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地震と虐殺 1923-2024 の商品レビュー

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2024/09/12

『#地震と虐殺 1923-2024』 ほぼ日書評 Day801 著者は、長年ヘイトスピーチ等と闘ってきたジャーナリストという触れ込み。 その方の手になる本書は、関東大震災直後に朝鮮人や中国人に対する大量虐殺があり、しかるに国や自治体がその事実を隠蔽していることを暴くことをテ...

『#地震と虐殺 1923-2024』 ほぼ日書評 Day801 著者は、長年ヘイトスピーチ等と闘ってきたジャーナリストという触れ込み。 その方の手になる本書は、関東大震災直後に朝鮮人や中国人に対する大量虐殺があり、しかるに国や自治体がその事実を隠蔽していることを暴くことをテーマとしている。 が、本書で示される「事実」の大半が単なる伝聞で、何らかの物証やしかるべき一次資料としての記録文書に依拠した主張は皆無と言って良い。巻末に記される参考文献・資料の「薄さ」も、それを裏付けるものだろう。 以下、いくつか例をあげておく。 京浜急行の神奈川鉄橋近くで、500名を超える朝鮮人虐殺があったと伝えられる。それほどの規模となれば軍隊の出動でもなければ不可能であろうとしながら、「だが、この近くで軍関与の虐殺があったことを示す資料は存在するのだ」とし、軍関係の記録係が「朝鮮人虐殺が行われたとされる場所を視察したという記述」を行っていることが、その証左であると結論づける。 何もなかったということはできないが、500人となれば、今時、東京の小学校の全生徒3-4校分ほどである。そうそう簡単に殺せるものでもないし、ましてやその遺体の処理をどうしたのかと、現実的な側面を想像すると、かなり牽強付会な論理の運びと言わざるを得ないだろう。 「前出『震災に伴う朝鮮人並に支那人に関する犯罪及び保護状況其他調査の件』には、中国人虐殺に関する記載はなく、警察が中国人を保護した事例だけが記録されているのであった。 一方、文書には山本らが掘り起こしてきた事例と合致するものもあった。 文書が『朝鮮人被害者42人』と記録する、横浜港埋立地における虐殺である」 もはや日本語の体をなしておらず、冷静に読むと、ネガティブイメージだけを伝えようとしているだけとしか読み取れない。 東亜日報の「編集局長・李相協が書いた連載記事」からの引用として、日本人と朝鮮人労働者の待遇の違いを示すが、これも当該資料からのニ次引用に過ぎず、例えば給与台帳等の一次資料にあたったわけでもない(「連載記事」にそうしたものが掲載されていたという記述もないので、単にコラム的な記事だったものと推測する)。これでは自らの主張に都合の良い資料だけを取捨選択して、引用のみでその根拠を示そうとしていると批判しても、否定はできないだろう。 まともな証拠・根拠を示すことなく、単なる印象操作で日本人が一方的に両国人に極悪なことをしたという主張のみを600頁の大著でおこなうのは余りにフェアでなかろうということを、今一度繰り返しておきたい。 https://amzn.to/3MIm0gH

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2024/08/29

差別やヘイトクライムの問題を追ってきたジャーナリストが100年余り前と現在を往還し、虐殺事件が及ぼし続ける様々な風景を描く。

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2024/08/25

関東大震災における朝鮮人の虐殺の現場を訪れ、残された記録や証言を丁寧に紐解きそこで起こった虐殺の記録を書いた本。 日本人全員読むべき本だと思う。 朝鮮人虐殺のことは歴史的事実として知ってはいたものの、この本を読んで自分は何も知らなかったと思い知らされた。 まず驚かされたのが、デ...

関東大震災における朝鮮人の虐殺の現場を訪れ、残された記録や証言を丁寧に紐解きそこで起こった虐殺の記録を書いた本。 日本人全員読むべき本だと思う。 朝鮮人虐殺のことは歴史的事実として知ってはいたものの、この本を読んで自分は何も知らなかったと思い知らされた。 まず驚かされたのが、デマを流布させたのが、国、警察、行政、新聞であったということです。 巷間で流布したデマだと思っていたので衝撃でした。 そして、自分が思っていたよりもずっと虐殺の範囲も人数も多かったことにもショックが大きかったです。東京のみならず、千葉、埼玉、群馬、神奈川と、関東全域で起こったことでした。 加害者たちの残虐性は目を覆うほど酷いものですが、朝鮮人への差別心が人をどこまでも残酷にしたということ、人はお墨付きさえあれば、どこまでも残虐になれるということ…は、後世に伝えていかなければいけないと思いました。 そして、各地の虐殺の事実を独自に何年もかけて取材した市井の人々の努力には頭が下がる思いです。 本書を読むと、震災の「混乱」が朝鮮人を殺したのではなく、日本社会の差別と偏見が朝鮮人の虐殺に導いた、ということがよく分かります。

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2024/08/21

震災100年・虐殺100年の現場 100年前の参事・現在の危うい社会の姿 差別と偏見の行きつく先に虐殺 「埋もれた歴史」を掘り起こす―東京・八広 虐殺を葬ろうとする人たち―東京・横網町公園、新宿 知られざる「軍民共同」の虐殺―千葉・船橋、習志野、八千代 “複合差別”が招いた「福田...

震災100年・虐殺100年の現場 100年前の参事・現在の危うい社会の姿 差別と偏見の行きつく先に虐殺 「埋もれた歴史」を掘り起こす―東京・八広 虐殺を葬ろうとする人たち―東京・横網町公園、新宿 知られざる「軍民共同」の虐殺―千葉・船橋、習志野、八千代 “複合差別”が招いた「福田村事件」の悲劇―千葉・野田 暴走する集団心理―埼玉・寄居、大宮、神保原、本庄、群馬・藤岡 港町に隠された虐殺の記憶―神奈川・横浜 殺をめぐる様々な風景―新潟・津南町、大阪・枚方、韓国、東京・亀戸、福島・西郷村

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2024/09/07

出版社(中央公論新社) https://www.chuko.co.jp/tanko/2024/06/005686.html 紹介、書誌データ 紀伊國屋書店のページ https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784120056864 内容紹介、...

出版社(中央公論新社) https://www.chuko.co.jp/tanko/2024/06/005686.html 紹介、書誌データ 紀伊國屋書店のページ https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784120056864 内容紹介、目次、著者紹介 書評 加藤直樹による書評(「東京新聞」20240804) https://www.tokyo-np.co.jp/article/344888 「日本経済新聞」(20240810) https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD292GZ0Z20C24A7000000/ 「毎日新聞」(20240817)著者インタビュー<文・栗原俊雄> https://mainichi.jp/articles/20240817/ddm/015/070/026000c

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