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雨夜の星たち の商品レビュー

3.9

26件のお客様レビュー

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2024/10/21

三葉の性格が羨ましくも感じた 察しないのはラクやけど、 ラクしすぎても、と思う 結局人と人が付き合うのは難しい

Posted byブクログ

2024/10/18

寺地はるなさんの本を読むのは初めてです。 最初はあまり面白くないかなと思いましたが、話が進むにつれて、淡々とした話の中にも主人公の変化が少しずつあり、読み終えたときは面白かったと感じました。 相手の気持ちを考えて発言・行動する、空気を読む…当たり前のように求められているけれど、...

寺地はるなさんの本を読むのは初めてです。 最初はあまり面白くないかなと思いましたが、話が進むにつれて、淡々とした話の中にも主人公の変化が少しずつあり、読み終えたときは面白かったと感じました。 相手の気持ちを考えて発言・行動する、空気を読む…当たり前のように求められているけれど、主人公のような考え方もあっていいのだと目から鱗でした。 「一度わかった気になると、それ以上のことをわかろうとしなくなる。だから相手がどうしてほしいとか、どう思っているかとか、決めつけるのは嫌だ」 わたしも相手の言葉の裏を読んでしまうことが多いのだけれど、素直に受け止める強さもほしいと思いました。 次は「ほたるいしマジカルランド」読みます!

Posted byブクログ

2024/10/13

背表紙の帯の「合わせないとダメですか?」に惹かれて買った本。 三葉は私の根っこの部分でいつも燻っている気持ちを揺さぶる主人公だった。 人はみんな違う。感じ方も受け取り方も、違う。 環境が違えば常識も違う。でも、共感や言わなくてもわかる、を求めてしまう人のなんと多いことか。 それ...

背表紙の帯の「合わせないとダメですか?」に惹かれて買った本。 三葉は私の根っこの部分でいつも燻っている気持ちを揺さぶる主人公だった。 人はみんな違う。感じ方も受け取り方も、違う。 環境が違えば常識も違う。でも、共感や言わなくてもわかる、を求めてしまう人のなんと多いことか。 それができない人や自分が欲しい返事をしてくれない人を、冷たい(クールというと聞こえは少しは良いような気はするけど)とか人の気持ちがわからないとか言うのは、あまりに短絡的だと。 心はあります、と三葉も言っていた。 うんうん、と心の中で頷きながら読んだ。 三葉や星崎くんの様に、集団からなんとなく浮いてしまう人間(わたしもここに入るな)には、分かり合えない関係はあっても、どこかに合う場所はあるよ、そんな優しさを感じる終わり方が良かった。 いい本に出会えて良かった。 またいつか読み返したくなると思う。 作者の他の本も読んでみたい。

Posted byブクログ

2024/10/06

寺地さんの描く世界は日常。そこらに埋もれている日常に光を当てて掘り出すことで、読者にとって、日常がなんと愛おしく、刹那的なものであるかに気付く。三葉も、「特殊」なようでいて、実は普通の人。大勢の側ではないだけで、普通にいる。誰しもが自分を抑えつけて大勢の中に紛れて 生きている。そ...

寺地さんの描く世界は日常。そこらに埋もれている日常に光を当てて掘り出すことで、読者にとって、日常がなんと愛おしく、刹那的なものであるかに気付く。三葉も、「特殊」なようでいて、実は普通の人。大勢の側ではないだけで、普通にいる。誰しもが自分を抑えつけて大勢の中に紛れて 生きている。その加減がうまくいくかいかないかなんだろうな、生きやすさ、生きにくさって…と思った。

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2024/10/02

「嘘や建前ば言わんとは、ただ自分が楽したかだけのこつやろうもん。他人にはいっさい 気遣いとうなかて、そらただの怠慢たい」 嘘や建前を言わず、やりたくないことはしない、そんな雨音に向けられた言葉。 私もずっと「嘘や建前」「察する」ことは善だと、大人の嗜みなんだと思ってきた。 読み...

「嘘や建前ば言わんとは、ただ自分が楽したかだけのこつやろうもん。他人にはいっさい 気遣いとうなかて、そらただの怠慢たい」 嘘や建前を言わず、やりたくないことはしない、そんな雨音に向けられた言葉。 私もずっと「嘘や建前」「察する」ことは善だと、大人の嗜みなんだと思ってきた。 読み始め、雨音の言動がいまいち理解できないというか、「うーん…?」という気持ちだったのはそこから来ているのかもしれない。 読み終わった今、過剰に他人に気を遣うことってはたして本当に必要なんだろうかと思う。それって本当に「気遣い」なのかな。人間って疲れる。 表紙のイラストの傘はあのシーンだったのか、と気付いた。 ●よくある話だ。話を聞いた時、まずそう思った。日本全国にたくさんあるようなよくある話で、でもだからセツ子さんは我慢すべきであった、と言いたいわけではない。「よくある話」が身に降りかかった際に、よくある話なので明るく乗り越えろと強制することは、暴力だ。「よくある話」は自分の身に降りかかればすべて個人的で特異な事情となるのだから。

Posted byブクログ

2024/09/22

三葉雨音は、本当に空気が読めないのだろうか。常識や暗黙の了解が分からないのだろうか。途中からそんなことを考えながら読んだ。 三葉の生き方を「楽をしている」と言った人もいたけれど、三葉は三葉でお酒を飲むことで“いろんなものの輪郭を曖昧に”することで保っている。それは「楽」ではない...

三葉雨音は、本当に空気が読めないのだろうか。常識や暗黙の了解が分からないのだろうか。途中からそんなことを考えながら読んだ。 三葉の生き方を「楽をしている」と言った人もいたけれど、三葉は三葉でお酒を飲むことで“いろんなものの輪郭を曖昧に”することで保っている。それは「楽」ではないからではないのか。 逆に、空気を読む人、常識や暗黙の了解が分かる人たちだって、そうすることが「楽」だからじゃないのかな…。そもそも、空気とか常識とか、暗黙の了解って何だ? 私自身そういうのが、全くわからないタイプではないと思っているけれど、誰かに「常識でしょ」と言われると、なんだよそれ、と思うし、自分の常識は人にとっては非常識だと思うことも多々ある。 自分を自分として受け入れることも、自分とは違う他人を否定せず認めることも難しいよなぁと思う。 三葉の周りの人たちは、三葉を受入れたり受け入れられなかったり、三葉自身も他人を受け入れたりうけいれられなかったり。 みんな、そうやって生きているんだと思う。

Posted byブクログ

2024/09/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

主人公の三葉は勤めていた会社を辞めて、現在は病院の付き添いやお見舞いなどを家族などに代わって行う『しごと』をしている。 三葉が淡々としていて冷たい印象に感じることもあったし、はっきりとしているところには憧れた。この本を読んで感じたのは、人の気持ちを感じ取るのって難しすぎるし、やらなくてもいいのかも。もっと正直に生きよう!だった。三葉は『しごと』を通して、頑固なお爺さんやおしゃべりな女性たちと出会い、変わっていないけどきっと変わってる。普段は『言われたことはやりますが、必要がないことはやらないし、やりたくないこともやりません』という雰囲気の三葉が、家族との思い出の遊園地に行きたいという頑固爺さんの願いを叶えるために病院の屋上でビニール傘に絵を描いてメリーゴーランド風にしたりとか、何度も付き合って話をしているうちにきっと三葉にも優しい気持ちが芽生えたんじゃないかなと思う。 人に感情移入する、しない。何も言ってないけど察することの難しさと煩わしさ。確かに私もはっきり言わないで察してくれよーってことあるな…。相手に無言で期待しちゃってることもある。でも逆の立場だとハッキリ言ってよ!ってこともあるよね。 こんなに自分の気持ちに正直に生きられたら楽なのかな。でもここまで正直だと、周りから浮いてしまって行きにくくなってしまうのかも、とも思った。本当に自由に生きていくのって強くないと難しい。

Posted byブクログ

2024/08/20

生きづらさをもつ主人公の考え方、何故か親近感をわきつつ、親の立場で見れば心配でもあり。誰の視点で読むかで感情が揺さぶられる場面が変わりますが、ここまで正直に人間の有り様を書いてもらえると自分の異常性も当たり前に感じられました。

Posted byブクログ

2024/08/20

家族って難しいものなのかもしれない。 近い間柄だけれど、考え方や生き方も違うのに家族だからという言葉に縛られているようにも感じる。 一緒にいて、居心地の悪さや疎外感を感じるなら距離をおいて暮らす方が生きやすいはず。 仲良し家族なら、それは幸せな事だと思う。

Posted byブクログ

2024/08/17

作者さんの作品を読むのは初めてではないですが、大好きになりました。 ちょっと人の嫌な部分を皮肉った感じで見ることが出来るお話です。 主人公は「できないなことは、できません。やりたくないことも、やりません」と言い、他人に感情移入出来ない、空気、常識、暗黙の了解が分かりません。それを...

作者さんの作品を読むのは初めてではないですが、大好きになりました。 ちょっと人の嫌な部分を皮肉った感じで見ることが出来るお話です。 主人公は「できないなことは、できません。やりたくないことも、やりません」と言い、他人に感情移入出来ない、空気、常識、暗黙の了解が分かりません。それを自分は出来てるいると思っている人から主人公に投げかけられる非難めいた言葉に、よっぽどあなた達の方が非常識で不幸じゃない?と思ってしまいました。何故か自分は頑張っているのに上手くいかないと思って生きている人の中に主人公のような生き方を非難する人はいるよなーと。 こんなに面白く読めた本は久しぶりな気がしました。

Posted byブクログ