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いまだ成らず 羽生善治の譜 の商品レビュー

4.1

16件のお客様レビュー

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2024/09/15

数々の名棋士や記者から羽生さんの戦いを描いたノンフィクションブック どの棋士からも「あなたはどのように打ちますか?」というような問いを盤上から受け取るとのこと。 時代や定石を疑い続け、負けたとしても進み続ける胆力が凄まじい。 また、藤井さんはAIを駆使しながら研究しているが...

数々の名棋士や記者から羽生さんの戦いを描いたノンフィクションブック どの棋士からも「あなたはどのように打ちますか?」というような問いを盤上から受け取るとのこと。 時代や定石を疑い続け、負けたとしても進み続ける胆力が凄まじい。 また、藤井さんはAIを駆使しながら研究しているが、羽生さんは過去の戦いなども元にしながら定石を崩し、戦い方を作っている。 誰に対してもフラットであるパーソナリティと、常に抽象的に問い続ける力はどの棋士よりも高く、勝ちにこだわりながらも次のゲームやルールなどを作るようなアップデートする柔軟な思考が羽生さんの真髄であるように受け取った。

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2024/09/04

羽生善治さんを描いた本。筆者の鈴木忠平さんが好きなので読みました。 構成としては羽生さんのライバルである谷川浩司さんや森内俊之さんを描くことで、羽生さんを浮かび上がらせようとしたのだと思います。ただ、肝心の羽生さんの言葉があまり出てこないので、鈴木さんの描きたかった羽生像がはっ...

羽生善治さんを描いた本。筆者の鈴木忠平さんが好きなので読みました。 構成としては羽生さんのライバルである谷川浩司さんや森内俊之さんを描くことで、羽生さんを浮かび上がらせようとしたのだと思います。ただ、肝心の羽生さんの言葉があまり出てこないので、鈴木さんの描きたかった羽生像がはっきりとはしませんでした。次作に期待したいと思います。

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2024/08/31

いくつになっても好奇心や探究心を持ち続けることの大切さを感じる。羽生善治さんの魅力や軌跡を本人ではなく周りの方々を通して辿る。巨匠、同世代のライバル、若き才能が、強さだけでなく姿勢に刺激を受けていく。ミドル世代には是非おすすめしたい一冊。

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2024/08/24

週刊文春でこの連載が始まった時、鈴木忠平、今回は将棋か!とちょっと驚きました。「嫌われた監督」落合博満から「いまだ成らず」羽生善治へ。でもスポーツの雑誌「Number」の表紙に藤井聡太が登場し大きく売れた、というような話を聞くと、どちらも勝負の世界ということで共通点はあるように思...

週刊文春でこの連載が始まった時、鈴木忠平、今回は将棋か!とちょっと驚きました。「嫌われた監督」落合博満から「いまだ成らず」羽生善治へ。でもスポーツの雑誌「Number」の表紙に藤井聡太が登場し大きく売れた、というような話を聞くと、どちらも勝負の世界ということで共通点はあるように思います。それ以上に、落合と羽生に通ずるものは、二人ともその世界に現れた特異点であるというところです。そしてその特異点に激しい影響を受ける周辺の物語から、逆にその特異点の本質を描き出していく、という著者の手法は、ますます際立ってきました。本書は2022年の羽生のA級陥落から2023年に52歳になった羽生が20歳の藤井に挑む王将戦という現在進行形のタイムラインと、1994年の50歳の米長邦雄名人に23歳の羽生が挑むというエピソードの間に起こる棋士たちの羽生との戦い、そして羽生への視線によって構成されているという複雑な構造で書かれています。その棋士たちもそれぞれに天才であり、濃厚な物語を持っています。なので連載で細切れ、飛び飛びで読むとちょっと理解しづらかったのですが単行本ではその精緻なパーツが全部キチッとハマって心地よかったです。読了後「嫌われた監督」の感想を見直したのですが「来たる契約社会の予言書」と書いていました。本書は「人生100年時代を考える本」としておこうか?と思います。従来の常識のライフプランから超えて自分の興味に対して「いまだ成らず」でい続ける能力。なぜ青いままで、いられるのか、青いままの53歳に心揺さぶられます。そう、AIへの向き合い方についても。落合という特異点には孤独を感じましたが、羽生という特異点には希望を感じました。

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2024/08/16

 棋士たちのノンフィクションという帯を見てめちゃくちゃ気になって買った。  名前や顔は知ってるけど人柄や生い立ちまでは知らなかった棋士たちのいろんなエピソードが丁寧に描かれていて興味深く読めた。常識を疑う。敗北を恐れない。棋士一人ひとりが成長する過程で、自分も何か見つけられるよう...

 棋士たちのノンフィクションという帯を見てめちゃくちゃ気になって買った。  名前や顔は知ってるけど人柄や生い立ちまでは知らなかった棋士たちのいろんなエピソードが丁寧に描かれていて興味深く読めた。常識を疑う。敗北を恐れない。棋士一人ひとりが成長する過程で、自分も何か見つけられるような気がする本だった。  あとは、対局場所の描写が素敵で行ってみたくなった。特に伊香保温泉。いつか行ってみたいと思う。

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2024/08/21

どんなに勝っても、必ず負けが訪れる。 その時に、どう向き合うのか。 羽生善治と、関わった棋士の苦闘を記した本。

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2024/08/13

羽生善治さんと1つ違いなので、勝手に羽生世代を名乗らせてもらっている自分としては、「嫌われた監督」の著者が羽生善治さんについて書いた本を読まない訳にはいかない。 結果は、ほぼ知っているのに、藤井聡太はじめ多くのライバルたちとの死闘に手に汗握り、その胸中に胸を熱くした。 羽生善治の...

羽生善治さんと1つ違いなので、勝手に羽生世代を名乗らせてもらっている自分としては、「嫌われた監督」の著者が羽生善治さんについて書いた本を読まない訳にはいかない。 結果は、ほぼ知っているのに、藤井聡太はじめ多くのライバルたちとの死闘に手に汗握り、その胸中に胸を熱くした。 羽生善治のいる時代に生きてて良かった。

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2024/08/12

羽生さんは25歳で当時のタイトルを全制覇して7冠になり、タイトルの獲得合計は99期にもなる。 渡辺明が30期、谷川浩司が27期なので、羽生さんが如何に突出しているかが分かる。 藤井聡太は現在まだ22歳だが、タイトル獲得合計は既に23期。 来年にも渡辺、谷川を抜く勢いで勝ち続けて...

羽生さんは25歳で当時のタイトルを全制覇して7冠になり、タイトルの獲得合計は99期にもなる。 渡辺明が30期、谷川浩司が27期なので、羽生さんが如何に突出しているかが分かる。 藤井聡太は現在まだ22歳だが、タイトル獲得合計は既に23期。 来年にも渡辺、谷川を抜く勢いで勝ち続けている。 令和の天才棋士藤井聡太でも、今後タイトル戦を全て勝ち続けても羽生さんに追いつくまで10年間かかる。 そんな羽生善治と戦ってきたトップ棋士を通して羽生善治という棋士の姿を著したものだ。 取り上げられたのは、以下の錚々たる実力者たち。 対戦成績はどうなのか知りたくなったので調べてみた。 羽生さんから見た、勝-負 を棋士名の後に付加した。 米長邦雄 16-10 豊島将之 23-27 谷川浩司 106-62 森内俊之 80-61 佐藤康光 113-55 深浦康市 49-33 渡辺明 44-39 藤井聡太はいないのか?と残念に思ったが、そうではなかった。 章の始めや最後に、2023年に行われた王将戦で52歳の羽生が20歳の藤井に挑戦した様子が語られていた。 この王将戦は藤井vs羽生の唯一のタイトル戦で、最初で最後のタイトル戦かも知れないと思っている。 対局数が10以上で羽生さんが負け越している棋士も調べてみた。 佐藤天彦 11-15 永瀬拓矢 8-15 菅井竜也 6-9  藤井聡太 3-14 羽生さんは順位戦のA級から陥落してしまったが、さすがにA級クラスは強者の集まりだ。 羽生さんが複数タイトルを保持していた時代は、谷川浩司や森内俊之や佐藤康光に勝たないと挑戦権を得られなかった。 今の将棋界でタイトルを獲得すると言うことは、藤井聡太に勝つということだが、 タイトル挑戦者になるためには、豊島将之や渡辺明や永瀬拓矢に勝たねばならないということ。 羽生さんでも相当に難しい。 ほぼ全てのトップ棋士が藤井聡太対策を探る中で、羽生善治さんは何をモチベーションにして将棋を指しているのだろう。 「いまだ成らず」とは、まだ何かを探り続けているということだ。

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2024/08/04

ダリは奇抜な言動で知られる異端の芸術家でもあった。盤上に絶対的な正し求める彼がなぜ、現実離れしたダリの世界に惹かれるのか。正統派と評される棋士あらゆる先入観を疑うような前衛芸術家。一見すると不思議な組み合わせに思えた。 だが、信じることと疑うこと、それらは相反するゆえに引っ張り合...

ダリは奇抜な言動で知られる異端の芸術家でもあった。盤上に絶対的な正し求める彼がなぜ、現実離れしたダリの世界に惹かれるのか。正統派と評される棋士あらゆる先入観を疑うような前衛芸術家。一見すると不思議な組み合わせに思えた。 だが、信じることと疑うこと、それらは相反するゆえに引っ張り合うような関係であるとも言えた。身ひとつで勝負に生きる棋士は自分をじなければ戦っていくことはできない。 その反面、現状を疑い、絶えず変化しなければやがて淘汰されることになる。身に染みて、そのことを知っていた。だから自分に言い聞かせてきた。 すべては疑いうるし。 カール・マルクスがそれを思考の前提としたように、今、常識とされているものを、今の自分を、疑ってきた。 他者が説むような王道を突き進んできた佐藤もまた、自分を疑い始めているのかもしれなかった。そして、その引き金になったのが羽生という棋士の存在であった。

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2024/07/07

棋士は武士にも似た印象を受ける。真剣勝負の中で煌めく棋士の生き様はカッコ良い。羽生さんがもう一つのタイトルを取れるか、注目してみていきたい。

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