力道山未亡人 の商品レビュー
寡聞にして知らなかった、というか考えることもなかった力道山未亡人の物語。 負債を含めて遺産を引き継いだのだから当然という見方もあろうが、プロレスに関わり続けているというのが興味深い。 本筋とは別だが、未亡人と日本航空同期入社で公私ともに交流のあった安倍譲二氏の人となりに触れられて...
寡聞にして知らなかった、というか考えることもなかった力道山未亡人の物語。 負債を含めて遺産を引き継いだのだから当然という見方もあろうが、プロレスに関わり続けているというのが興味深い。 本筋とは別だが、未亡人と日本航空同期入社で公私ともに交流のあった安倍譲二氏の人となりに触れられている部分も面白かった。
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とにかくすごい半生を送ってこられた未亡人の敬子さん。そんな敬子さんが今も元気で店頭に立ってる姿は、苦労を微塵も感じさせなくて、明るそうな笑顔に読み終えたあと少しホッコリさせてくれる。 力道山の生い立ちも知ることができ、猪木や馬場といったレスラーとの関係性も良く分かって、面白い一...
とにかくすごい半生を送ってこられた未亡人の敬子さん。そんな敬子さんが今も元気で店頭に立ってる姿は、苦労を微塵も感じさせなくて、明るそうな笑顔に読み終えたあと少しホッコリさせてくれる。 力道山の生い立ちも知ることができ、猪木や馬場といったレスラーとの関係性も良く分かって、面白い一冊だ。
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とても力強い本でした。 天下の力道山を伴侶に持つということは並大抵の精神では務まることはできないのだと分かります。 アントニオ猪木は力道山にずっと虐げられていたのだと思っていたのですが私の勘違いで彼は力道山の寵愛を受けて付き人をやっていたことに驚きました。 作家の安部譲二の経歴にもこれまたびっくりしました。
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『力道山未亡人』は、戦後日本のプロレス界の英雄・力道山の4人目の妻、田中敬子さんの数奇な半生を描いたノンフィクション作品である。敬子さんは日本航空の客室乗務員として働いていたが、21歳で力道山と結婚。しかし、結婚からわずか半年後、力道山は暴力団員に刺され、手術後の医療ミスも重なり急逝した。当時22歳で妊娠7か月だった敬子さんは、夫の連れ子3人と自身の子供を抱え、さらに力道山が経営していた5つの会社の社長職と約30億円(現在の価値で約100億円)もの負債を引き継ぐこととなった。 未亡人となった敬子さんは、プロレス業界や政財界、さらには裏社会との複雑な関係に翻弄されながらも、夫の遺志を継ぐため奮闘した。特に、プロレス興行の収益が暴力団の資金源となっていた当時の状況や、政界との癒着など、戦後日本の裏側が詳細に描かれている。また、アントニオ猪木やジャニー喜多川など、後の日本のエンターテインメント界を代表する人物たちとの関わりも興味深い。 敬子さんは、夫の死後も再婚せず、力道山の遺産整理や会社経営に尽力した。その後、相続税の支払いのために多くの資産を手放すこととなったが、最終的にはリキアパートを手元に残し、現在は新日本プロレス関連のショップで働きながら、80歳を超えてもなお元気に過ごしている。 本書は、力道山の死後、未亡人として生き抜いた敬子さんの強さと人間性、そして戦後日本の社会構造やプロレス界の裏側を描いた傑作ノンフィクションである。
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田中敬子氏の半生より当時の政治家や暴力団も含めた裏社会のドロドロした感じが伝わってきてそっちの方に興味がわいた。 あんな社会の一面を知ると本当に日本を牛耳っていたのは誰だったのかな、とか考えてしまう。 少なくとも当時の総理大臣で無い事は確か。 それは現代でも同じなんだろうな。
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なんと勇気ある結婚だったことか。 この本には書ききれないほどの 苦労があったと思う。 そして リキさんの死の真相は闇謎のまま。 当時の半島関連、プロレス界の闇は深い。
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かの力道山の奥様、田中敬子さんを中心に、力道山の後始末を描く。 当時のプロレス、あまりにも興行的すぎて、儲かって身を持ち崩す、絵に描いたようなそんな世界。 力道山自体はいろんな事業を、将来見据えてやろうとしてたんだがな。存命していれば、本当に、日本の光景のいろんなところが変わっ...
かの力道山の奥様、田中敬子さんを中心に、力道山の後始末を描く。 当時のプロレス、あまりにも興行的すぎて、儲かって身を持ち崩す、絵に描いたようなそんな世界。 力道山自体はいろんな事業を、将来見据えてやろうとしてたんだがな。存命していれば、本当に、日本の光景のいろんなところが変わっていたかもしれない。 つか、やっぱり裏社会との関係もあるし、こんな大物の人気者がいたら、大問題になってたかなあ。 プロレス界のこれまで語られて来たことをひっくり返すような内容もあって、そこは面白かったが、全体として、やっぱり、結婚半年で全部押し付けられて、いろんな思惑に振り回されるだけだった敬子氏。 経営者、事業者、社会への影響としては、単に、力道山の奥様であった以外に何もなかった。著者の言いたいこととは違うのかもしれないが、単に受け身で振り回されてしまったご婦人という印象。
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ご主人だった力道山は、自分が生まれる前の有名人という括りだが、奥様の田中敬子さんは今もプロレスショップで働いている。カウンターに立つ近影は、品のある笑みをたたえお元気そうだ。本作の主人公である。 聡明 ジェットコースターのような人生とよく言うが、望まざるして矢面に立たされ、も...
ご主人だった力道山は、自分が生まれる前の有名人という括りだが、奥様の田中敬子さんは今もプロレスショップで働いている。カウンターに立つ近影は、品のある笑みをたたえお元気そうだ。本作の主人公である。 聡明 ジェットコースターのような人生とよく言うが、望まざるして矢面に立たされ、もう降りれないんだと覚悟し、ご主人を愛し続けることで何とか苦難を乗り越えようとする度胸に感銘した。 男社会、裏社会のおっかない人たちを相手によく生き抜いてこられたものだ。 寸分の苦労も感じさせない微笑みがカッコイイ。さらに幸せな人生を送っていただきたい。
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読書記録80. #力道山未亡人 昭和のヒーロー 力道山 その半生と結婚後、半年で未亡人となった妻の物語 外交官を志し大学進学を希望しながらも、その過程で日本航空の客室乗務員となり、当時の女性としては第一線で活躍していた田中敬子さん 日航の同期には安部譲二氏がいらしたとか 大...
読書記録80. #力道山未亡人 昭和のヒーロー 力道山 その半生と結婚後、半年で未亡人となった妻の物語 外交官を志し大学進学を希望しながらも、その過程で日本航空の客室乗務員となり、当時の女性としては第一線で活躍していた田中敬子さん 日航の同期には安部譲二氏がいらしたとか 大学進学の希望を持つきっかけをくれたのが 大宅映子さん 関内の天麩羅屋さんのお嬢さん、原由子さんと共に暮らした一時期があるなど、プロレス界、相撲界のみならず誰もが知る昭和の著名な方々の名前が次々と出てくる本書 昭和のヒーロー力道山よりも その妻田中敬子さんが魅力的に描かれている
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確か…力道山が自分の半生を自分で演じた変わった映画の題名は「力道山物語 怒涛の男」だったような…ってことを思い出させるくらい、力道山の妻も「怒涛の女」でした。ただし、「怒涛の男」はマチズモの大奔流であるのに対して、「怒涛の女」はその激流に翻弄されるというより、乗りこなしていくサー...
確か…力道山が自分の半生を自分で演じた変わった映画の題名は「力道山物語 怒涛の男」だったような…ってことを思い出させるくらい、力道山の妻も「怒涛の女」でした。ただし、「怒涛の男」はマチズモの大奔流であるのに対して、「怒涛の女」はその激流に翻弄されるというより、乗りこなしていくサーフィンの達人のような人生なのです。淡白と言えるくらいの執着の無さと、すべてを受け入れる寛容性に眩しさを感じました。もしかしたら戦後日本の気分とは、こう言いう楽天性だったのではないでしょうか?逆に「力道山未亡人」という視点から見ることで戦後の男たちの欲望と謀略と野心の物語もくっきり浮かび上がります。そしてプロレス業界に埋め込まれたマスターナラティブに対しても異議申し立てがなされていきます。知ってるつもりだった歴史にも、えっ!そうだったの?が満載でした。特に1975年12月11日の武道館「力道山十三回忌追善試合」と蔵前国技館「アントニオ猪木対ビル・ロビンソン」の対立の経緯に対する考察には知的興奮を覚えました。それにしても「沢村忠に真空を飛ばせた男」の野口修にしても、「力道山未亡人」の田中敬子にしても、著者の視点人物の発見の新鮮さにはただただワクワクをもらえます。前作同様、本作も「右翼・興業・格闘技」の日本の地下水脈の物語なので、さらなる語り部や憑代も登場する予感がいっぱいです。プロジェクトXの「地上の星」ならぬ、アンダーグラウンド「地下の星」の星座をまた見せてください。
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