よって件のごとし の商品レビュー
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今回もゾクゾクしたぁ とっても怖かった でも、どこか温かみがある作品でした。 私のお気に入りは、「よって件のごとし」です。 はじめの印象は、「まさかのゾンビ!?」という感じで意外性があって、スルスルと話を読み進めていけたけど、段々と「ひとでなし」の秘密が分かってきて、じわじわと怖さが来て、手が止まってしまうことがありました。でも、「怖い」だけじゃ終わらない。 最後の宗右衛門が噛まれそうな所、一瞬何が起こったのか分からなくて何度も読み返しました。常吉の行動、2人で帰っていく姿、切なくて、でも どこか常吉は嬉しそうで、不思議な感情が湧きました。 読了直後で、まとまりのない文章になってしまいましたm(_ _;)m
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三島屋変調百物語も8冊目、35~27話目を収録。 「賽子と虻」に「土鍋女房」はどちらもこの国に八百万の神さまがおられるからこその怪異譚。人間は神さまの気まぐれに翻弄されつつしたたかに生きる。一神教にはない土着信仰の味わいが十分に生かされていて、怖くて悲しいけど昔話的に良い物語だった。 そして表題作「よって件のごとし」はまさかのゾンビ譚かつマルチバースもの。アクションが冴えわたる活劇だったことにもびっくり。そういえば宮部みゆきはキングの信奉者でもあったねぇ。 まだ1/3過ぎたとこやのに、三島屋の流れにもなんとなく不穏な空気が立ち込めだした本作。百話まで読みたいねんけどなぁ…(次回作はとりあえず出版されている)
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本書第一話は、何者かが虻の神に願った呪いが中心のはずだが、八百万の神様が集う賭場の里で暮らす餅太郎の話が『千と千尋の神隠し』を彷彿させてしまい……。第三話はゾンビだね。差渡し四間ばかりの池を挟んで彼岸と此岸がつながる世界。池を回り込んでも相手の村には行けないの? という疑問は無粋...
本書第一話は、何者かが虻の神に願った呪いが中心のはずだが、八百万の神様が集う賭場の里で暮らす餅太郎の話が『千と千尋の神隠し』を彷彿させてしまい……。第三話はゾンビだね。差渡し四間ばかりの池を挟んで彼岸と此岸がつながる世界。池を回り込んでも相手の村には行けないの? という疑問は無粋なのか? 巻末にこれまで語られた話が載っているが、本書で通算37話。百物語の半分もいっていないが、初代聞き手のおちかの出産を機にすることで充電期間に入るのかな? 怪異譚を紡ぐのは実に難しい。
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安定に面白い! 千と千尋の神隠しを思わせるような話もあったが、そこは宮部みゆき、一捻りも二捻りもあって面白かった!
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面白い。 だんだんと富次郎さんが物語の聞き手として成長し、大人になっているような。 伊一郎さんも帰ってきて、これから三島屋はどうなるのかな。 『賽子と虻』はファンタジー大作。 『よって件のごとし』はもっと酷い話なのかと思ってたから、割と平和に終わって安心した。サスペンス感があっ...
面白い。 だんだんと富次郎さんが物語の聞き手として成長し、大人になっているような。 伊一郎さんも帰ってきて、これから三島屋はどうなるのかな。 『賽子と虻』はファンタジー大作。 『よって件のごとし』はもっと酷い話なのかと思ってたから、割と平和に終わって安心した。サスペンス感があってドキドキした。
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なかなか読む時間が取れず…ちまちま読み進めた今作でした。 やはり表題作「よって件のごとし」がインパクトありました。まさかのゾンビパニックとは(꒪⌓︎꒪) そう言えば宮部さんはそっち系も書く人だとすっかり忘れてた笑笑 ただ今作は怖さの中にも哀しみ… 哀愁って言うのかな… それが...
なかなか読む時間が取れず…ちまちま読み進めた今作でした。 やはり表題作「よって件のごとし」がインパクトありました。まさかのゾンビパニックとは(꒪⌓︎꒪) そう言えば宮部さんはそっち系も書く人だとすっかり忘れてた笑笑 ただ今作は怖さの中にも哀しみ… 哀愁って言うのかな… それがちょっと物足りない(๑¯ ³¯๑) ☆3.5くらいかな…
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面白い。怖くはないし、最後はゾンビものだったけど、読み続けたくなる面白さがある。人の温かさがある。最後の言葉だけど、繋がる縁はどんな困難でも繋がるって、繋がらないなら縁が無い。終わった後に言えることなのかもしれないけど、何となく分かる気がした。ちょっとやそっとのことじゃその人との縁はなくならない。
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やはり富次郎よりおちかが聞き手となり、物語が展開するほうがよかった。 出てくる話も人の業や裏にあるダークさがあって。『曼珠沙華』を読んで、シリーズをもっと読みたいと思ったくらいなので。 シリーズが長く続くと最初のころからの読者も迷いがち。 ただ、最後の『よって件のごとし』は、特...
やはり富次郎よりおちかが聞き手となり、物語が展開するほうがよかった。 出てくる話も人の業や裏にあるダークさがあって。『曼珠沙華』を読んで、シリーズをもっと読みたいと思ったくらいなので。 シリーズが長く続くと最初のころからの読者も迷いがち。 ただ、最後の『よって件のごとし』は、特に語り手がやってきて、話し始めるあたりはシリーズ最初の頃のような雰囲気があって好きです。
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目次 ・賽子(さいころ)と虻 ・土鍋女房 ・よって件のごとし 日本の神様って、あらゆるところに存在して、様々な姿かたちをしているのに、やることがどうにも人間臭い。 『賽子と虻』は、主人公たちの村で信仰している神・ろくめん様の、賽子賭博での大負けがそもそもの話の発端となる。 ろくめん様は、賭けの相手である虻の神を一緒に祀ることで負けをチャラにしてもらうのだが、巡り巡って主人公の餅太郎の姉が虻の神に祟られ、死に瀕する状態になる。 大好きな姉を救うため、餅太郎は姉の祟りを飲み込み、神様の賭博場で神様たちのお世話をすることになる。 この餅太郎が、読んでいると「幸福の王子」に思えてくる。 自分だって決して恵まれているわけじゃないのに、つい困っている人のために後先考えずに動いてしまうのだ。 いつの日か家族のもとに帰れることを夢見て、餅太郎は毎日を誠実に生きるのだけど、その終焉は突然で、しかも想像だにしなかった理由からだった。 この世界に戻ってきた餅太郎は結局家族と会うこともかなわず、燕の神様を助けたときに萎えてしまった足は今もよく動かせず、年よりよりも働きが悪い。 あんなにいい子の餅太郎の行く末がこれか、と思うと、神も仏もないような気がするけれど、結局神も仏も人間が信心しない限りは存在すらできないのだよという虚無感は作者の絶望なのだろうか。 『よって件のごとし』も、降ってわいた災厄に立ち向かい、生き延びることのできた話だけれど、結局災厄の原因もわからなければ、今後起こらない保証もないわけで、それは地震や火山の噴火のような自然災害であれ、原発事故のようなある意味人災のようなものであれ、今を生きる私たちにも突き付けられたナイフのようなもの。 3つの話はどれも長いスパンの物語で、その中で幸せだった時もあったのだろうけれど、どうにも終わり方がスッキリしない。 救われていない。 これが聞き手の富次郎の問題なのか、作者の問題なのかは今後を読んでいかないとわからないなあ。
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再読。これで37話を聞き終わったことになるそうだ。百物語まで続くのか、続けられるのか、シリーズ全体の行方も気になるし、1話1話のバリエーションとクオリティも気になる。ここまではいろんな話が聞けるという楽しさを存分に味わっている。どこが終着点かはわからないけれど、最後まで続いてほしいな。
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