ある晴れた夏の朝 の商品レビュー
皆さんの間で「夏の課題図書」みたいに言われていた本。かなり季節を外したが、BOOKOFFの棚で見つけたので読んでみた。 アメリカで高校生8人が、ディベートで原爆投下の是非を問いながら、「戦争と平和」について考えるというお話。知っていることも多くあったが、知らなかったこともまた多...
皆さんの間で「夏の課題図書」みたいに言われていた本。かなり季節を外したが、BOOKOFFの棚で見つけたので読んでみた。 アメリカで高校生8人が、ディベートで原爆投下の是非を問いながら、「戦争と平和」について考えるというお話。知っていることも多くあったが、知らなかったこともまた多くあった。 真珠湾攻撃や日中戦争、ナチズムにアメリカマイノリティなどにも話が及び、原爆の是非という本筋からはやや話が拡散したきらいもあるが、原爆を落としたアメリカ側の視点、様々なルーツを踏まえた受け止め方には、いずれの立場の意見も考えさせられるところがあり。 純粋にディベートの内容を提示して読者に勝敗を委ねるのではなく、作者の思いが多分に入っているところがあるような気もするが、意図的な“分断”が罷り通る現在において、様々な話題が正面から取り上げているのを読むのも良い機会。 最後のスピーチで引かれた『われわれ人類は一致団結して、われわれの共通の敵、すなわち、無知や憎悪や偏見と戦わなければならないのだ。憎しみという敵はわれわれの外側ではなくて、内側にいるのだ』という言葉が胸に響いた。 と書いている目の前のTVで、イスラエルによるガザへの攻撃のニュースが流れている。 自分にできることに限りがあることに心がざわつく。
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児童向けだからわかりやすく論理立ててあって読みやすかった。このテーマ(原爆)の本ってそんなに読む機会ないんだけど、ディベートを扱ってるから、なかなか考える機会のない"肯定するならどんな論がある?"みたいなのも考えることができて良かった 物事を多面的に見るって大...
児童向けだからわかりやすく論理立ててあって読みやすかった。このテーマ(原爆)の本ってそんなに読む機会ないんだけど、ディベートを扱ってるから、なかなか考える機会のない"肯定するならどんな論がある?"みたいなのも考えることができて良かった 物事を多面的に見るって大事だね
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そんなに厚くはない、手軽に読めそうな一冊。でも、ページをめくると、1枚1枚が重厚で深い、どんどん読み進められて引き込まれていく作品でした。 ディベート=ケンカではないこと、当然だけど、尊重し合うってこういうことだよね、と何度も共感しまながら読みました。お互いが違う意見で話し合うけ...
そんなに厚くはない、手軽に読めそうな一冊。でも、ページをめくると、1枚1枚が重厚で深い、どんどん読み進められて引き込まれていく作品でした。 ディベート=ケンカではないこと、当然だけど、尊重し合うってこういうことだよね、と何度も共感しまながら読みました。お互いが違う意見で話し合うけど、最終目標は同じ。とても素敵な討論会でした。この本に出会えたことに感謝です。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
著者の方、私が学生時代のころは恋愛小説を書いてた気がします…たぶん15年以上は前…苦笑 著者のお名前が懐かしく、 さらに新刊コーナーに陳列されていて、 手に取ると。 恋愛小説ではなく、 アメリカの高校生が原爆投下の是非をディベートで問うというストーリー。 自分の出自やルーツ、 さらに歴史の背景を含めて、 それぞれが自身の考えを伝え合います。 また、発表のため調べることで 知らなかった事実や視点に気づく。 真珠湾攻撃は奇襲攻撃と言われていたけれど、 本当は宣戦布告をしようとしていた。 わずかな時間差で間に合わなかった。 アメリカのために戦って命を落とした日本人もいた。 本書は、ディベート部分に重きを置いているので、 導入も参加者それぞれの私生活や普段の人間性などは語られないため、いきなり感を受けましたが、 その分、本書が伝えたい主題について集中できました。 ディベートは相手を打ち負かす(論破する)ことがすべてではなく、 相手の意見に耳を傾け尊重し、 そして自身の意見を伝え、 新しい発見は発見と認め、 訂正する勇気も持つこと。 夏に読めてよかった一冊です。
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原爆投下は正しかったのか。 ・悪なのか、必要悪なのか ・人体実験だったのか。差別だったのか ・日本人はどう認識しているのか ・本当に罪もない人々だったのか 過去をどう捉え、未来をどうつくるか。 私たちに何が委ねられているのか。 久しぶりにかじりついた小説。一気読み。
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日系アメリカ人の15歳の少女のひと夏の物語であり、討論会の勝敗をこえた高校生たち8人の成長ぶりがすがすがしい青春小説。 図書館で単行本を借りて読んだらとてもよかったので、ちょうどこの夏に出ていた文庫版で入手。 巻末に文庫版あとがきと金原瑞人による解説。 金原さんもお書きのように...
日系アメリカ人の15歳の少女のひと夏の物語であり、討論会の勝敗をこえた高校生たち8人の成長ぶりがすがすがしい青春小説。 図書館で単行本を借りて読んだらとてもよかったので、ちょうどこの夏に出ていた文庫版で入手。 巻末に文庫版あとがきと金原瑞人による解説。 金原さんもお書きのように、この作品は原爆を扱った作品としてこの先長く読み継がれる名作だと思う。同時に、真摯で本気の議論・討論、ひいては民主主義のあるべき姿をも学べる作品でもあると言えると思う。
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ブクログ内で「夏の課題図書」のような本書 本当に読んで良かった! 皆さんの素晴らしいレビューやお勧めコメントがなければ、来年へと先送りするところでした ありがとうございます^_^ まず驚いたのは、高校生達による公開討論会だ。 200人収容のホールが満席だという。 聴衆は...
ブクログ内で「夏の課題図書」のような本書 本当に読んで良かった! 皆さんの素晴らしいレビューやお勧めコメントがなければ、来年へと先送りするところでした ありがとうございます^_^ まず驚いたのは、高校生達による公開討論会だ。 200人収容のホールが満席だという。 聴衆は先生や生徒だけでなく、地域の人々も大勢いる中でのディスカッション。 アメリカの子供たちはこんな経験をしているのか!凄いなぁ。 議題は「原爆」 原爆投下は本当に必要だったのか。 そこから討論を深めていって、原爆の是非を問う。 「原爆肯定派」と「原爆否定派」に分かれて徹底的に議論を戦わせるという。 ん? 肯定派?? って私たち日本人は思うが、彼らは膨大な資料を元にしっかり下調べをし、主張していく。 当然否定派も同様だ。 読んでいて焦りのような気持ちが胸に広がってきた。 その理由は分かっている。 私は子供の頃から原爆投下について学んできたはずだ。 しかし、こんなにも真正面から向き合って考えた事があっただろうか? もっと色んな角度から、原爆のこと戦争のことを知らなきゃ、知りたいと焦ったのだ。 そして熱い議論に決着をつけるのは慰霊碑の言葉 ──安らかに眠って下さい 過ちは 繰返しませぬから──
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アメリカの高校生による原爆の是非を問う討論会。 原爆という重いテーマながら非常に読みやすい。 討論会なので勝敗をつけるのだが、全4回で最終的にどの様な結論になるのか先が知りたくて帯文の通り一気読み。 原爆について知らなかった事実が次々と出て考えさせられ、最後のメイのスピーチと...
アメリカの高校生による原爆の是非を問う討論会。 原爆という重いテーマながら非常に読みやすい。 討論会なので勝敗をつけるのだが、全4回で最終的にどの様な結論になるのか先が知りたくて帯文の通り一気読み。 原爆について知らなかった事実が次々と出て考えさせられ、最後のメイのスピーチとそれに続くナオミのスピーチがとても胸に響き、感動した。 世界から戦争がなくなることを願ってやまない。 素晴らしかった、読んで良かったと思える作品。
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世界平和をテーマにした討論会の話。 原爆のことは曖昧だったけど、この話を読んで良かった。最後のナオミの発表は素晴らしかった。視点を変えることは大事だし、憎悪からは何も生まれない、胸に刻みたい言葉が沢山。
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初の小手鞠 るい作品。毎年8月は何かしら戦争に纏わる話しを読みたいと思っていて、テーマがアメリカの原爆投下の是非についてと謳っていたので、手にした作品。 多くのアメリカ人犠牲者を出さないために原爆投下はやむを得なかったとする原爆投下肯定派と原爆投下には、戦争を終わらせる効果はな...
初の小手鞠 るい作品。毎年8月は何かしら戦争に纏わる話しを読みたいと思っていて、テーマがアメリカの原爆投下の是非についてと謳っていたので、手にした作品。 多くのアメリカ人犠牲者を出さないために原爆投下はやむを得なかったとする原爆投下肯定派と原爆投下には、戦争を終わらせる効果はなかったとする否定派、公衆の前で繰り広げられる白熱の論戦に、200ページを満たない作品ですが、とても胸が熱くなります❗️ 若い世代から戦争を知らない僕らの世代まで、戦争の愚かさや本当の平和とは何かと言うことを考えさせてくれる素晴らしい作品でした。 是非とも多くの方に読んでもらいたいこの夏オススメの一冊です♫
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