消費される階級 の商品レビュー
普段、そこまで巷のあれやこれや、時代だの流れだのについて、あーだのこーだの語る機会が少ない中、酒井さんのエッセイは、近しい仲間とのたわいもない、あーだのこーだの議論(雑談)に近しいものと思いつつ、そこに気づきや知識が入ってくるので、さらにやめられない、欠かせない本になっています。...
普段、そこまで巷のあれやこれや、時代だの流れだのについて、あーだのこーだの語る機会が少ない中、酒井さんのエッセイは、近しい仲間とのたわいもない、あーだのこーだの議論(雑談)に近しいものと思いつつ、そこに気づきや知識が入ってくるので、さらにやめられない、欠かせない本になっています。昨今、会社での本当にくだらないこと、それはこと格差、階級が根幹にあることが多く、タイトルからグッときてしまったわけで。今後も息抜きできるエッセイを読ませて欲しいと切に思ってしまったのでした。
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少しずつ読んでいったので、ゆっくり読んだのだが、いつも眠くなってしまったのはなぜだろう。 酒井順子さんのおっとりとした書きぶりのせいかなとも思うのだが、「階級」「格差」を描くにはおっとりすぎなのかもしれないなと思った。 最後のまとめが、どの章も、なんか「ふつう」なのだ。教科書とお...
少しずつ読んでいったので、ゆっくり読んだのだが、いつも眠くなってしまったのはなぜだろう。 酒井順子さんのおっとりとした書きぶりのせいかなとも思うのだが、「階級」「格差」を描くにはおっとりすぎなのかもしれないなと思った。 最後のまとめが、どの章も、なんか「ふつう」なのだ。教科書とおりの、どの方向からも文句の言われないまとめという感じ。切れ味という点では今ひとつでした。 きっと、酒井さんの性格の良さ?からくるのではないだろうか。 「負け犬の遠吠え」の時は切れ味鋭くて、酒井順子さん好きなんだけど、酒井さんは今は満たされているのかもしれない。
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社会的立場、収入、家柄、学歴、パートナー・・。 何においても自分と他人を比べて、あの人より上、あの人より下と人を比べる性質は、人間の欲求であり普遍的なもの。 全部において賛同というわけではないけど、行き過ぎた階級思考や、正しいことをしない人たちに厳しい目を向けすぎることの危うさ...
社会的立場、収入、家柄、学歴、パートナー・・。 何においても自分と他人を比べて、あの人より上、あの人より下と人を比べる性質は、人間の欲求であり普遍的なもの。 全部において賛同というわけではないけど、行き過ぎた階級思考や、正しいことをしない人たちに厳しい目を向けすぎることの危うさを教えてくれてありがたかった。
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一市民の目からの、人々の意識の変化についてのエッセイ集かな。学術的なものを予測していたけれど、これはこれで面白かったです。
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エッセイは、特に酒井さんのは旬の時に読むのが最適というのが結論。時間を経てから、ああそういえばあの頃ああだったなぁと読むのも有益だが、今を切り取って考察していると、なるほど!と大いに興味が持てる。それにしてもこの人の本は読むと疲れる。もちろんいい意味で。一生懸命頭を働かされるので...
エッセイは、特に酒井さんのは旬の時に読むのが最適というのが結論。時間を経てから、ああそういえばあの頃ああだったなぁと読むのも有益だが、今を切り取って考察していると、なるほど!と大いに興味が持てる。それにしてもこの人の本は読むと疲れる。もちろんいい意味で。一生懸命頭を働かされるので疲れるのだ。特にウケを狙うということがないのでサカジュンさんは好きだ。とにかく差を無くそうという世の中だが、そうはいかない。それは人々は差別化が好きだからだ。社会的階級、性別、民族、収入、学歴、美醜。自分の位置に関わらず。
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格差、差、別、差別の歴史を、作者の生きてきた時代から見て解説してもらった気がする。興味深い。 自分の思考の癖や染みついた感覚、また、自分に男性目線の価値観が刷り込まれていることに気づく。作者はそれを強く否定せず、しかし、肯定もしない。今、起きている昭和ブームは揺り戻しか。いい揺り...
格差、差、別、差別の歴史を、作者の生きてきた時代から見て解説してもらった気がする。興味深い。 自分の思考の癖や染みついた感覚、また、自分に男性目線の価値観が刷り込まれていることに気づく。作者はそれを強く否定せず、しかし、肯定もしない。今、起きている昭和ブームは揺り戻しか。いい揺り戻し、悪しき揺り戻しの判断をしたいものだ。 20代、30代の人はどんな感想を持ったのか知りたい。
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このエッセイストなら面白いことは間違いない。 今回の内容は「階級」という「差」。 「日本ニハ階級ナンテアリマセンヨ」だって? いやいや、大っぴらにいうのは見えなくなっていても、ほらほら、X(Twitter)の中では、世間話の中では、でてますでしょ? 隣の庭は青いし、幸せそうだし...
このエッセイストなら面白いことは間違いない。 今回の内容は「階級」という「差」。 「日本ニハ階級ナンテアリマセンヨ」だって? いやいや、大っぴらにいうのは見えなくなっていても、ほらほら、X(Twitter)の中では、世間話の中では、でてますでしょ? 隣の庭は青いし、幸せそうだし、それに比べてうちは! でも下手に書き込んで炎上しても嫌だし…そんな多くの人のために。 この本どうぞ。 まぶた差別の回は面白い。 そうだ、パッチリ二重こそカワイイ、っていうのは違うよなぁと奥二重の私は染み入る思いだった。 そもそも可愛い、なんて誰かの主観でしかないのに。 とはいえ、自身の低くて丸い鼻も好きになれたらいいんだけど。 いまだに美醜に囚われてるな、情けなし。 「バカ差別が許される理由」も面白い。 バカ差別は差別でなく当然と思われている、とか、 「バカ本の著者達は、バカではありません。バカのバカっぷりが目についてしまい、イライラしてバカ本を書くのでしょう」(130頁) は的確な指摘だ。 本当にバカな話だが、バカバカ言っているのがどうにも面白い。 うむむ、バカバカ言っているのを笑う私はバカ差別主義者なのか。 それともバカと気付いていないバカだからバカをバカにしているバカなのか? いつもながら上手いと思うのは、笑いを交えながら、変なことは指摘し、しかし貶めるようなことは言わない点だ。 決めつけたり、押し付けたりしない文体はほっとする。 強い言葉を皆が使うからこそ、こういった言葉の使い方はありがたい。
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著者のエッセイって私に中では当たり外れがあるんだけど、 これは”あたり”、面白かった。 ”親ガチャ””眞子さま問題””ジャニーズ性被害問題”にも触れますます著者に分析力は冴えわたる。 昭和の時代を知ってる者同士のあの時代のあるある話しも共感したわ。 面白く読了。
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格差是正とポリコレは大事なことではあるが、そのなかでもの言えなく不自由さや、蓋をすることで煮詰まってしまう現状を、しかしものやわらかに指摘する流石の酒井節。
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漠然と思っていた格差社会を筆者が丁寧に読み解いており、分かりやすい。(あくまで筆者の主観なので、本当にそうであるかは知らないが。) 振り返ると、私自身も陥っていた罠があった。実年齢より若く見える人に対しての「○歳には見えない」という褒め言葉(?)について深く考えたこともなかった...
漠然と思っていた格差社会を筆者が丁寧に読み解いており、分かりやすい。(あくまで筆者の主観なので、本当にそうであるかは知らないが。) 振り返ると、私自身も陥っていた罠があった。実年齢より若く見える人に対しての「○歳には見えない」という褒め言葉(?)について深く考えたこともなかったが、これは「歳を取ること=良くないこと」である印象が強いからこそなのだと。若い方が見た目も溌剌としていて、何でもチャレンジできる、若い方が偉いという意識が私の底に染み付いてしまっているのだろう。そうは言っても、歳を取ることからは逃げられないし、どうにかこの若者礼賛社会から脱出したいのだが、今の日本に住み続ける限りは無理かもしれない…。 面白いと思ったのは、孤独でいることへの差別がなくなってきたこと。「クリぼっち」って確かにもう聞かなくなって久しい。誰かが誰かを下に見て馬鹿にする理由が減るのは良いことだと思う。 また、「推し」がいる人の方がいない人よりも幸せという説も興味深かった。私も「推し」がいる人を凄いね…そんな活力と時間とお金をかけられるんだ…くらいの遠い目で眺めていたが、本当はそこまで情熱をかけて活動している人が羨ましいのかもしれない。 かつては人から敬遠されていた事象が、現在は羨ましがられたりする様になってきた。 社会の格差はまだまだ変化していくのだろうと思う。それが悪い変化であれ良い変化であれ、幸せに生きていきたい。
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