私の身体を生きる の商品レビュー
朝吹真理子さんの「てんでばらばら」が好きだった。心の性欲と肉体の性欲は別物で、それぞれが多様に分岐していると思う。BLを読むだけで、自分の身体には指一本触れなくたって満たされる欲もある。 あと図らずも「女子トイレに入りたがる(既に入っている)トランス女性」の思考に触れられて興味深...
朝吹真理子さんの「てんでばらばら」が好きだった。心の性欲と肉体の性欲は別物で、それぞれが多様に分岐していると思う。BLを読むだけで、自分の身体には指一本触れなくたって満たされる欲もある。 あと図らずも「女子トイレに入りたがる(既に入っている)トランス女性」の思考に触れられて興味深かった。男らしさの埒外で女にもなりきれず、自分は被差別側のマイノリティであるという被害者意識が強すぎて全方位にヘイトを向けてる印象。各エッセイの女性たちのほとんどが性被害の経験を語るなかで、自身の加害性を棚に上げて「自分の生き方を否定する人を殴れるなんて、最高だ」などと書いてしまえる傲慢さが、染色体XXの私からすればシンプルに怖いです。
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タイトルだけ見て、自分の問題意識にかかわる何かしらの考えを知ることができるかも、と手に取った。「私の身体」に関するエッセイ集だが、書き手は全員女性だ。その企画意図は分からない。でも自分はよく、問題意識を持って手に取った本があからさまに女性向けだった経験がかなりあるな、と気がついた...
タイトルだけ見て、自分の問題意識にかかわる何かしらの考えを知ることができるかも、と手に取った。「私の身体」に関するエッセイ集だが、書き手は全員女性だ。その企画意図は分からない。でも自分はよく、問題意識を持って手に取った本があからさまに女性向けだった経験がかなりあるな、と気がついた。身体は男性で、異性愛者だけれど、いわゆる「男性的なこと」からは意識無意識にせよ、距離を置いてきたのだな、と。この本は単に著者が全員女性とはいえ、中には性自認と身体の性の揺らぎに困ってきた人もいて、自分的にはよい気づきとなった1冊となった。自分の抱える悩みや問題意識が、自分が今までの社会で「普通」と言われてきた性自認とのズレからきたものだとすれば、この多様性の時代、同じような問題意識を持った人が何を考え、実践しているのか、知ることができるかも、という希望がこころに宿った気がします。
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17人の作家が身体や性について語るリレーエッセイ。それぞれは短いエッセイだけどそれぞれ内容がとても濃い! 性被害の話も多くて、苦しくなるところもあるけど、共感したり、なるほどーと思うこともあったり、おもしろかった。 とくに妊娠にとらわれている話が印象的だった。 また読み返したい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
小説家というのは言語化の達人であった。当たり前だが。兎も角それぞれの説得力が桁違い。自分とは異なるものを知るためのテキストとして。 堪える。かなり参った。
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17人の作家等の女性が性をテーマに語るエッセイ集。 性といっても、性行為であったり、ジェンダーであったり、身体的なことであったりするが、それぞれが抱える生きづらさみたいなものを、真剣に、そして赤裸々に語る。 結構な重い内容であるために、衝撃を受ける。自分が思う普通を考え直さなけれ...
17人の作家等の女性が性をテーマに語るエッセイ集。 性といっても、性行為であったり、ジェンダーであったり、身体的なことであったりするが、それぞれが抱える生きづらさみたいなものを、真剣に、そして赤裸々に語る。 結構な重い内容であるために、衝撃を受ける。自分が思う普通を考え直さなければならないなと思えるものだった。
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ひさびさに本を読み切った。たいして暑くもなく読みやすいエッセイ集なのになさけなし。しかし内容はさくさくとさいかないというか、けっこううーむと考えながら読みました。
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性の話はタブーな雰囲気の家で育ったし、友達同士でも、そういえば踏み込んだ話はあまりしないかも。 女性作家さんの性をテーマにした本ということで、どんな感じだろう?と思って手に取っみたら…予想以上にあけっぴろげな内容だったのでビックリ。 (自宅で読んでてよかった) どれもこれも、興味...
性の話はタブーな雰囲気の家で育ったし、友達同士でも、そういえば踏み込んだ話はあまりしないかも。 女性作家さんの性をテーマにした本ということで、どんな感じだろう?と思って手に取っみたら…予想以上にあけっぴろげな内容だったのでビックリ。 (自宅で読んでてよかった) どれもこれも、興味津々で読みました。 どんな感想を書いたらいいのかわからないけど、性に関することはほんとに人それぞれだってことがよくわかった。 そして、多かれ少なかれ皆さん嫌な体験もされているなと。 私も忘れていた過去の嫌な記憶を思い出してしまった。
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思ってたよりはるかに濃い内容に読むのに数日かかった。なんというか、言葉を商売にしている人たちの底力を見たというか、ここまで言語化して内面をさらけ出すことが出来るのがすごい。 性自認も性嗜好もノーマルで(何をもってノーマルというのか語り出すと長くなるのだろうけど)、妊娠出産も複数...
思ってたよりはるかに濃い内容に読むのに数日かかった。なんというか、言葉を商売にしている人たちの底力を見たというか、ここまで言語化して内面をさらけ出すことが出来るのがすごい。 性自認も性嗜好もノーマルで(何をもってノーマルというのか語り出すと長くなるのだろうけど)、妊娠出産も複数回経験して、性別にあまり疑問を持たずに生きてきた人間には、不思議で衝撃的で、その苦しみに胸が痛い。 柴崎さんの「痛みと不具合、不均衡と違和感が、わたしの身体」は強く共感。 タイトルの『私の身体を生きる』、すべてのひとが感じてることだと思う。言語化は難しいけど。
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そういうことじゃねえマーチに笑った。ほんとにね。 女性を恋愛対象とする女性として、とかクエスチョニングとか、他にもたくさん同じ性の人たちが語ってくれるプライベートな話に優しく応援された。気がする。
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何ともどれも衝撃的であり個性的である。 知っている作家さんたちは、ある程度予測できるものの、初めて知る人の文面が、その人を知らないせいか更にぶっ飛んでる感がする。 とはいえ、面白い企画ではある。 連載ものとして読むにはいいが、纏まった文庫本として読むには濃すぎる感あり。ゆっく...
何ともどれも衝撃的であり個性的である。 知っている作家さんたちは、ある程度予測できるものの、初めて知る人の文面が、その人を知らないせいか更にぶっ飛んでる感がする。 とはいえ、面白い企画ではある。 連載ものとして読むにはいいが、纏まった文庫本として読むには濃すぎる感あり。ゆっくりと読むのがベスト。
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