わからない の商品レビュー
400ページ程あるので、2冊に分けてもいいのにとも思ったが、お得感のあるボリューム。 おかげで、最近手に入れたコクヨの「本に寄り添う文鎮」も大活躍した。 エッセイ、本にまつわるもの、日記の3部構成。 最初から最後まで、安定の面白さ。 読み応えありました。 「わからない」は、...
400ページ程あるので、2冊に分けてもいいのにとも思ったが、お得感のあるボリューム。 おかげで、最近手に入れたコクヨの「本に寄り添う文鎮」も大活躍した。 エッセイ、本にまつわるもの、日記の3部構成。 最初から最後まで、安定の面白さ。 読み応えありました。 「わからない」は、岸本佐知子さんが面白いと感じるものには、なんかよくわからない要素が含まれていることからきている。 【エッセイ】 例えば、私がGについて書こうと思ったら、 「私はGが嫌いだ。なぜなら…」のように書いてしまう。 岸本さんはこうだ。 「見たら殺す。絶対殺す。直ぐ殺す。確実に殺す。 黒光りするボディを見た瞬間、こいつら滅びてしまえと思う。 憎いんじゃない。怖いんです。」 感情表現がストレートで小気味よい。 【本にまつわるもの】 書評ではなく、本をネタにしたエッセイ。 夏目漱石が好きじゃないことをカミングアウト。 なので、そのあと読んだ・・が面白くて、夏目漱石いいじゃん!と認識を改めたことをしばらく隠していた。 実用書やノウハウ本の感想は、「自分には役に立たない」ことを認識する結果になってばかりいる。 そんなことができる奴は、こんな本読まないよ。こんな本は、それができない奴が買っている。に共感。 だから書評はいちいち難癖を付けることを楽しんでいるようだ。 谷川俊太郎さんの「ことばあそびうた」は楽しそうで、読みたくなった。 かっぱなっぱかった かっぱなっぱいっぱかった かってきってくった あと、「アルジャーノンに花束を」も読みたくなった。 【日記】 テレビや映画鑑賞、コンサート、飲み会、通院、買い物、その他モロモロの日常生活の一コマ。 読書と映画鑑賞の量がすごく多い。 しかも好きな作品は10回くらい見たり読んだりしている。 私はほとんどが1回で終わり。 あとは飲み会が多く、はしごして翌日は爆死のパターンも何度も繰り返し。 SさんやHさんはいいが、O野さんやO橋さんやO久保さんはバレバレじゃん? と思ったら、あとがきで実名がバッチリ出ていた。 ある日の日記: 「癒し系」の反対語は何か、このあいだからずっと考えている。たぶんそれが自分だから。 答えは出たのだろうか。
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エッセー,書評,日記.破壊級の面白さ.書評の「もう一度読んでみた」の味わい深さ,「ベストセラー快読」の切れ味のいい言いたい放題,とにかく,ムフフっと笑えます.
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めっちゃボリューミーな本。 巻末には日記もあって読み応えバッチシ。 ”女10人の会?”こんなネーミングの食事会が定期的にあってそこでの会話が面白おかしい。言い間違いが多くてわかるわかるという感じ。 著者の本業の翻訳本は読んだことないけど、エッセイは新刊が出るたびに読むと思う。
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おもしろい! 私は知らない間に自分にいっぱい枷をはめているんだなと、岸本さんの文章を読んで気付いた。
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約四半世紀分の岸本さんが色々な媒体で書いた文章を一冊にまとめたもの。これだけまとまった量を読めるのは嬉しい。 エッセイ・書評・日記という感じで、あらゆるジャンルの文章がたくさん並べられているが、そのアウトプットと比例するように、読んだ本や観た映画、誰と会って何を話したなどインプ...
約四半世紀分の岸本さんが色々な媒体で書いた文章を一冊にまとめたもの。これだけまとまった量を読めるのは嬉しい。 エッセイ・書評・日記という感じで、あらゆるジャンルの文章がたくさん並べられているが、そのアウトプットと比例するように、読んだ本や観た映画、誰と会って何を話したなどインプットの多さにもとても驚かされる。 印象的だったのは、岸本さんが小学生の時に「にんじん」という小説を、意味がよくわからないままに何度も読んでそれが強く記憶に残っているというところ。本書のタイトルにもなっているが、『わからなさを愛する』というのは岸本さんの個性の核になっているのだと思う。以下、特に心に残った一節の抜粋。 『大人になって、「わからない」ことが少なくなって、反対に腑に落ちる物事の占める割合が増えたぶん、世界は、読書は、つまらなくなってしまった。ーいや、それは嘘だ。わからないことがあると、ただうろたえ、不安になり、せかせかとわかろうと努め、あるいは頭から否定しにかかろうとする。そして二度と読み返さない。なんだかわからない美しいものを、なんだかわからないまま楽しむことのできた子供の私は、読み手として、今の私よりずっと上等だった。』
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言葉のセンス、妄想の方向性、香る女子校出身感、垣間見える読書量…岸本さん最高だわ。 電車で読んだが、ビチの介の登場のたびにニヤつきを抑えるのに必死だった。
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ちょっと不思議な人、翻訳家岸本のエッセイ。 書評部分はあまり面白くないが、エッセイ部分はめちゃくちゃ面白い。大学生時代にニューヨークでミュージカルを観に行った話が突き刺さる。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
単行本未収録の文章を集大成したもの、ということでその雑多な感じが楽しかった。小さなメディアに寄稿したものまで網羅されていて、ファンには堪らない。 ヤクルトの池山似だったというかつての飼い猫ちゃんの話。あのギプスだ!と前作のエッセイを引っ張り出して確認。同じ題材で他にも書いていらしたのね。滑稽な語り口なのにご本人やご家族、獣医師の暖かさが伝わってくる。その次の話と合わせて、しみじみと愛に溢れた良い話だった。収録に感謝。
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エッセイ、書評、日記と様々散りばめられていて楽しい。書評は小気味よく、日記も短文なのに破壊力がすごい。 「どの本もみんなお行儀よく“お約束”に従っている。」との指摘は衝撃だった。読書とは、客観的な視野を身につけられるもの、と何となく思い込んでいた。けれども、混沌とした世界をそのま...
エッセイ、書評、日記と様々散りばめられていて楽しい。書評は小気味よく、日記も短文なのに破壊力がすごい。 「どの本もみんなお行儀よく“お約束”に従っている。」との指摘は衝撃だった。読書とは、客観的な視野を身につけられるもの、と何となく思い込んでいた。けれども、混沌とした世界をそのままカオス状態で出されても、私は読まない気がする。つまり、自分が理解できる範囲内の本しか読んでいないということで、それでは視野の広がりようがないかもしれない。選書の段階で視野狭窄。ううむ、なんてこった。
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エッセイ初読み。かなり個性的で面白い方と推察。創造の翼の広がりが規格外。創造力って無限だなと思いしらされた。
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