ビブリオフォリア・ラプソディ の商品レビュー
本を書く人達の短編集。どれも展開が意外で引き込まれた。「詩人になれますように」は、特に心に残る話だった。
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配架場所・貸出状況はこちらからご確認ください。 https://www.cku.ac.jp/CARIN/CARINOPACLINK.HTM?AL=01432855
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一冊一冊に著者の想いが詰まっていて、読む人の心に語りかける。それが面白いかどうかなんて人それぞれ。読み手の数だけの解釈があって構わないし、出会った本・これから出会う本を大切にしたい。
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短編の主人公たちそれぞれの作品に対する想い。いつの時代も、救いになる本もあれば、ただ読み捨てられていく本もある。一冊一冊に著者がいて、そこに想いがあって、思いがけず読む人の糧になっているものだと思う。無駄な本なんてない、と思いたい。
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短編集。世の中には無数の本がある。かつて出された本。これから出る本。自分には読めない言語で書かれた本。本になる見込みはなく本にしようというつもりで書かれたわけでもないけれど、いつか、誰かによって書かれた文章。読み尽くせるわけがない、全ての言語が理解できる者など存在するわけがない...
短編集。世の中には無数の本がある。かつて出された本。これから出る本。自分には読めない言語で書かれた本。本になる見込みはなく本にしようというつもりで書かれたわけでもないけれど、いつか、誰かによって書かれた文章。読み尽くせるわけがない、全ての言語が理解できる者など存在するわけがない、読んだとしても理解できているとは限らない、なにかの賞をとったとして、その受賞にどれだけの意味があるのかもよくわからなくなっている。そのような諦念がどの作品にも充満している。無限に広がっていくような古書店のなかをさまよう『本の泉 泉の本』が一番好き。最後のほうに描かれている情景は、わたしも二〇一一年に経験しているので、当時を思い出した。
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本を主軸にしたSFチックな短編集。可愛らしい表紙とは裏腹に、重めで思考させるような作品が続く。本が好きな人には是非読んでほしい。 『ハンノキのある島で』は増えすぎた娯楽作品を制御するため「読書法」という仕組みができた世界。溢れかえる娯楽作品に翻弄されることに共感はするものの、こんな世界にならないことを願う。 『バベルより遠く離れて』は悩める翻訳家の物語。翻訳というものの妙や翻訳家の悩みが身に染みる。訳すとは何か、物語を受け取るとは何か、ということを考えさせられる。 『木曜日のルリユール』は辛口でぶった斬る系書評家の書評できない作品『木曜日のルリユール』という作品をめぐる話。書評家と『木曜日のルリユール』の著者による罵倒合戦では、それまで小難しい言葉を捏ねくりまわしていた書評家が小学生のような語彙を連発する。メッキが剥がれたような描写で面白かった。 『詩人になれますように』は一躍詩人として時の人となった主人公が詩を書けなくなり、しがない事務員として働く毎日。そこへ過去を知る人物が現れる話。産みの苦しみがひしひしと伝わりこちらも苦しくなるが、他作品よりも着地点には希望を感じる。 『本の泉 泉の本』は『ハンノキのある島で』の世界。(おそらく少し前の時系列)四郎が友人と本を物色し、帰る間際になり地震が起こる。SFというよりは幻想小説に近い気がする。タイトル通り様々な本が矢継ぎ早に出てくるが、それらが作品世界においてどんな意味を持つのかこの短編では分からなかった。この世界観の長編を読んでみたい。
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作家、翻訳家、批評家、詩人……と様々な本に関わるというか宿命的に本に囚われている人々の物語。インパクトとしては「詩人になれますように」が痛くて苦しかったけど、好きだったのは「ハンノキのある島で」。 新刊の寿命は6年。それ以降は特定保護に指定されたもの以外は徹底的に廃棄される「読書法」の定められた世界。どんなに愛する本も自分だけの愛では消えゆく運命の世界で、大衆に読まれる本だけが価値あるものと決められる。生み出され、淘汰され、それでも書かずにはいられない物書きの業。 どうして人は物語を生み出すのか。物語などという回りくどい形ではなく、端的な言葉で伝え合えばいいものを、物語を、世界を、求めずにはいられない。榛の木の繁る島(=Ellery)でそうやって流されてきた本を拾うオシャレな鼻眼鏡の探偵のことを私も祈るように想像する。
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【収録作品】ダブルクリップ-プロローグ-/ハンノキのある島で/バベルより遠く離れて/木曜日のルリユール/詩人になれますように/本の泉 泉の本/ダブルクリップ再び-エピローグ- 「ハンノキの……」本は出版されるものの、保存されないことが基本となった世界。作家はある噂を頼りに進む。 「バベルより……」南チナ語の翻訳者が出会った、不死の呪いをかけられたという異国人。呪いを解く方法について相談される。 「木曜日の……」辛口書評家が出会った幻の自作小説。 「詩人になれますように」詩人になりたいと願った少女の現在の姿。 「本の泉 ……」「本の魔窟」に埋もれる青年。 本の呪いか祝福か。足下がふと揺らぐような怖さを感じる。
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かわいい表紙に惹かれて読んでみた。 SFのようなそうじゃないような短編集だった。自分にはよく分からなかった。読む資格がなかった。
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本にまつわる5つの短編集。 どういうふうに展開していくのか…と読み始めた1話目の「ハンノキのある島で」だが、あまりにも現実とかけ離れすぎて、ついていけずになかなか入り込めなかった。 「バベルより遠く離れて」は、不可解なマイナー言語を正確に訳すのは難解としか思えないのだが、翻訳者...
本にまつわる5つの短編集。 どういうふうに展開していくのか…と読み始めた1話目の「ハンノキのある島で」だが、あまりにも現実とかけ離れすぎて、ついていけずになかなか入り込めなかった。 「バベルより遠く離れて」は、不可解なマイナー言語を正確に訳すのは難解としか思えないのだが、翻訳者としての矜持が…という話。 「木曜日のルリユール」が、絶対に書評できない理由が…。 想定外の結末にこれも本好きだからか。 「詩人になれますように」は、亡き祖母から貰った望みが叶う勾玉に運命を委ねるのも…と。 なかなか辛い場面もあったが、何故か一番感情を揺さぶられた。 「本の泉 泉の本」本の魔窟に暮らす蔵書家が訪れた古本屋で体験したことは…夢か現実か⁉︎
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