塞王の楯(下) の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
テレビでお城好き芸人が言っていた、穴太衆のキーワード一語だけでこの本に興味を持ち、同じ番組に著者がテレビに映っているのを見て、あまり馴染みのない歴史物に手を出して見たのだが、中々面白かったと思う。もう少し堅苦しいお話なのかな、と思っていたが、職人対職人の信念の戦い、という感じが少年漫画的な熱く、ドラマチックな感じで良かった。こういう読みやすい感じなら、今まで手を出していなかったジャンルに手を出すのもありかもしれない、と思えた。読書といえども、どうしても興味のない物は読まなかった今までを考えると、〇〇賞受賞というのも、新たな出会いを生むきっかけになるのかもしれない。直木賞とか名前聞いたことあるなぁ、ぐらいだけど手に取ってみて良かった。他の作品とかも機会があれば読んでみたい。さて、関ヶ原に行きそうで行かない、大津城での戦いは、熱く手に汗握る展開の連続。上巻で微妙に好かなかった彦九郎にも、次はどうなる?!とどう出る?!と、先が気になって読む手が止まらない。そうだよな、国友は国友で色々考えてるんだよな、と嫌っていたことを少し反省。同じ思いでもやり方が違うってことは、現代でも多々ある。そして、示し合わせたかのように、要石と雷破が壊れてしまう、嘘みたいな本当の話、というのも現代でもある。しかし、戦の無い世の中というのは、人間が存在している限り、不可能なものなのだろうか。解説にあるように、かなり難しいことではあるけれども、石垣をどんな状況でも積み続ける穴太衆のように、平和も少しずつ確実に積んでいかなければならないんだな、と思った。
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今村さんの小説はとにかく熱いですね。 シンプルな話ながら、後半につれての盛り上がりが、かなり素敵で、味方共に仕事っぷりというかプライドをかけた感じがかなりかっこいい。今の時代ではないところでの命を懸けた感じに引き込まれます。 良作。
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矛盾。大切なもモノを守るための行動が、人を攻撃する行動となる。人の歴史で繰り返されていること。この繰り返しは寂しさ、悲しみしか残さない…。この悲しみを止めるたい。
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上下巻、あっという間に終了。 手段は異なるが、戦争のない世界を作りたいという同じ信念を持つ二人の男。 それが関ヶ原の戦い前段の大津の地で雌雄を決する攻防が行われる。 彼らを取り巻く人物達も信念を持った颯爽とした傑物揃いで読んでいて心地よい。 時代の本流の傍らに視座をずらした秀逸な...
上下巻、あっという間に終了。 手段は異なるが、戦争のない世界を作りたいという同じ信念を持つ二人の男。 それが関ヶ原の戦い前段の大津の地で雌雄を決する攻防が行われる。 彼らを取り巻く人物達も信念を持った颯爽とした傑物揃いで読んでいて心地よい。 時代の本流の傍らに視座をずらした秀逸な物語の世界観を堪能し楽しく読了しました。
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これは面白い!!僕は、最近、なんか体がだるくて、本を読む気力が減退していたのだけれど、この作品は、2日で読んでしまった。盾と矛との知略の粋を極めたやり取りに、なんか映画を観ているようだった。とくに、石を使ってそんなことが出来るのか?!と、驚きの連続だった。
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大傑作を読んでしまった。 もっと早く読んでおくんだった、と後悔するレベルの大傑作。 戦乱の世、石垣作りを担う穴太衆の話。 戦国大名たちの人間関係はよくわからなくても読めます。 関ヶ原の戦いの話か、と思ったら、関ヶ原まではたどり着かなかった。それでこの満足感。すごい。 石垣で守...
大傑作を読んでしまった。 もっと早く読んでおくんだった、と後悔するレベルの大傑作。 戦乱の世、石垣作りを担う穴太衆の話。 戦国大名たちの人間関係はよくわからなくても読めます。 関ヶ原の戦いの話か、と思ったら、関ヶ原まではたどり着かなかった。それでこの満足感。すごい。 石垣で守るのか、鉄砲が打ち砕くのか。 矛と盾をこう描いてくるとか、本当天才かよ。 守るのか攻めるのか。どちらが泰平の世の中に必要なのかを問いかけてくる。 ハードボイルドすぎる歴史小説。 登場人物みんな愛おしくて魅力的なところがすごい。
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塞王の楯、ずっと気になってた。文庫版になってすぐに読んだ。感想は上巻の方に書きました! 追加するとすると、下巻の巻末に載っている解説が、加藤シゲアキによるものということ。こちらも最新作が気になっている。すっかり作家ですよね。すごいなぁ。
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とても面白かった。ハラハラしながら読んだ最後の章は胸熱でした…。読みおわってしまうのが勿体無い。もっと匡介の仕事ぶりが見たいと思いました。
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伏見城での戦いを経て 大津城の戦いへ 匡介(穴太衆)、彦九郎(国友衆)、玲次 京極高次(大津城主)の想いがつまった 壮絶な戦いでした これでもかというぐらいの矛盾のせめぎ合い 素晴らしかった 最後の石垣の要石が壊れるあたり 穴太衆に百姓が命を顧みず篝火をもってきてくれるところ、...
伏見城での戦いを経て 大津城の戦いへ 匡介(穴太衆)、彦九郎(国友衆)、玲次 京極高次(大津城主)の想いがつまった 壮絶な戦いでした これでもかというぐらいの矛盾のせめぎ合い 素晴らしかった 最後の石垣の要石が壊れるあたり 穴太衆に百姓が命を顧みず篝火をもってきてくれるところ、べただけど、勝手に情景を想像して感動してしまった。 降伏した後の 匡介、立花宗茂、彦九郎の会話が全てなのだろう 泰平の形、泰平の質は矛が決める訳でも、楯が決める訳でもない。決めるのは人の心であると。 ここにつきるのだと。 最後はほんわか終わってしまいましたが 匡介と夏帆は幸せになってくれたのであろう 改めて歴史において 京極高次、立花宗茂あたりの活躍は もっと調べようと思いました 楽しかったぁ〜 大津城の後地を見に行こう
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やはり守る側の方が不利なイメージがあったが、下巻はすでに苦戦続き。上巻で苦労した作った水路が壊されたことにも悲しくなった。 その後も雷破にやられ続け、これからどう逆転するのか絶望感しかなかった。 しかしようやく盾の意味がわかるようになる。なんで城の石垣が最強の盾なのか始めは分から...
やはり守る側の方が不利なイメージがあったが、下巻はすでに苦戦続き。上巻で苦労した作った水路が壊されたことにも悲しくなった。 その後も雷破にやられ続け、これからどう逆転するのか絶望感しかなかった。 しかしようやく盾の意味がわかるようになる。なんで城の石垣が最強の盾なのか始めは分からなかったが、そういうことなのね。 盾と矛の結末はやはりそうなるか、と何となく予想はできてしまった。矛盾のエピソードはどうしても、自分達世代は聖闘士星矢のドラゴンの聖衣を思い出してしまう(笑) そうなると、やっぱり単純な結果は想像してしまうなあ。 とはいえ両陣営ともやりきった感があり、悲観することなく終焉を迎え、サッパリとした結末に。 また改めて、京極高次と立花宗茂に興味が湧いた。立花宗茂については全く知らなかった人物だったので後でまた調べたくなった。
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