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消費される階級 の商品レビュー

3.4

16件のお客様レビュー

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2024/10/30

酒井順子さんの言語力の高さや文体、それとテーマ的なものもあって、やや堅い印象を持つエッセイ本(というか、これはもう考察本に近いかも)ですが、内容としてはそこまで難解というわけでもなく。 「これをそういう視点から見たことはなかったな」という気付きが沢山あり、酒井さんの観察力や分析力...

酒井順子さんの言語力の高さや文体、それとテーマ的なものもあって、やや堅い印象を持つエッセイ本(というか、これはもう考察本に近いかも)ですが、内容としてはそこまで難解というわけでもなく。 「これをそういう視点から見たことはなかったな」という気付きが沢山あり、酒井さんの観察力や分析力に感心しました。

Posted byブクログ

2024/10/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

久しぶりのサカジュンさん。相変わらず筆が冴えています。(いやタイピングが?) この一冊がどういう一冊なのかということが「はじめに」に書かれてますがもうここからサカジュン節全開といいますか。 「序列をつけることは生き抜くための知恵」と。確かにそうですね。そんな風に考えたことなかったですがそう感じる序列・順番・差異はたくさんある。 どの話もじわり(というかニヤリ)と面白いのですが、とりわけ超高齢化社会の中で長生きしたくないと同世代と会話をする話があり、p162「そんなに長生きしたくないといいながら健康のために運動したりサプリメントを飲んだり毎年人間ドックに行ったりしている」という状態が出てきて吹き出しました。自分もそうだわと深くうなづき、しかしこんな人結構いるだろうなと改めて思いました。 モロヘイヤやキヌアを食べながら長生きしたくないと呟いている、というすごく健康に気を使ってる感がでている食べ物なのがまた何とも言えず面白い。 誰よりも健康に生きたいという欲をすごく感じる場面(笑) それから昨今の海外旅行の仕方について書かれた章は、自分も「へぇ!今ってそうなのか」と驚きました。自分が20代だった30年近く前は、まだネットというものがなく旅行会社へ行って飛行機のチケットを買い、海外旅行の時はトラベラーズチェック(今の何歳くらいまでの人知ってるんだろう…)を買ってそれから両替をして…という時代でした。全く飛行機さえも乗らなくなったので今の海外旅行事情にすごくウラシマ(太郎)感を感じました。 同じ章の「ASMR動画」というのも見たことはあるけどあれをそういうのか、ということも初めて知りました。 延々と大量の食べ物を可愛い女の子が食べ続けるだけの動画を自分は「大食いの動画」と思っていましたが(そういう側面?もあるかもですが)あれは咀嚼音を聴かせる動画だったんですね。 どおりで「ごくん」とか「くちゃくちゃ」とか随分聴こえるけど気にしないんだなあと。聴かせてるんですもんね。 知らないことがたくさんあるなぁ!と本当に驚きました。 サカジュンさんはやはりアンテナが立ってるんだなぁと改めて好奇心の強さやモノの見方に感心させられました。 でも「おわりに」でもちょっと触れてましたがポリコレにうるさい世の中となった今、そしてもっとそうなってくだろうこれからを思うとサカジュンさんのようなエッセイは発表しにくくなっていくんでは、と懸念します。この毒舌風(褒めてます)が面白いのに。 これからも社会の「正しさ」に負けずにエッセイを出していただきたいと願います。

Posted byブクログ

2024/10/14

普段、そこまで巷のあれやこれや、時代だの流れだのについて、あーだのこーだの語る機会が少ない中、酒井さんのエッセイは、近しい仲間とのたわいもない、あーだのこーだの議論(雑談)に近しいものと思いつつ、そこに気づきや知識が入ってくるので、さらにやめられない、欠かせない本になっています。...

普段、そこまで巷のあれやこれや、時代だの流れだのについて、あーだのこーだの語る機会が少ない中、酒井さんのエッセイは、近しい仲間とのたわいもない、あーだのこーだの議論(雑談)に近しいものと思いつつ、そこに気づきや知識が入ってくるので、さらにやめられない、欠かせない本になっています。昨今、会社での本当にくだらないこと、それはこと格差、階級が根幹にあることが多く、タイトルからグッときてしまったわけで。今後も息抜きできるエッセイを読ませて欲しいと切に思ってしまったのでした。

Posted byブクログ

2024/10/08

少しずつ読んでいったので、ゆっくり読んだのだが、いつも眠くなってしまったのはなぜだろう。 酒井順子さんのおっとりとした書きぶりのせいかなとも思うのだが、「階級」「格差」を描くにはおっとりすぎなのかもしれないなと思った。 最後のまとめが、どの章も、なんか「ふつう」なのだ。教科書とお...

少しずつ読んでいったので、ゆっくり読んだのだが、いつも眠くなってしまったのはなぜだろう。 酒井順子さんのおっとりとした書きぶりのせいかなとも思うのだが、「階級」「格差」を描くにはおっとりすぎなのかもしれないなと思った。 最後のまとめが、どの章も、なんか「ふつう」なのだ。教科書とおりの、どの方向からも文句の言われないまとめという感じ。切れ味という点では今ひとつでした。 きっと、酒井さんの性格の良さ?からくるのではないだろうか。 「負け犬の遠吠え」の時は切れ味鋭くて、酒井順子さん好きなんだけど、酒井さんは今は満たされているのかもしれない。

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2024/10/02

社会的立場、収入、家柄、学歴、パートナー・・。 何においても自分と他人を比べて、あの人より上、あの人より下と人を比べる性質は、人間の欲求であり普遍的なもの。 全部において賛同というわけではないけど、行き過ぎた階級思考や、正しいことをしない人たちに厳しい目を向けすぎることの危うさ...

社会的立場、収入、家柄、学歴、パートナー・・。 何においても自分と他人を比べて、あの人より上、あの人より下と人を比べる性質は、人間の欲求であり普遍的なもの。 全部において賛同というわけではないけど、行き過ぎた階級思考や、正しいことをしない人たちに厳しい目を向けすぎることの危うさを教えてくれてありがたかった。

Posted byブクログ

2024/09/29

一市民の目からの、人々の意識の変化についてのエッセイ集かな。学術的なものを予測していたけれど、これはこれで面白かったです。

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2024/09/15

エッセイは、特に酒井さんのは旬の時に読むのが最適というのが結論。時間を経てから、ああそういえばあの頃ああだったなぁと読むのも有益だが、今を切り取って考察していると、なるほど!と大いに興味が持てる。それにしてもこの人の本は読むと疲れる。もちろんいい意味で。一生懸命頭を働かされるので...

エッセイは、特に酒井さんのは旬の時に読むのが最適というのが結論。時間を経てから、ああそういえばあの頃ああだったなぁと読むのも有益だが、今を切り取って考察していると、なるほど!と大いに興味が持てる。それにしてもこの人の本は読むと疲れる。もちろんいい意味で。一生懸命頭を働かされるので疲れるのだ。特にウケを狙うということがないのでサカジュンさんは好きだ。とにかく差を無くそうという世の中だが、そうはいかない。それは人々は差別化が好きだからだ。社会的階級、性別、民族、収入、学歴、美醜。自分の位置に関わらず。

Posted byブクログ

2024/09/15

格差、差、別、差別の歴史を、作者の生きてきた時代から見て解説してもらった気がする。興味深い。 自分の思考の癖や染みついた感覚、また、自分に男性目線の価値観が刷り込まれていることに気づく。作者はそれを強く否定せず、しかし、肯定もしない。今、起きている昭和ブームは揺り戻しか。いい揺り...

格差、差、別、差別の歴史を、作者の生きてきた時代から見て解説してもらった気がする。興味深い。 自分の思考の癖や染みついた感覚、また、自分に男性目線の価値観が刷り込まれていることに気づく。作者はそれを強く否定せず、しかし、肯定もしない。今、起きている昭和ブームは揺り戻しか。いい揺り戻し、悪しき揺り戻しの判断をしたいものだ。 20代、30代の人はどんな感想を持ったのか知りたい。

Posted byブクログ

2024/09/09

このエッセイストなら面白いことは間違いない。 今回の内容は「階級」という「差」。 「日本ニハ階級ナンテアリマセンヨ」だって? いやいや、大っぴらにいうのは見えなくなっていても、ほらほら、X(Twitter)の中では、世間話の中では、でてますでしょ? 隣の庭は青いし、幸せそうだし...

このエッセイストなら面白いことは間違いない。 今回の内容は「階級」という「差」。 「日本ニハ階級ナンテアリマセンヨ」だって? いやいや、大っぴらにいうのは見えなくなっていても、ほらほら、X(Twitter)の中では、世間話の中では、でてますでしょ? 隣の庭は青いし、幸せそうだし、それに比べてうちは! でも下手に書き込んで炎上しても嫌だし…そんな多くの人のために。 この本どうぞ。 まぶた差別の回は面白い。 そうだ、パッチリ二重こそカワイイ、っていうのは違うよなぁと奥二重の私は染み入る思いだった。 そもそも可愛い、なんて誰かの主観でしかないのに。 とはいえ、自身の低くて丸い鼻も好きになれたらいいんだけど。 いまだに美醜に囚われてるな、情けなし。 「バカ差別が許される理由」も面白い。 バカ差別は差別でなく当然と思われている、とか、 「バカ本の著者達は、バカではありません。バカのバカっぷりが目についてしまい、イライラしてバカ本を書くのでしょう」(130頁) は的確な指摘だ。 本当にバカな話だが、バカバカ言っているのがどうにも面白い。 うむむ、バカバカ言っているのを笑う私はバカ差別主義者なのか。 それともバカと気付いていないバカだからバカをバカにしているバカなのか? いつもながら上手いと思うのは、笑いを交えながら、変なことは指摘し、しかし貶めるようなことは言わない点だ。 決めつけたり、押し付けたりしない文体はほっとする。 強い言葉を皆が使うからこそ、こういった言葉の使い方はありがたい。

Posted byブクログ

2024/09/06

著者のエッセイって私に中では当たり外れがあるんだけど、 これは”あたり”、面白かった。 ”親ガチャ””眞子さま問題””ジャニーズ性被害問題”にも触れますます著者に分析力は冴えわたる。 昭和の時代を知ってる者同士のあの時代のあるある話しも共感したわ。 面白く読了。

Posted byブクログ