にリンクしてくる ドイツとイスラエルの凝り固まった関係性とか考えたこともなかった
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直感的に、イスラエル≒大日本帝国、ガザ≒満洲、と繋げて考えていたけれど、これほど相似形だとは…と驚いたし、勉強不足を痛感。 もちろん、人はあらゆることに詳しくはなれないけれど、歴史から学べることは多く、それをないがしろにしたところに暴力の繰返しが起き続けているのだなと考えさせられ...
直感的に、イスラエル≒大日本帝国、ガザ≒満洲、と繋げて考えていたけれど、これほど相似形だとは…と驚いたし、勉強不足を痛感。 もちろん、人はあらゆることに詳しくはなれないけれど、歴史から学べることは多く、それをないがしろにしたところに暴力の繰返しが起き続けているのだなと考えさせられました。現代の必読書だと思います。
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