読んでばっか の商品レビュー
彼女が紡ぐ芳醇な言葉の数々は、積み重ねられた膨大な読書量から来るものだと思い知らされる一冊であった。紹介されている物語は、海外ミステリーなど興味の湧かないものも多々あったが、谷川俊太郎氏の『トロムソコラージュ』、佐野洋子氏の『そうはいかない』は手に取ってみたいと思った。 江國香...
彼女が紡ぐ芳醇な言葉の数々は、積み重ねられた膨大な読書量から来るものだと思い知らされる一冊であった。紹介されている物語は、海外ミステリーなど興味の湧かないものも多々あったが、谷川俊太郎氏の『トロムソコラージュ』、佐野洋子氏の『そうはいかない』は手に取ってみたいと思った。 江國香織さんの文章は、私には言葉が巧み過ぎて読み進めるのにとても時間の掛かるものだった。だが、『街との親和性、そして方向音痴のこと』の章では、「子供のころに住んでいた街」と「今住んでいる街」とに感じる記述があり、それには同じような気持ちを抱くことができた。彼女の単行本に付けられるタイトルはいつも「江國香織っぽい」もので、「今度はそう来たか」といつも思わせる。
Posted by
旅人同士で、行った場所を共有し合うような情報量になれば、、とあとがきに書かれてた。まさに。 江國香織さんの言葉が私は好き。表現が好き。読みたい本がまた増えた。
Posted by
作家のなかには、読書好きが高じて書き始めたのだろうなと思う方がたまにいる。一体いつ書いてるのか不思議になるくらい読んでいる方がいる。私の好きな作家で言うと、三浦しをんとか恩田陸とか。江國香織もそういうたぐいの作家だったのだなとこの本を読んで知った。 この本は、江國香織による、何...
作家のなかには、読書好きが高じて書き始めたのだろうなと思う方がたまにいる。一体いつ書いてるのか不思議になるくらい読んでいる方がいる。私の好きな作家で言うと、三浦しをんとか恩田陸とか。江國香織もそういうたぐいの作家だったのだなとこの本を読んで知った。 この本は、江國香織による、何十冊もの本のレビューを集めたものだ。読んでばっか、というタイトルのとおり、お風呂の時間(2時間!)と家の外にいるときのひとり時間のほとんどは、本を読んで過ごしているらしい。とても親近感。 不思議なのは、好きな作家が読んできた本と自分の読書遍歴があまり被らないということだ。今回もそうで、江國香織が紹介するたくさんの本のほとんどすべて、読んだことがなかった。でも私は彼女の書く作品の空気感や描写やキャラクターが大好きで、それはきっと彼女の読書で培われたセンスや思想によるものだと思われ、そうすると、彼女の世界を作る一片になっている作品たちも読んでみたくなる。なによりも、好きな作家による愛にあふれた書評に心誘われる。 読みながら、何冊もの本のタイトルと著者のメモを手元に残し、図書館に予約依頼をした。海外ものが多い。新たな出会いにワクワクする。
Posted by
江國さんのエッセイ、書くことより読むことが好きな様子でいろんな本が紹介されてましつぁ。 一つ一つのエピソードが短くて物足りないのですが、海外の本や、故人の作家の純文学の語りが多くどれも読んだことがないのですが、読むとしっとり雨に佇むイメージになる作者さんとか、乙女の気分が高揚する...
江國さんのエッセイ、書くことより読むことが好きな様子でいろんな本が紹介されてましつぁ。 一つ一つのエピソードが短くて物足りないのですが、海外の本や、故人の作家の純文学の語りが多くどれも読んだことがないのですが、読むとしっとり雨に佇むイメージになる作者さんとか、乙女の気分が高揚する作者さんとかいろんな作家さんに影響うけた、江國さんがいらっしゃるんだなあと感じることができました。 小川洋子さんのアンジェリーナは既読ですが牡蠣を食べてるような感触はなかったな。 彼女の感性でいいたいこと言って、ニマニマ2時間もお風呂で毒書とか中毒になってそうな気がしました。
Posted by
江國香織は書評までうつくしい。 楽しんで読んでもらえて、こんなふうに感想をのべられたら嬉しいだろうなと思う。
Posted by
毎日新聞に連載していた書評の他に、様々な媒体で書かれた書評や解説が一冊にまとめられた贅沢な本。まず一冊一冊への思い入れがすごい。いまいちだったけど適当に書いたんだろうなーという書評が見当たらない。ジャンルも幅広いのに、例えば江國さんの視点で西村賢太さん小説のこの台詞が良かった!な...
毎日新聞に連載していた書評の他に、様々な媒体で書かれた書評や解説が一冊にまとめられた贅沢な本。まず一冊一冊への思い入れがすごい。いまいちだったけど適当に書いたんだろうなーという書評が見当たらない。ジャンルも幅広いのに、例えば江國さんの視点で西村賢太さん小説のこの台詞が良かった!などと楽しまれてるのが面白い。 本当に心から感じた言葉しか発していないんだろうなあというのが江國さんの素敵なところだけど、ほんとにそれぞれの本を読者としてとても楽しまれてるのが分かる。 こんなに本が好きだからあんなに素晴らしい文章を生み出すことができるのだなあと改めて思える一冊。
Posted by
斎藤真理子さんの『本の栞にぶら下がる』がとても良かったので、読書エッセイや書評を読みたい気分に。作家としても大好きな江國香織さんの読書事情気になる! 毎朝2時間お風呂に入って本を読むという生粋の読書家である江國さん。わたしはおそらく江國さんと好きな作家や読書傾向が似ているのだが...
斎藤真理子さんの『本の栞にぶら下がる』がとても良かったので、読書エッセイや書評を読みたい気分に。作家としても大好きな江國香織さんの読書事情気になる! 毎朝2時間お風呂に入って本を読むという生粋の読書家である江國さん。わたしはおそらく江國さんと好きな作家や読書傾向が似ているのだが、それでも未読の本がたくさんあり、まんまと読みたくなってしまったタイトルをどんどん図書館の予約リストに追加する羽目になった。 ご自身の著作を読んでいても、言葉をとても大事にされる方であることがわかるのだが、読者側としても一つ一つの言葉を慈しんでいるのがわかる。こんなに味わって読んでもらえたら作者冥利に尽きるだろうな。
Posted by
だから江國香織さんが大好きなんだよ!という本。 読む前から、この本が絶対に好きだとわかったから、ゆっくり読めるタイミングを待っていていた。 幸せな読書タイムでした。好きすぎる。
Posted by
とにかくたくさん詰め込まれていて、読みたい本が増えすぎて困る…! 多分何度も手に取って、眺めるであろう本です。
Posted by
この本は書評と言うよりは、もう完全なる江國さんの短編集のようなものだと思う。 独特の感性で、独特の文章が綴られてゆく。 それは時には難解で、時には子どもの文章のようで、つかみどころがなく、ただやはり江國作品なのであった。
Posted by