爆弾 の商品レビュー
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スピード感あって良かったです。 難しい言葉を使ったりしないのもgood! 私は犯人は頭はきれるかもしれないけど、精神的には随分子供だなと思いました。 まぁ、色々理不尽な目にあってホームレスにまでなってしまってるのでしょうけど。 ゆかりの行動とか鶴久が子供に言ってたこととか、最低だなと思ってたんですが、そういうことですよね。 上手く言えないんですが、現実で同じことを目撃したら同じように最低だなと思ってしまう。でも違うんですよね。 知ったような気になって勝手なこと言ってるのは私たちですね。 追記 もういいやってなったってことだから、それまでは自分の人生に諦めとか納得とかしてたのかな。 助けを求められたことで絶望した?
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人といふ人のこころに 一人づつ囚人がゐて うめくなかしさ 誰もが心に後ろめたい人格を飼っている。 清宮と倖田は極限の状況で人の命に優劣をつける自分を見せつけられた。 類家は時折、ゲーム優先し人命を軽んじるかのような危うさをもつ。 長谷部は犯罪を憎みながら、同時にそれに強く興奮す...
人といふ人のこころに 一人づつ囚人がゐて うめくなかしさ 誰もが心に後ろめたい人格を飼っている。 清宮と倖田は極限の状況で人の命に優劣をつける自分を見せつけられた。 類家は時折、ゲーム優先し人命を軽んじるかのような危うさをもつ。 長谷部は犯罪を憎みながら、同時にそれに強く興奮することに悩んだ。そして等々力もラストで同質の興奮に向き合う。 鶴久は保身のあまりかつての恩師を切り捨てた。その先に居る家族を想像することないその姿勢は、今回の犯罪の遠因になっているかもしれない。 自分の中に抱えるどうにもならない矛盾を、犯人であるスズキが抉り晒し出す。 取り調べの心理戦が冗長・非現実との評価を見かけるが、わたしは楽しめた。 ダークヒーローを描くならなぜもっとクセの強いキャラクターとして描かなかったんだろうと思ったけど、解説を読んで納得。 現代の暗部の象徴なのね。
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YouTubeチャンネル「ほんタメ」で激推しされていて気になっていた本作。 遂に文庫化ということで手に取ってみました。 酔っぱらって酒屋の自動販売機を蹴りつけ、止めに来た店員を殴り、野方警察署で取り調べを受けることになった中年男性のスズキタゴサク。 黒い苔を生やしたようないがぐ...
YouTubeチャンネル「ほんタメ」で激推しされていて気になっていた本作。 遂に文庫化ということで手に取ってみました。 酔っぱらって酒屋の自動販売機を蹴りつけ、止めに来た店員を殴り、野方警察署で取り調べを受けることになった中年男性のスズキタゴサク。 黒い苔を生やしたようないがぐり頭に広いおでこ、太い眉に無精髭が目立つ二重顎、たるんだ頬にビール腹、気の抜けた愛想笑い。 冴えない風貌のスズキは、自分には霊感があると嘯いて、秋葉原の爆発を予言してみせる。 「そしてわたしの霊感じゃあここから三度、次は一時間後に爆発します」 スズキタゴサクは何者なのか。 目的は一体何なのか。 ー読んでくれ、止まらないから。ー 帯の煽りで膨らむ期待を裏切らない面白さ。 警察の過去の事件や人間模様も絡み合って、夢中になって読みました。 余談ですが、倖田ちゃんと矢吹くんのコンビが好きでした(しみじみ)。 何と続編もあるのですね(これは読まないと)。 しかし、しばらくは本作の余韻を味わっていたい気もするのでした。
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スズキの中で何かが切れて、自分の中の囚人が出てきてしまった。 差別も利用もない世界があればこんな事件は起きなかったのかもしれない。 刑事の中にもスズキと近い人間がいるのをスズキが見抜いていったり、事件の真相がどんどん分かっていったりするのが面白くてサクサク読めた。
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2023このミス1位となった超有名作。確かに凄いミステリー。 スズキタゴサクを名乗る冴えない男が酒屋の自販機を殴った物損事件で警察に連行されるところから物語が始まるのだが、とにかくこのタゴサクが気持ち悪い。慇懃無礼さと世の中を舐め腐ってるのにうわべだけの自己否定な態度。延々と続く無駄話に潜んだ悪意… ミステリーとしての仕掛け、爆発事件の緊張感、捜査に翻弄される警察官の姿など、物語の構成進行は抜群。されど、この小説の核心は、気持ち悪い男タゴサクと、取り調べする警察官たちの心理戦。 ジリジリして手に汗握る隔靴痛痒の読書感、是非味わってほしい。 あぁ、気色悪かった(誉め言葉)
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スズキタゴサク、よく喋る喋る…。 実写化してらタゴサク役の人はセリフ覚えるの大変だなぁと思うくらい笑。 あれだけ無差別に爆発させておいて、自分は参加してたものではないとか…。 頭の回転は早いと思うけど、爆弾に合わせて帳尻合わせて話すとかあまり美しくないなと、最後思ってしまった。
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「読んでくれ、止まらないから」の帯のまま、最後まで一気読み。止まらん…サイコなやりとりにぐっと引き込まれてしまうのはなんでなんだろう?余韻に浸りたくて、珍しく解説まで読んでしまった。
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凡庸なタイトルからは想像できない素晴らしいミステリー。あらすじを読んで面白さを確信して読み出した。自分と無関係の他人に対する考え方、態度にどきっとするところあり、自分の見知った人に対する態度の臨場感がらむき出しのリアルさで表現されていて引き込まれた。スズキタゴサクのダークヒーロー感もさることながら、類家の鋭さ、態度、交渉能力は本当に魅力的で、素直にかっこいいと思い、惹かれた。でも、結局勝てはしなかったが…。大満足のミステリーだった。さすが、話題作。 フレーズ ルサンチマン 怒り 偏執 不安や恐怖の影響を強く受けており、他人が常に自分を批判しているという妄想を抱くものを指す。パラノイア。 婦警という呼称はもう使われていない。 蓋然性 怒ることの確実性。定量的になると確率。 後生 人に哀願するときに使う言葉。
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スズキタゴサクがこの上なく気持ち悪く、憎く、生理的に無理で、途中で読むのを止めようかと迷うほどでした。ここまで嫌悪されるキャラクターは中々いないのではと思います。また、言葉遊びはこじつけ感があって、おもしろくはなかったです。 ただ、最後まで読んでみて、いい意味で予想を裏切られまし...
スズキタゴサクがこの上なく気持ち悪く、憎く、生理的に無理で、途中で読むのを止めようかと迷うほどでした。ここまで嫌悪されるキャラクターは中々いないのではと思います。また、言葉遊びはこじつけ感があって、おもしろくはなかったです。 ただ、最後まで読んでみて、いい意味で予想を裏切られました。途中で離脱しなくてよかったです。続編が気になり、つい買ってしまいました。
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勧められて読むことになった本作品 作者もタイトルも聞いたことがなかったし 大まかなあらすじさえも知らないまま読み進めることになったが。 社会派小説とでもいうのか 好みの問題ではあるのだろうけれど 私の好みではなかった ただただスズキタゴサクが不気味で気持ち悪くて後味が悪い 人...
勧められて読むことになった本作品 作者もタイトルも聞いたことがなかったし 大まかなあらすじさえも知らないまま読み進めることになったが。 社会派小説とでもいうのか 好みの問題ではあるのだろうけれど 私の好みではなかった ただただスズキタゴサクが不気味で気持ち悪くて後味が悪い 人には見えない奥底の思いというものがある それを他人には知れない知られてはならないという思いもある そういう人の汚い部分が前面に出ているようで、自分以外信じられなくなりそうだった
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